Qi10ドライバーのウェイト調整で理想の弾道を!初心者にもわかる方法

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最新のテクノロジーが詰まったテーラーメイドのQi10ドライバー。その性能を最大限に引き出すために欠かせないのが「ウェイト調整」です。しかし、「調整って何だか難しそう…」「自分に合った設定がわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください。Qi10ドライバーのウェイト調整は、専用のレンチ一つで誰でも簡単に行うことができます。この記事では、Qi10シリーズのモデルごとの特徴から、具体的な調整手順、そして「スライスを抑えたい」「もっと飛ばしたい」といった悩み別のセッティング方法まで、写真や図を交えながら、どこよりもやさしく解説します。 この記事を読めば、あなたにピッタリのセッティングが見つかり、Qi10ドライバーが最高のパートナーになるはずです。さあ、一緒に理想の弾道を手に入れましょう!

Qi10ドライバーのウェイト調整、基本の「き」

話題のQi10ドライバーを手に入れた、あるいは購入を検討しているゴルファーの皆さん。その性能を最大限に引き出すための第一歩が「ウェイト調整」です。ここでは、調整の基本となるモデルごとの機能の違いや、弾道にどのような影響があるのか、そして調整に必要な道具について、基礎からしっかり解説していきます。

Qi10シリーズのウェイト調整機能とは?モデルごとの違い

テーラーメイドのQi10シリーズには、主に3つのモデル「Qi10」「Qi10 MAX」「Qi10 LS」が存在し、それぞれ設計思想が異なるため、ウェイト調整の機能も大きく異なります。 ご自身のモデルの特性を理解することが、最適なセッティングを見つける近道です。

モデル名 主な特徴 ウェイト調整機能 こんなゴルファーにおすすめ
Qi10 寛容性と操作性を両立したバランスモデル 後方の固定ウェイト(交換は可能) 幅広い層のゴルファー
Qi10 MAX シリーズ最高の慣性モーメントで究極のやさしさを追求 非常に重い後方の固定ウェイト(交換は可能)。弾道調整機能はなし。 とにかく曲げたくない、安定性を求めるゴルファー
Qi10 LS 低スピン性能を追求した上級者・ハードヒッター向けモデル ソール前方に18gのスライディングウェイトを搭載し、左右の弾道調整が可能。 弾道を操作したい、スピンを減らして飛距離を稼ぎたいゴルファー
ポイント
– Qi10Qi10 MAXは、弾道を左右に調整する機能はありませんが、別売りのウェイトに交換することでクラブの総重量や振り心地(スイングウェイト)を調整することが可能です。 – Qi10 LSは、スライド式の「エアロトラック・スライディングウェイト」を動かすことで、球のつかまり具合を調整し、ドローやフェードといった弾道を意図的にコントロールできます。

このように、モデルによって調整できる範囲が異なります。Qi10 MAXは寛容性を最大化するためにあえて調整機能を搭載せず、Qi10 LSはプレーヤーが積極的に弾道を操るための機能を備えているのが大きな違いです。

ウェイト調整で何が変わる?弾道への影響を理解しよう

では、ウェイトを調整すると、具体的にボールの飛び方はどう変わるのでしょうか。これは、クラブヘッドの重心位置が変化するためです。重心の位置が変わることで、主に以下の3つの要素に影響が出ます。

  1. 球のつかまり(左右の曲がり) 重心位置をヒール(シャフト側)に寄せると、ヘッドが返りやすくなり、ボールがつかまりやすくなります(ドローバイアス)。 これにより、スライスを軽減する効果が期待できます。 逆に、トゥ(先端側)に寄せると、ヘッドが返りにくくなり、ボールのつかまりを抑えることができます(フェードバイアス)。 これはフックや引っかけに悩むゴルファーに有効な設定です。 Qi10 LSのスライディングウェイトは、まさにこの左右の重心位置を調整するための機能です。
  2. 弾道の高さとスピン量 重心をヘッドの後方、そして深く設定すると、慣性モーメント(MOI)が大きくなり、ミスヒットに強くなります。 また、打ち出し角が高くなり、スピン量も適度に増えるため、ボールが上がりやすく、安定したキャリーが期待できます。 Qi10 MAXがこの設計思想を極めたモデルです。 一方、重心を前方に設定すると、重心深度が浅くなり、スピン量を抑えた強い弾道が出やすくなります。 これは飛距離アップに繋がる可能性がありますが、操作がシビアになる側面もあります。
  3. 振り心地(スイングウェイト) ウェイトを重いものに交換すると、スイング中にヘッドの重さを感じやすくなります(スイングウェイトが重くなる)。 これにより、ゆったりとしたリズムでスイングしやすくなり、軌道が安定する効果が期待できます。 逆に軽いウェイトに交換すると、クラブをシャープに振り抜きやすくなり、ヘッドスピードの向上が見込める場合があります。

これらの関係性を理解し、ご自身のスイングの癖や出やすいミスの傾向に合わせて調整することが重要です。

調整に必要な道具は?付属のトルクレンチを正しく使おう

ウェイト調整には、専用のトルクレンチが必要です。以前のモデルではドライバーに付属していましたが、ステルス2シリーズ以降、Qi10シリーズでもトルクレンチは別売りとなっていますので注意が必要です。 もしお持ちでない場合は、別途購入する必要があります。

調整の基本手順 調整方法は非常にシンプルで、以下の3ステップで完了します。

  1. 緩める:トルクレンチをウェイトのネジ穴にしっかり差し込み、反時計回りに回して緩めます。完全に外す必要はありません。
  2. 動かす:(Qi10 LSの場合)ウェイトを希望の位置までスライドさせます。(ウェイト交換の場合)古いウェイトを外し、新しいウェイトを取り付けます。
  3. 締める:時計回りにレンチを回し、「カチッ」という音がするまでしっかりと締め込みます。この「カチッ」という音は、適正な力(トルク)で締め付けられた合図です。 締めすぎは破損の原因になりますし、緩いとプレー中に外れてしまう危険があるため、必ず音がするまで締めるようにしてください。
注意点
Qi10の固定ウェイトを交換する際、市販されているヘッドは緩み防止のために接着剤が使用されている場合があります。 レンチが合わなかったり、固くて回らない場合は無理に力を加えず、ゴルフ工房などに相談することをおすすめします。

正しい知識と道具があれば、ウェイト調整は決して難しいものではありません。次の章からは、各モデルの具体的な調整方法をさらに詳しく見ていきましょう。

モデル別!Qi10シリーズのウェイト調整方法を徹底ガイド

Qi10シリーズの3つのモデルは、それぞれ異なる設計思想に基づいて作られています。そのため、ウェイト調整でできることや、その効果の現れ方も異なります。ここでは、各モデルの特性を最大限に活かすための具体的なウェイト調整方法を、モデルごとに詳しく解説していきます。

【Qi10 MAX】高い寛容性をさらに引き出すウェイト調整

Qi10 MAXは、テーラーメイド史上最高の慣性モーメント「10K MOI」を達成し、究極のやさしさ(寛容性)を追求したモデルです。 そのため、ヘッド後方には30gという非常に重いバックウェイトが固定されており、意図的に弾道を調整するためのスライディングウェイトなどは搭載されていません。 メーカーが最も寛容性が高くなるよう計算し尽くした「究極の深・低重心」を、この固定ウェイトによって実現しているのです。

しかし、弾道調整機能がないからといって、何もカスタマイズできないわけではありません。このバックウェイトを、別売りの異なる重さのウェイトに「交換」することで、クラブの総重量やスイングバランスを調整し、振り心地を自分好みに変えることが可能です。

ウェイト交換による効果

  • ウェイトを重くする スイング中にヘッドの重みを感じやすくなり、スイング軌道が安定しやすくなります。 手打ちになりがちな方や、パワーヒッターでクラブが軽く感じてしまう方におすすめです。ヘッドが自然にターンしやすくなるため、球のつかまりを少し良くしたい場合にも効果が期待できます。
  • ウェイトを軽くする クラブ全体が軽くなるため、振り抜きやすさが向上します。 これによりヘッドスピードが上がり、飛距離アップに繋がる可能性があります。 クラブが重すぎると感じる方や、もっとシャープに振りたいゴルファーに適しています。
Qi10 MAXのウェイト交換は、主に振りやすさの調整が目的となります。純正品だけでなく、様々な重さがラインナップされている社外品のウェイトも市販されていますが、使用する際は自己責任となる点に注意しましょう。 自分のスイングテンポや体力に合わせて最適な重さを見つけることで、Qi10 MAXが持つ本来の寛容性をさらに安定して発揮できるようになります。

【Qi10】直進性と操作性を両立させるウェイトセッティング

スタンダードモデルであるQi10は、Qi10 MAXの高い寛容性と、Qi10 LSの操作性という、両者の良いところを併せ持ったバランスの取れたモデルです。 Qi10 MAXと同様にスライディングウェイトは搭載されていませんが、後方に配置されたバックウェイトを交換することで、振り心地の調整が可能です。

Qi10のウェイト調整の考え方は、基本的にはQi10 MAXと同じです。つまり、振りやすさ(スイングウェイト)の最適化が主な目的となります。

こんな時にウェイト交換を検討しよう

  • 球が左右に散らばる クラブが重すぎたり軽すぎたりすると、スイングのタイミングが合わずに弾道が不安定になることがあります。例えば、重すぎて振り遅れると右へのミス(スライス)が出やすくなりますし、軽すぎて手打ちになると左へのミス(フック・引っかけ)が出やすくなります。ウェイトを交換して「心地よく振れる」と感じる重さに調整することで、スイングが安定し、結果的に直進性が高まることがあります。
  • 飛距離が思ったより出ない ヘッドスピードに対してクラブが重すぎると、ポテンシャル通りのスピードで振ることができません。少し軽いウェイトに交換してヘッドスピードの向上を試みるのも一つの手です。 逆に、ある程度の重さがあった方が、ヘッドのエネルギーを効率的にボールに伝えられるタイプのゴルファーもいます。いくつかの重さを試してみる価値はあるでしょう。
  • シャフトを交換(リシャフト)した 純正シャフトから別のシャフトに交換した場合、クラブ全体の重量やバランスが大きく変わることがあります。 それに合わせてヘッドのウェイトを調整することで、リシャフトした効果を最大限に引き出すことができます。

Qi10は元々の完成度が高いモデルですが、ウェイト交換という一手間を加えることで、さらに自分だけの「エースドライバー」に仕上げることができます。

【Qi10 LS】低スピンを極める!スライディングウェイトの活用法

Qi10 LS(Low Spin)は、その名の通りスピン量を抑えて飛距離を追求する上級者やハードヒッター向けのモデルです。 このモデルの最大の特徴が、ソール前方に搭載された18gの「エアロトラック・スライディングウェイト」です。 このウェイトを左右に動かすことで、重心位置を微調整し、弾道を積極的にコントロールすることが可能です。

スライディングウェイトの基本3ポジション

  1. DRAW(ドロー)ポジション ウェイトをヒール(シャフト側)いっぱいに寄せたセッティングです。重心距離が短くなり、ヘッドが返りやすくなるため、ボールのつかまりが向上します。 スライスに悩んでいるゴルファーや、意図的にドローボールを打ちたい場合に非常に有効です。インパクトでフェースが開きやすい癖をクラブ側で補正してくれます。
  2. FADE(フェード)ポジション ウェイトをトゥ(ヘッド先端側)いっぱいに寄せたセッティングです。重心距離が長くなり、ヘッドの返りが穏やかになるため、ボールのつかまりを抑える効果があります。 フックや左への引っかけが怖いゴルファー、また、パワーフェードで飛距離を稼ぎたいプレーヤーにおすすめです。
  3. NEUTRAL(ニュートラル)ポジション ウェイトを中央に設定した、最も標準的なポジションです。クラブの基本性能をそのまま活かしたい場合や、持ち球をストレートに近づけたい場合に選択します。まずはこの位置から試打を始め、自分の弾道の傾向を見てから左右に動かしていくのがセオリーです。
ポイント
Qi10 LSのスライディングウェイトは、前作のステルス2プラス(15g)よりも重い18gとなっており、ウェイトを動かした際の弾道の変化がより明確に感じられるようになっています。 ほんの数ミリ動かすだけでも弾道は変わるので、練習場で少しずつ調整しながら最適なポジションを見つけてみてください。

悩み別!ウェイト調整で解決できる弾道の悩み

ゴルフクラブの調整機能は、ただの飾りではありません。自分のスイングの癖や、ラウンドで出やすいミスの傾向を理解し、それに合わせてクラブをセッティングすることで、スコアメイクを大きく改善できる可能性があります。ここでは、ゴルファーが抱えがちな具体的な悩みに焦点を当て、Qi10ドライバーのウェイト調整でどのように解決できるかを解説します。

スライスを抑えたい!ドローバイアス設定のコツ

多くの右打ちアマチュアゴルファーが悩む「スライス」。ボールが右に大きく曲がってしまい、飛距離をロスするだけでなく、OBの原因にもなります。 このスライスを軽減するために有効なのが、ドローバイアス設定です。

これは、クラブヘッドの重心をヒール(シャフト側)に寄せることで、インパクトにかけてヘッドが自然に返りやすく(ターンしやすく)する調整です。 これにより、インパクト時にフェースが開いてボールに当たってしまうのを防ぎ、ボールのつかまりを良くします。

Qi10 LSでの設定方法

  • ソールにある18gのスライディングウェイトを、「DRAW」と書かれたヒール側いっぱいに移動させます。 これが最も効果的なスライス対策の設定です。まずはこの位置で試してみて、もしつかまりすぎる(フックが出る)ようであれば、少しずつ中央(NEUTRAL)方向に戻して微調整しましょう。

Qi10 / Qi10 MAXでのアプローチ

  • これらのモデルにはスライディングウェイトがありませんが、後方のバックウェイトをより重いものに交換することで、ヘッドの慣性モーメントを高め、スイング中のヘッドの挙動を安定させる効果が期待できます。ヘッドが安定することで、インパクトでフェースが開く動きを抑制できる場合があります。また、鉛テープをヘッドのヒール側に貼ることでも、同様の効果を得ることができます。
ウェイト調整はスイングを矯正するものではありませんが、ミスの幅を小さくする大きな助けになります。スライスに悩んでいる方は、ぜひ一度ドローバイアス設定を試してみてください。

フックを防止したい!フェードバイアス設定のポイント

スライスとは逆に、ボールが左に曲がりすぎてしまう「フック」や、真っ直ぐ左に飛び出す「引っかけ」に悩むゴルファーもいます。特にパワーヒッターや、手首を使いすぎてしまう方に多いミスです。この悩みを解決するのがフェードバイアス設定です。

これはドローバイアスとは逆で、ヘッドの重心をトゥ(先端側)に寄せることで、ヘッドのターンを穏やかにし、ボールのつかまりを抑える調整です。 これにより、インパクトでフェースが被りすぎてしまうのを防ぎ、左へのミスを軽減します。

Qi10 LSでの設定方法

  • ソールにあるスライディングウェイトを、「FADE」と書かれたトゥ側いっぱいに移動させます。これによりヘッドの返りが抑制され、ボールを右に逃がしやすくなります。 特に「チーピン」と呼ばれるような極端な左へのミスが出る場合に効果的です。

Qi10 / Qi10 MAXでのアプローチ

  • これらのモデルでは、バックウェイトを軽いものに交換することで、ヘッドの操作性が上がり、自分でフェースコントロールをしやすくなる場合があります。ヘッドが効きすぎていると感じる場合は、軽くすることで振り抜きが良くなり、左へのミスが減ることがあります。また、鉛テープをヘッドのトゥ側に貼ることでも、フェードバイアス効果を得られます。

左へのミスは飛距離が出やすい分、OBにも繋がりやすい危険なミスです。フェードバイアス設定を上手く活用して、安定した弾道を手に入れましょう。

もっと飛距離を伸ばしたい!高弾道・低スピン設定を探る

飛距離アップは、全ゴルファーの永遠のテーマです。飛距離を最大化するための理想的な弾道は、一般的に「高い打ち出し角」「少ないスピン量」の組み合わせと言われています。ウェイト調整は、この理想の弾道に近づけるための有効な手段です。

Qi10 LSでのアプローチ

  • Qi10 LSは元々低スピン性能に優れたモデルですが、スライディングウェイトの位置によってもスピン量は変化します。ウェイトが前方にあるため、どのポジションでも比較的低スピンになりやすいですが、一般的にニュートラルからややフェード寄りに設定すると、スピン量が抑えられる傾向にあります。これは、フェースの開きを抑えようとする動きが減り、効率的にエネルギーを伝えやすくなるためです。

Qi10 / Qi10 MAXでのアプローチ

  • Qi10とQi10 MAXは、深い重心設計により元々高弾道が打ちやすいモデルです。 飛距離を伸ばすためには、振り心地を最適化することが重要です。自分にとって最もヘッドスピードが上がるウェイトの重さを見つけることが、飛距離アップへの近道となります。 軽すぎても重すぎてもヘッドスピードは最大化されません。いくつかの重さのウェイトを試して、最も効率よく振れるバランスを探しましょう。
重要
飛距離アップには、ウェイト調整だけでなく、後述するロフト角の調整(カチャカチャ機能)も非常に重要です。 ウェイトで左右の曲がりを整え、ロフト角で打ち出しの高さとスピン量を最適化する、という組み合わせで調整を進めるのがおすすめです。

とにかく真っ直ぐ飛ばしたい!直進性重視のセッティング

「ドローもフェードもいらない、とにかく真っ直ぐ飛ばしたい」という安定志向のゴルファーも多いでしょう。直進性を高めるためには、ミスヒットに対する寛容性を最大限に引き出すセッティングが求められます。

Qi10 LSでの設定方法

  • スライディングウェイトを「NEUTRAL」(中央)に設定するのが基本です。これが最もヘッドの挙動がニュートラルになり、左右のバイアスがかからない状態です。ここを基準に、もし少し右に行く傾向があればわずかにドロー側へ、左に行く傾向があればわずかにフェード側へと微調整することで、よりストレートな弾道に近づけることができます。

Qi10 / Qi10 MAXでのアプローチ

  • これらのモデルは、元々の設計が直進性・寛容性重視です。特にQi10 MAXは、その性能を極限まで高めています。 そのため、基本的には標準のウェイトのままで高い直進性を発揮します。もし弾道が安定しない場合は、スイングとの相性を疑い、振り心地を改善するためにウェイト重量の変更を検討するのが良いでしょう。自分にとってタイミングが取りやすく、安定して同じスイングができる重さを見つけることが、直進性アップに繋がります。

安定してフェアウェイをキープすることは、スコアメイクの基本です。ウェイト調整機能を活用し、あなたのQi10を最も信頼できる相棒に育て上げてください。

ウェイト調整の応用編と注意点

ウェイト調整の基本をマスターしたら、次はもう一歩踏み込んだ応用編です。ウェイトの交換や、他の調整機能との組み合わせることで、セッティングの幅はさらに広がります。ただし、調整にはいくつかの注意点もあります。ここでは、より高度なカスタマイズ方法と、安全に調整を行うためのポイントを解説します。

純正・社外品ウェイトの交換でさらに広がるセッティング

Qi10シリーズのウェイトは、ネジを外せば交換が可能です。特に、弾道調整機能を持たないQi10やQi10 MAXでは、ウェイト交換が唯一のヘッド側の調整要素となり、非常に重要です。

ウェイト交換の目的

  • スイングバランスの調整:前述の通り、クラブの振り心地を調整します。 シャフトを交換した際や、クラブの総重量を軽く・重くしたい場合に有効です。
  • 弾道の微調整:Qi10やQi10 MAXでも、ウェイトを重くすればヘッドの慣性モーメントが上がり安定性が増し、軽くすれば操作性が向上します。 これにより、間接的に弾道をコントロールすることも可能です。

純正品と社外品 テーラーメイドから純正の交換用ウェイトが販売されているほか、ゴルフパーツメーカーから様々な重量の互換ウェイト(社外品)も販売されています。

  • 純正品:メーカーの設計通りの性能を保証しており、品質や安全性は最も高いです。安心して使用したい場合は純正品を選びましょう。
  • 社外品:純正品にはない重さのバリエーションが豊富で、より細かいセッティングが可能です。 価格も比較的安価なことが多いですが、品質にはばらつきがある可能性も否定できません。使用する場合は、信頼できるメーカーのものを選び、あくまで自己責任で使用するという認識が必要です。
ウェイトを1つ変えるだけで、ドライバーの性格は大きく変わります。自分のスイングや目的に合わせて、最適な重量を見つけることで、クラブのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

ウェイト調整とロフト角・ライ角調整(スリーブ調整)の組み合わせ

Qi10ドライバーには、ウェイト調整の他にもう一つ強力な調整機能があります。それが、シャフトの付け根にある「スリーブ」を使ったロフト角・ライ角の調整機能、通称「カチャカチャ」です。 この2つの機能を組み合わせることで、まさにオーダーメイドのようなセッティングが可能になります。

スリーブ調整でできること

  • ロフト角の調整:打ち出し角とスピン量を直接的にコントロールします。ロフトを増やすと球が上がりやすく、つかまりも良くなります。減らすと弾道が低く強くなり、スピンが減ります。
  • ライ角の調整:アップライトに設定すると球がつかまりやすくなり、フラットにするとつかまりを抑える効果があります。

調整の推奨手順 セッティングに迷わないための、おすすめの調整手順があります。

  1. まずスリーブで大きな方向性を決める:最初に、ロフト角とライ角を調整して、大まかな弾道の高さやつかまり具合を決めます。 例えば、球が上がらずスライスするなら、ロフトを増やして(HIGHER)、アップライトな設定を試します。
  2. 次にウェイトで微調整する:スリーブで決めた設定をベースに、今度はウェイト(Qi10 LSならスライディングウェイト)を動かして、左右の曲がり幅などの細かい部分を追い込んでいきます。

「まずスリーブで球の高さを決め、次にウェイトで左右の曲がりを整える」と覚えると分かりやすいでしょう。 この順番で調整することで、変更点が分かりやすく、効率的に最適なセッティングにたどり着くことができます。

やりすぎは禁物!調整時の注意点と確認事項

ウェイト調整は非常に有効ですが、いくつか注意すべき点があります。安全に、そして効果的に調整を行うために、以下のポイントを必ず守ってください。

  • 締め付けは「カチッ」と音がするまで 専用のトルクレンチでネジを締める際は、必ず「カチッ」という音がするまで締め付けてください。 この音は、適切な力で締められた証拠です。締め付けが弱いと、スイング中にウェイトが緩んだり、最悪の場合外れて飛んでいってしまう危険性があり、大変危険です。
  • ラウンド中の調整はルール違反 一度ラウンドがスタートしたら、プレー中にクラブの性能を調整することはルールで禁止されています。ウェイトの位置を変更したり、スリーブの角度を変えたりする行為はペナルティの対象となりますので、絶対に行わないでください。すべての調整は、ラウンド開始前までに終えておく必要があります。
  • 調整したら必ず試打をする セッティングを変更したら、必ず練習場で実際にボールを打って弾道の変化を確認しましょう。机上の理論だけで調整しても、実際のスイングとの相性が合わなければ意味がありません。少し変えては打ち、また少し変えては打ち、という地道な作業が、最適解を見つけるための最も確実な方法です。
  • 元の設定を覚えておく 調整に夢中になっていると、元の標準設定が分からなくなってしまうことがあります。調整を始める前に、標準のウェイト位置やスリーブの設定(多くは「STD」や「STANDARD」と表記)を確認し、メモしておくことをお勧めします。いつでも基本に戻れるようにしておくことが重要です。

これらの注意点を守りながら、ぜひ自分だけのベストセッティングを探求してみてください。

まとめ:Qi10ドライバーのウェイト調整で、あなただけの最適な一本に

この記事では、テーラーメイドQi10ドライバーのウェイト調整について、基本的な知識からモデル別の具体的な方法、さらには悩み別のセッティング例まで、幅広く解説してきました。

重要なポイントを振り返ってみましょう。

  • モデルごとの特性を理解する 寛容性のMAX、バランスのQi10、操作性のLSと、それぞれのモデルが持つウェイト調整機能の意味は異なります。 自分のクラブの特性を知ることが第一歩です。
  • ウェイト調整は重心位置のコントロール ウェイトを動かすことでヘッドの重心が変わり、それによって球のつかまりや弾道の高さ、スピン量に影響を与えます。
  • 悩み別セッティング スライスにはドロー設定、フックにはフェード設定が基本です。 また、飛距離を求めるなら、振りやすさを最適化し、スピン量をコントロールすることが重要です。
  • スリーブ調整との組み合わせが効果的 「カチャカチャ」機能とウェイト調整を組み合わせることで、より緻密なセッティングが可能です。 「スリーブで高さ、ウェイトで左右」と覚えるのがおすすめです。
  • 安全とルールを守る 専用レンチで正しく締め付け、ラウンド中の調整は行わないなど、基本的なルールを守って調整を楽しみましょう。

Qi10ドライバーが持つポテンシャルは非常に高いですが、その性能を100%引き出せるかどうかは、ゴルファー一人ひとりのセッティングにかかっています。この記事を参考に、ぜひご自身のスイングや理想の弾道と向き合いながら、ウェイト調整にチャレンジしてみてください。

試行錯誤の末に見つけた「自分だけのセッティング」は、コースで大きな自信と結果をもたらしてくれるはずです。Qi10ドライバーと共に、さらなるゴルフの楽しみを発見してください。

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