PINGのゴルフクラブを選ぶ際、多くのゴルファーがその高性能なヘッドに注目しますが、実は「純正シャフト」のクオリティの高さもPINGの大きな魅力の一つです。
「純正シャフトって、なんだか物足りないのでは?」「カスタムシャフトの方が良いに決まってる」と思っていませんか?PINGの純正シャフトは、そんなイメージを覆すほど、非常に豊富なラインナップと高い性能を誇ります。
この記事では、PINGの純正シャフトの比較を通じて、それぞれの特徴やどんなゴルファーに合うのかを、やさしくわかりやすく解説していきます。自分にぴったりの一本を見つけて、ゴルフをもっと楽しみましょう!
PINGの純正シャフトを比較!主なラインナップとその特徴
PINGのドライバーやフェアウェイウッドには、ゴルファーのタイプに合わせて選べる複数の純正シャフトが用意されています。ここでは、特に人気の高い代表的なシリーズを比較し、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
万人向けのスタンダードモデル「ALTA J CB」シリーズ
「ALTA J CB」シリーズは、多くの日本人ゴルファーに愛されているPING純正シャフトの代表格です。 このシリーズ最大の特徴は「カウンターバランス設計」にあります。 カウンターバランスとは、シャフトの手元側(グリップ側)に重量を配分する設計のこと。これにより、クラブを振った時にヘッドの重さを感じにくくなり、振り抜きやすさが向上します。 PINGのドライバーは慣性モーメントが大きいヘッドが多いため、この設計との相性が抜群で、ヘッドスピードを落とさずにスムーズなスイングが可能です。
弾道特性としては、シャフトがしなりやすく、ボールが高く上がりやすい「高弾道設計」が採用されています。 特に最新モデルの「ALTA J CB BLACK」や「ALTA J CB BLUE」は、ボールのつかまりも良く、スライスに悩むゴルファーにとっても心強い味方となるでしょう。 フレックス(硬さ)によってキックポイント(シャフトが最も大きくしなる点)が異なり、幅広いヘッドスピードのゴルファーに対応できるように作られています。
例えば、「ALTA J CB BLACK」の場合、Rシャフトは先調子、SRは先中調子、Sは中調子といった具合に、パワーに応じた最適な挙動になるよう細かく調整されています。 まさに、PINGのヘッド性能を最大限に引き出しつつ、多くのゴルファーが扱いやすいと感じる、スタンダードでありながら非常に完成度の高いシャフトと言えます。
しっかり振りたいアスリート向け「PING TOUR」シリーズ
「PING TOUR」シリーズは、ヘッドスピードが速く、しっかりとした振り心地を求めるアスリートゴルファーやハードヒッター向けのシャフトです。 「ALTA J CB」シリーズと比較すると、全体的に剛性が高く、低スピン・低弾道で強い球が打ちやすいのが特徴です。 G430シリーズからは、「TOUR 2.0 CHROME」と「TOUR 2.0 BLACK」の2種類に進化し、さらに細かいニーズに対応できるようになりました。
「TOUR 2.0 CHROME」は、中元調子で、叩きに行っても左へのミスが出にくい安定感があります。 先端部分が硬めに設計されているため、インパクトでヘッドが暴れにくく、操作性に優れています。 それでいて、適度なしなりも感じられるため、タイミングが取りやすいのが魅力です。
一方、「TOUR 2.0 BLACK」は、手元調子で、CHROMEよりもさらにハードな設計です。 しなり量を抑えた低スピン・低弾道仕様で、吹け上がりを嫌うパワーヒッターに最適です。 カスタムシャフトに匹敵するほどのハードスペックで、「純正シャフトでは物足りない」と感じていた上級者も満足できるでしょう。 このように、同じTOURシリーズでも特性が明確に分かれているため、自分のスイングや理想の弾道に合わせて選ぶことが重要です。
軽量で振りやすさを重視したモデル「ALTA DISTANZA」
「ALTA DISTANZA」は、PINGの純正シャフトラインナップの中で最も軽量なモデルです。 主にシニアゴルファーや、パワーに自信のないゴルファー、女性ゴルファーをターゲットに設計されています。シャフト重量が40g台と非常に軽いため、楽に振り抜くことができ、ヘッドスピードの向上をサポートします。
このシャフトのコンセプトは、「軽さ」と「しなり」で飛距離を伸ばすこと。シャフト全体が大きくしなり、そのしなり戻りによって効率的にボールを弾き飛ばします。キックポイントは先調子に設定されており、ボールを高く上げやすいのも特徴です。非力な方でもキャリーを出しやすく、飛距離不足に悩むゴルファーにとっては大きな武器となるでしょう。
また、軽いだけでなく、PINGのヘッドとのバランスも考慮されているため、ただ軽いだけの頼りないシャフトとは一線を画します。軽量シャフトにありがちな「当たり負け」や「方向性のばらつき」を抑え、安定したショットを生み出す工夫が施されています。力まずにゆったりとしたスイングで、最大飛距離を目指したいゴルファーに最適な一本です。
歴代モデルの純正シャフト(G425, G410など)との違い
PINGの純正シャフトは、ゴルフクラブのモデルチェンジに合わせて進化を続けています。例えば、G430シリーズの「ALTA J CB BLACK」は、G425シリーズの「ALTA J CB SLATE」の後継モデルです。 基本的なカウンターバランス設計や高弾道というコンセプトは引き継ぎつつ、「ALTA J CB BLACK」は振り心地の良さをさらに追求し、重さを感じさせない工夫が施されています。
また、アスリート向けのTOUR系シャフトも進化しています。G425やG410に採用されていた「PING TOUR 173」は、1本で幅広いゴルファーに対応する人気のシャフトでしたが、G430では前述の通り「TOUR 2.0 CHROME」と「TOUR 2.0 BLACK」の2種類に細分化されました。 これにより、ゴルファーは「安定性を重視するのか」「さらなる低スピンを求めるのか」といった、より具体的な要求に合わせてシャフトを選べるようになりました。
このように、PINGは歴代モデルの優れた点を継承しつつ、新しいヘッドの性能を最大限に引き出すためにシャフトの改良を続けています。新しいモデルほど、より幅広いゴルファーにフィットする選択肢が提供されていると言えるでしょう。
なぜPINGの純正シャフトは評価が高いのか?

多くのメーカーがカスタムシャフトを前面に押し出す中、なぜPINGの純正シャフトはプロからアマチュアまで幅広く高い評価を得ているのでしょうか。その理由は、単に「標準で付いているシャフト」というレベルを超えた、徹底したこだわりと設計思想にあります。
幅広いゴルファーに対応する豊富なラインナップ
PING純正シャフトの最大の強みは、その圧倒的なラインナップの豊富さです。 G430シリーズを例にとると、「ALTA J CB BLACK」「PING TOUR 2.0 CHROME」「PING TOUR 2.0 BLACK」の3種類が基本ラインナップとして用意されています。 これだけでもすごいのですが、さらに各種シャフトに複数のフレックス(R, SR, S, Xなど)や重量帯(60g台, 70g台など)が設定されており、合計すると10数種類もの選択肢から選ぶことが可能です。
これにより、アベレージゴルファーからアスリート、シニア、レディースまで、ほぼすべてのゴルファーが自分のスイングやパワーに合ったシャフトを純正のラインナップから見つけることができます。 他のメーカーでは「純正のSシャフトは少し物足りないから、カスタムシャフトを探そう」となりがちな場面でも、PINGなら「TOUR 2.0 CHROMEのSを試してみよう」「いや、もっとハードなBLACKのSがいいかもしれない」というように、純正の範囲内で最適な一本を追求できるのです。この選択肢の多さが、多くのゴルファーから支持される大きな理由です。
ヘッドとの相性を考え抜かれた設計
PINGの純正シャフトは、当然ながらPINGのヘッド性能を最大限に引き出すことを目的に開発されています。PINGのドライバーヘッドは、ミスヒットに強く、直進性が高い「高慣性モーメント設計」が特徴です。 このようなヘッドは、振り心地が重く感じられたり、インパクトで振り遅れたりしやすい側面もあります。
そこでPINGは、カウンターバランス設計(ALTA J CBシリーズ)を採用するなどして、高慣性モーメントヘッドをスムーズに振り抜けるようにシャフトを最適化しています。 ただ単にスペックの異なるシャフトを用意するのではなく、自社のヘッドの特性を深く理解し、「どうすればゴルファーが最も気持ちよく振れて、最も良い結果を出せるか」を考え抜いて設計されているのです。
この「ヘッドとシャフトのトータルパッケージ」としての完成度の高さが、PING純正シャフトの性能を引き上げています。女子プロゴルファーの鈴木愛選手が長年PINGの純正シャフトを愛用し続けていることからも、その性能の高さがうかがえます。
コストパフォーマンスの高さ
高価なカスタムシャフト(社外シャフト)を選べば、確かに選択肢は無限に広がります。しかし、カスタムシャフトは数万円の追加料金がかかるのが一般的です。その点、PINGの純正シャフトは、追加料金なし、もしくは非常に安価なアップチャージで、豊富なバリエーションから選ぶことができます。
特に「PING TOUR」シリーズのようなアスリート向けモデルは、多くのカスタムシャフトに匹敵する性能を持ちながら、標準シャフトとしてラインナップされています。 「高価なカスタムシャフトを試したいけど、失敗したくない」「まずは自分の基準となるシャフトを見つけたい」と考えているゴルファーにとって、PINGの純正シャフトは非常に優れた選択肢となります。
これだけの性能と選択肢を持つシャフトが標準で手に入るのですから、評価が高いのも当然と言えます。
【モデル別】G430/G425純正シャフトのスペック比較
ここでは、近年の人気モデルであるG430シリーズとG425シリーズの純正シャフトについて、具体的なスペックを比較してみましょう。数値を見ることで、各シャフトのキャラクターがより明確になります。
G430の純正シャフトラインナップ
G430シリーズでは、標準シャフトが大きくモデルチェンジし、選択肢がさらに豊富になりました。
- ALTA J CB BLACK: 日本市場向けに開発された高弾道の軽量シャフト。 カウンターバランス設計で振り抜きやすいのが特徴です。
- PING TOUR 2.0 CHROME: 人気だった「TOUR 173」をリニューアル。 先端を硬くすることで、より叩ける仕様になり、安定性が向上しています。
- PING TOUR 2.0 BLACK: TOURシリーズの中でもハードなモデル。低スピン・低弾道を実現し、パワーヒッターの要求に応えます。
G425の純正シャフトラインナップ
G425シリーズのシャフトも非常に評価が高く、中古市場でも人気です。
- ALTA J CB SLATE: ALTA J CBシリーズのG425バージョン。カウンターバランス設計で、しなりを感じやすく高弾道が打ちやすいシャフトです。
- PING TOUR 173: G400の時代から長く採用されてきたアスリート向けシャフト。 粘り感があり、タイミングが取りやすいと評判でした。重量帯(55/65/75)によって異なるゴルファーに対応します。
- ALTA DISTANZA: シリーズ最軽量のシャフト。パワーがないゴルファーでもヘッドスピードを上げやすい設計です。
スペック表で見る詳細比較(重量・トルク・キックポイント)
代表的なフレックス「S」を中心に、各シャフトのスペックを比較してみましょう。
| モデル | シャフト名 | フレックス | 重量(g) | トルク | キックポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| G430 | ALTA J CB BLACK | S | 58 | 5.0 | 中 |
| PING TOUR 2.0 CHROME 65 | S | 60 | 3.7 | 中元 | |
| PING TOUR 2.0 BLACK 65 | S | 59 | 3.8 | 中元 | |
| G425 | ALTA J CB SLATE | S | 55 | 5.2 | 中 |
| PING TOUR 173-65 | S | 61 | 3.4 | 中元 |
この表から、いくつかのことが読み取れます。
まず、「トルク」(シャフトのねじれの度合い)に注目すると、「ALTA J CB」シリーズは5.0以上と数値が大きく、シャフトがねじれやすいためボールが捕まりやすい特性があります。 一方、「TOUR」シリーズは3点台と数値が小さく、ねじれが少ないため、スイングが安定しているパワーヒッターが叩きにいっても左へのミスが出にくいことがわかります。
次に「キックポイント」を見ると、「ALTA J CB」シリーズは「中調子」でシャフト全体がしなる感覚があり、タイミングが取りやすくボールも上がりやすいです。 対して「TOUR」シリーズは「中元調子」で、手元側がしなるため、切り返しでタメを作りやすく、コントロール性を重視するゴルファーに適しています。
G430の「TOUR 2.0 BLACK」は「TOUR 2.0 CHROME」と同等の重量ですが、振動数(硬さの指標)はBLACKの方が硬く設定されており、よりハードヒッター向けであることが示唆されています。 このようにスペックを比較することで、自分のスイングタイプや求める弾道に合ったシャフトを論理的に絞り込むことができます。
自分に最適なPING純正シャフトを選ぶための3つのステップ
豊富なラインナップの中から、自分にとって最高の一本を見つけるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、シャフト選びで失敗しないための3つのステップをご紹介します。
STEP1: 自分のヘッドスピードを把握する
シャフト選びの最も基本的な指標となるのがヘッドスピード(H/S)です。自分のヘッドスピードを知ることで、選ぶべきシャフトのフレックス(硬さ)や重量帯がある程度決まってきます。ゴルフショップや練習場の計測器で、一度正確な数値を測っておくことを強くおすすめします。
【ヘッドスピード別フレックスの目安】
- ~38m/s: Rフレックスがおすすめ。「ALTA J CB」や「ALTA DISTANZA」が候補になります。
- 38~42m/s: SRフレックスが中心。「ALTA J CB」のSRや、少ししっかり振りたいなら「TOUR 2.0 CHROME 65」のRも視野に入ります。
- 42~46m/s: Sフレックスが基準。「ALTA J CB」のSや、「TOUR 2.0 CHROME/BLACK 65」のSが主な選択肢です。
- 46m/s~: Xフレックスを検討。「TOUR 2.0 CHROME/BLACK」のXシャフトが、パワーをしっかりと受け止めてくれます。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。スイングのタイプ(ゆったり振るスインガーか、力強く叩くヒッターか)によっても最適なフレックスは変わってきます。例えば、ヘッドスピードが43m/sでも、切り返しが速いヒッタータイプならS、ゆったり振るスインガータイプならSRが合うこともあります。まずはこの目安を元に、候補を絞り込みましょう。
STEP2: スイングの悩みや理想の弾道を考える
次に、自分のゴルフの課題や、どんなボールを打ちたいかを考えます。シャフトの特性と自分のニーズをマッチさせることが重要です。
【お悩み・理想の弾道別おすすめシャフト】
- スライスが多く、もっとボールを捕まえたい:
→ トルクが大きく、先中調子の「ALTA J CB」シリーズがおすすめです。 シャフトのしなり戻りで自然とヘッドがターンし、ボールを捕まえやすくなります。 - ボールが上がりすぎて飛距離をロスしている(吹け上がる):
→ 低スピン・低弾道が特徴の「PING TOUR 2.0 BLACK」を試してみましょう。 シャフトの剛性でインパクトのロフトを抑え、前に進む強い弾道に変えることができます。 - 左への引っ掛けが怖い:
→ 手元調子で先端が硬めの「PING TOUR」シリーズが有効です。 インパクトでヘッドが返りすぎないので、安心して振り抜けます。 - とにかく楽に振って、高弾道でキャリーを稼ぎたい:
→ 軽量でしなりを感じやすい「ALTA J CB」や「ALTA DISTANZA」が最適です。
このように、シャフトのキックポイントやトルクといった特性を理解すると、自分の悩みを解決してくれるシャフトが見えてきます。シャフトは単なる棒ではなく、スイングを助け、弾道をコントロールするための重要なパーツなのです。
STEP3: 試打でフィーリングを確かめる
最後のステップにして、最も重要なのが「実際に打ってみる」ことです。スペック上の数値や評判だけで決めてしまうのは禁物です。 人のスイングは千差万別で、タイミングの取り方やしなりの感じ方には個人差が大きいからです。
PINGの認定フィッターがいる店舗では、専門家のアドバイスを受けながら、豊富な種類の純正シャフトを試打することができます。 試打をする際は、以下の点をチェックしましょう。
- 振り心地: 重さや硬さは自分に合っているか?スムーズにフィニッシュまで振り抜けるか?
- タイミングの取りやすさ: 切り返しの時に、シャフトのしなりを感じられるか?自分のスイングリズムと合っているか?
- 弾道: 実際に打ったボールの高さや方向は、自分の理想と合っているか?
- 打感・インパクトの感覚: インパクトで当たり負けする感じはないか?ボールをしっかり押せている感覚はあるか?
いくつかのシャフトを打ち比べてみると、「スペックは似ているのに、こちらのシャフトの方が断然振りやすい」といった発見が必ずあります。面倒くさがらずに試打を行うことが、最高のパートナーシャフトを見つける一番の近道です。
PING純正シャフトの比較で、最適な一本を見つけよう

この記事では、PINGの純正シャフトについて、その豊富なラインナップや特徴、そして選び方までを詳しく比較・解説してきました。
PINGの純正シャフトは、「標準装備」という言葉のイメージをはるかに超える、高性能で多様な選択肢を提供しています。万人向けの「ALTA J CB」シリーズから、アスリート向けの「PING TOUR」シリーズまで、あらゆるゴルファーのニーズに応える設計がなされています。 ヘッドとの相性を考え抜かれた設計と、高いコストパフォーマンスも大きな魅力です。
最適な一本を見つけるためには、まず自分のヘッドスピードやスイングの悩みを把握し、候補となるシャフトを絞り込むこと。そして、最後は必ず試打をして、実際の振り心地や弾道を確かめることが重要です。 PINGのフィッティングサービスを利用するのも良いでしょう。
自分にぴったりの純正シャフトを見つけることができれば、クラブへの信頼感が高まり、ゴルフがもっと楽しく、そしてスコアアップにも繋がるはずです。この記事を参考に、あなたにとって最高のパートナーとなる一本を見つけてください。



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