テーラーメイドの人気シリーズであるステルス アイアン。多くのゴルファーがその飛距離性能に注目していますが、実際に購入を検討する際に気になるのが「ステルス アイアンのロフト角」ではないでしょうか。最近のアイアンはストロングロフト化が進んでおり、番手ごとの距離感がこれまでと変わる可能性があるからです。
この記事では、ステルス アイアンのロフト角設定がどのようになっているのか、そしてその設定が実際のプレーにどのような影響を与えるのかを詳しく解説します。他のモデルとの比較や、飛距離性能を最大限に引き出すためのセッティングについても触れていきます。
初心者の方から中級者の方まで、自分にぴったりのアイアン選びができるよう、やさしく情報を整理しました。ロフト角の数字だけでは見えてこない、ステルス アイアンならではのテクノロジーについても理解を深めていきましょう。
ステルス アイアンのロフト角一覧とスペックの特徴

ステルス アイアンは、いわゆる「飛び系アイアン」のカテゴリーに属するモデルです。そのため、一般的なアイアンと比較するとロフト角がかなり立っているのが特徴です。まずは、各番手の具体的なロフト角を確認し、その数値が何を意味するのかを理解していきましょう。
各番手のロフト角と標準的な設定
ステルス アイアンのメインとなる番手のロフト角は、7番アイアンで28.0度に設定されています。これは従来の「ノーマルロフト(34度前後)」と比較すると、約2番手分もロフトが立っていることになります。この設定こそが、圧倒的な初速と飛距離を生み出す最大の要因です。
以下に、主要な番手のロフト角とスペックを一覧表にまとめました。自分の今のアイアンと比較してみると、その差に驚くかもしれません。特にショートアイアンからウェッジにかけての繋がりは、セッティングを考える上で非常に重要なポイントになります。
| 番手 | ロフト角(度) | ライ角(度) | 長さ(インチ) |
|---|---|---|---|
| #5 | 21.0 | 61.5 | 38.5 |
| #6 | 24.0 | 62.0 | 37.88 |
| #7 | 28.0 | 62.5 | 37.25 |
| #8 | 32.0 | 63.0 | 36.75 |
| #9 | 37.0 | 63.5 | 36.25 |
| PW | 43.0 | 64.0 | 35.75 |
| AW | 49.0 | 64.5 | 35.5 |
この表からわかる通り、PW(ピッチングウェッジ)のロフトが43度となっている点は注意が必要です。一般的なモデルのPWは45〜47度程度が多いため、ステルス アイアンのPWは非常に飛ぶ設定になっています。
前作や他モデルとのロフト角の違い
ステルス アイアンの前作にあたる「SIM2 MAX アイアン」と比較すると、ロフト角の設定自体はほぼ継承されています。SIM2 MAXも7番で28.5度という設定だったため、テーラーメイドの飛び系アイアンとしての立ち位置は一貫していると言えるでしょう。
しかし、数値が同じでもステルス アイアンは「球の上がりやすさ」が進化しています。ロフトが立っているアイアンの弱点は、球が低くなってしまいグリーンで止まりにくいことですが、ステルス アイアンはその課題を構造面で克服しています。そのため、ロフト角以上に使いやすさを感じる設計です。
他社の飛び系アイアンと比較しても、28度という設定は非常にバランスが良い部類に入ります。極端に立たせすぎず、なおかつ飛距離性能もしっかり確保するという、実戦向けのストロングロフト設定になっているのがステルス アイアンの魅力です。
ロフト角が飛距離に与える影響
アイアンにおいて、ロフト角は飛距離に最も直接的な影響を与える要素です。ロフトが1度立つと、一般的に約2〜3ヤード飛距離が伸びると言われています。ステルス アイアンのように7番で28度という設定は、従来のアイアンよりも15〜20ヤードほど遠くへ飛ばせる計算になります。
ただし、単にロフトを立てるだけでは球が上がらず、キャリー(空中を飛ぶ距離)が出ません。ステルス アイアンは、立ったロフトでもしっかりと高弾道が打てるように低重心化されています。これにより、ロフト角の恩恵である「初速の速さ」と「高い弾道」を両立させているのです。
飛距離が出ることで、これまで5番アイアンやユーティリティを使っていた距離を、7番や8番アイアンで狙えるようになります。短い番手を持てるようになることは、ショットの精度向上に直結し、スコアアップに大きく貢献してくれます。
ステルス アイアンが飛ぶと言われるテクノロジーの裏側

ロフト角が立っているだけでは、良いアイアンとは言えません。ステルス アイアンがこれほどまでに評価されているのは、ストロングロフトを活かしきるための高度なテクノロジーが詰め込まれているからです。ここでは、その飛距離性能を支える内部構造について解説します。
キャップバックデザインによる寛容性の向上
ステルス アイアンの最大の特徴の一つが「キャップバックデザイン」です。これは、中空構造とキャビティバックの利点を組み合わせたような設計で、フェースの反発性能を損なうことなく、ヘッド全体の剛性を高めることに成功しています。
一般的なアイアンは、ヘッドの後ろ側を削ることで重心を調整しますが、ステルスは軽量なポリマー素材のバッジを装着することで、ヘッド全体の余剰重量を生み出しています。この重さを最適な場所に配置し直すことで、ミスヒットに対する強さ、いわゆる「寛容性」を飛躍的に高めているのです。
ロフトが立っているアイアンはミスをすると飛距離を大きくロスしやすい傾向にありますが、このデザインのおかげで打点が多少ズレても、安定した飛距離を維持できます。アマチュアゴルファーにとって、この安心感は非常に大きなメリットとなります。
貫通型スピードポケットの役割
テーラーメイドの代名詞とも言える「貫通型スピードポケット」は、ステルス アイアンにもしっかりと搭載されています。これはソール部分に設けられた溝のことで、フェース下部でボールを打った際の無駄なバックスピンを抑え、ボール初速を維持する働きがあります。
アイアンでよくあるミスとして、ボールをクリーンに捉えきれずフェースの下側に当たってしまう「トップ気味の当たり」があります。スピードポケットはこのようなミスをカバーしてくれるため、ロフト通りの飛距離を安定して出し続けることが可能です。
また、この溝があることでフェース全体の柔軟性が高まり、打感の向上にも寄与しています。ストロングロフトのアイアンにありがちな、硬くて弾きすぎる打感ではなく、心地よい打球感を実現しているのもステルス アイアンの技術力の証です。
トウラップテクノロジーでの低重心化
ステルス アイアンが、立ったロフト角でも高い弾道を実現できている秘密は「トウラップテクノロジー」にあります。これは、ヘッドのトウ側(先の方)の上部にある重量を削り、それをソール(底)側に再配分する技術です。
アイアンの重心が低くなればなるほど、インパクト時にボールを高く打ち出す力が強くなります。ステルスはこの技術により、極限まで重心を下げることに成功しました。これにより、28度というロフト角でありながら、一般的な30度以上のアイアンに匹敵する高さの球を打つことが可能になっています。
「ロフトが立っているから球が上がらないのでは?」という心配は、現代のテクノロジーによって見事に解消されています。高い弾道でグリーンを狙えるため、飛距離性能を活かしつつ、しっかりピンをデッドに狙っていける強みがあります。
ステルス アイアンは、単にロフトを立てるだけでなく、低重心化と反発性能を追求することで「高く遠くへ飛ばす」ことを実現したハイテクアイアンです。
ステルス HD・ステルス グローレとのロフト角比較

ステルスシリーズには、スタンダードな「ステルス アイアン」の他に、捕まりを重視した「ステルス HD アイアン」や、日本向けに軽量化された「ステルス グローレ アイアン」が存在します。それぞれのロフト角設定を比較することで、自分に最適なモデルが見えてきます。
ステルス HD アイアンのロフト角とターゲット層
「ステルス HD(ハイドロー)アイアン」は、より球を上げやすく、捕まえやすく設計されたモデルです。注目すべきはロフト角設定で、7番アイアンで30.0度となっています。スタンダードモデルよりも2度寝かされているのが特徴です。
ロフトを少し寝かせることで、より高い弾道を実現し、右へのミス(スライス)を防ぐ設計になっています。「飛距離も欲しいけれど、それ以上に球の高さと捕まりを重視したい」というゴルファーに最適なスペックと言えるでしょう。
ヘッド形状もスタンダードモデルより少し厚みがあり、安心感があります。ロフト角30度というのは、飛び系アイアンの中でも「上がりやすさ」に振った設定であり、ヘッドスピードがそれほど速くない方でも、理想的なハイドロー(高く上がり、左に曲がる球)を打ちやすい設定です。
ステルス グローレ アイアンとの違い
日本市場で絶大な人気を誇る「ステルス グローレ アイアン」は、さらに飛距離性能を追求したモデルです。7番アイアンのロフト角は27.0度となっており、スタンダードモデルよりもさらに1度立っています。これはシリーズの中で最も飛ぶ設定です。
しかし、ステルス グローレは非常に軽量に作られているため、振り抜きの良さが抜群です。ロフトが27度とかなり立っていますが、カーボンフェース技術などを応用した超低重心設計により、驚くほど簡単に球が上がります。
スタンダードのステルス アイアンが「力強さと飛距離」を両立しているのに対し、グローレは「軽さと最大飛距離」を追求しています。自分の体力やスイングスピードに合わせて、28度のスタンダードか、27度のグローレかを選択するのが賢い選び方です。
自分に合ったモデルを選ぶための判断基準
3つのモデルのロフト角を比較すると、自分の課題に合わせた選択が可能になります。飛距離を第一に考えるなら、ロフト角の小さい「ステルス グローレ(27度)」や「ステルス(28度)」が第一候補になります。
一方で、アイアンで球が上がらずに苦労している方や、スライスを抑えたい方は、ロフト角が少し大きめの「ステルス HD(30度)」を選ぶのが正解です。ロフト角の数値は、そのまま「飛距離」と「上がりやすさ」のバランスを表しています。
また、現在使用しているウェッジとの兼ね合いも重要です。もし48度や50度のウェッジを愛用しているなら、PWが43度のステルスやステルス HDの方が繋がりが良くなります。自分の現在のセッティング全体を見渡して、最適なロフト角のモデルを選びましょう。
【モデル別 7番アイアンのロフト角比較】
・ステルス アイアン:28.0度(標準的な飛び系)
・ステルス HD アイアン:30.0度(高弾道・捕まり重視)
・ステルス グローレ アイアン:27.0度(最大飛距離・軽量設定)
ステルス アイアン導入時に注意すべきウェッジのロフト構成

ステルス アイアンのようなストロングロフトのアイアンを導入する際、最も気をつけなければならないのが「ウェッジの構成」です。アイアンが飛ぶようになった分、その下の番手との飛距離差が大きくなりすぎてしまう問題が発生するからです。
PWと単品ウェッジの間の「飛距離の穴」
ステルス アイアンのPW(ピッチングウェッジ)はロフト角が43度です。一方で、多くのゴルファーが持っているサンドウェッジ(SW)は56度前後、アプローチウェッジ(AW)は52度前後が一般的です。ここに大きな問題が隠れています。
もしPW(43度)の次が52度のウェッジだと、その差は9度もあります。飛距離に換算すると20ヤード以上の開きが出てしまうことがあり、この中間の距離(80〜100ヤード付近)を打つのが非常に難しくなってしまいます。これが「飛距離の穴」と呼ばれる現象です。
ステルス アイアンを購入する際は、セットに含まれるPWのロフトを基準に、その下の番手をどう埋めるかをセットで考える必要があります。せっかくアイアンが飛ぶようになっても、短い距離で苦労してはスコアはまとまりません。
AW(49度)の追加検討とセッティング例
この飛距離の穴を埋めるために最も推奨されるのが、ステルス アイアンのシリーズに含まれているAW(アプローチウェッジ)をセットで揃えることです。ステルス アイアンのAWはロフト角が49度に設定されています。
PW(43度)→ AW(49度)→ 単品ウェッジ(54度や56度)という流れにすれば、ロフトの階段が6〜7度刻みになり、非常にスムーズな距離の打ち分けが可能になります。純正のAWはアイアンと同じ感覚でフルショットしやすいため、100ヤード前後のショットが格段に安定します。
もし、どうしても単品ウェッジ(ボーケイやダディなど)にこだわりたい場合は、48度や50度のロフト設定があるモデルを選ぶようにしましょう。52度からスタートする従来のセッティングは、ステルス アイアンには少し不向きであると覚えておいてください。
ショートゲームを安定させるための工夫
ロフトが立ったアイアンセットを使う場合、ショートゲーム(短い距離のショット)の考え方も少し変える必要があります。PWが43度ということは、従来の9番アイアンに近いロフトですので、転がしのアプローチでは想像以上にボールが走るようになります。
そのため、グリーン周りではこれまでPWを使っていた場面でAWを使う、あるいはSWを多用するなどの調整が必要になるかもしれません。自分の練習場で、各番手がキャリーで何ヤード飛び、どれくらい転がるのかを再確認することが大切です。
特にステルス アイアンは低重心で球が上がりやすいため、ウェッジでもその特性が活かされます。ロフトの階段をきれいに整えることで、100ヤード以内の精度が向上し、結果としてバーディチャンスやパーセーブの機会が増えるはずです。
ステルス アイアンのロフト角を活かした打ち方のポイント

高性能なステルス アイアンですが、そのロフト角の特性を最大限に引き出すためには、少しだけ打ち方の意識を変えるのがコツです。従来のアイアンとは少し異なる性質を理解して、効率よく飛距離を稼ぎましょう。
無理に球を上げようとしない「払い打ち」
ステルス アイアンは、設計段階で「球が上がりやすい」ように作られています。そのため、ゴルファー自身がすくい上げるような動きをして球を上げようとする必要はありません。むしろ、少し低めに打ち出すくらいの意識でちょうど良い高弾道になります。
ロフトが立っているからといって、上から強く打ち込みすぎると、バックスピンがかかりすぎて飛距離をロスしたり、逆に極端に低い球になったりすることがあります。ソールが広く滑りやすいため、芝の上を滑らせるような「払い打ち(レベルブロー)」のイメージが最も相性が良いです。
ヘッドの性能を信じて、普通にスイングするだけで、ストロングロフトとは思えない高さの球が出てくれます。この「頑張らなくても飛ぶし上がる」という感覚を掴むことが、ステルス アイアンを使いこなす第一歩です。
自分に合ったシャフト選びとロフトの関係
ロフト角と密接に関係しているのが、装着されているシャフトです。ステルス アイアンには、軽量スチールの「KBS MAX MT85 JP」や、カーボンの「TENSEI RED TM60」などが標準設定されています。これらのシャフトは、球を上げやすく設計されています。
もし、より高い弾道を求めるのであれば、しなりを感じやすいカーボンシャフトが有利です。一方で、飛距離を維持しつつ方向性を安定させたい場合は、しっかりとしたスチールシャフトを選ぶのが正解です。ロフト角が立っている分、シャフトの動きで高さを補うという考え方は非常に有効です。
カスタムシャフトを検討する場合も、あまりにハード(硬くて重い)なものを選びすぎると、せっかくの低重心による上がりやすさが損なわれてしまうことがあります。ショップなどで試打をする際は、弾道の高さが適正かどうかをチェックしてください。
番手ごとの距離感を再構築する
ステルス アイアンを使い始めたら、まずは「自分の飛距離」をアップデートしましょう。7番アイアンで150ヤード飛んでいた人が、ステルスなら165ヤード飛ぶことも珍しくありません。この変化を正確に把握することが、コースマネジメントに欠かせません。
練習場では、各番手のキャリー(着弾地点)をしっかり確認してください。ストロングロフトのアイアンはラン(転がり)も出やすいため、キャリーとランの比率を知っておくことで、グリーンをオーバーするミスを防ぐことができます。
また、大きな番手になればなるほど、ロフト角の差による飛距離の開きが顕著になります。逆にショートアイアンはそれほど飛距離が変わらないと感じることもあるでしょう。全番手を一度計測し直すことで、ステルス アイアンの性能を100%武器に変えることができます。
アイアンの打ち方の基本は「クラブの性能に任せること」です。ステルス アイアンは特にその傾向が強く、リラックスしてスイングすることが成功の秘訣です。
ステルス アイアンのロフト角を知って最適な1本を選ぼう
ステルス アイアンのロフト角について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。このアイアンの最大の魅力は、7番で28度というストロングロフト設定でありながら、驚くほどの球の上がりやすさと寛容性を両立している点にあります。
改めて、ステルス アイアンのロフト角に関するポイントを振り返ります。
・標準モデルの7番は28.0度で、従来のアイアンより約2番手飛ぶ設定
・トウラップテクノロジーなどの最新技術により、立ったロフトでも高弾道が打てる
・ステルス HD(30度)やステルス グローレ(27度)など、モデルによって特性が異なる
・PWが43度と飛ぶため、下の番手(AWや単品ウェッジ)の構成がスコアメイクの肝になる
・無理に上げようとせず、クラブの低重心性能を活かした払い打ちがベスト
アイアンに「飛距離」と「やさしさ」の両方を求めるゴルファーにとって、ステルス アイアンは非常に心強い存在です。ロフト角の数値を正しく理解し、それに合わせたウェッジセッティングや打ち方を心がけることで、あなたのゴルフはよりシンプルで楽しいものになるでしょう。
もし購入を迷っているのであれば、まずは28度というロフトが生み出す圧倒的な初速を、試打などで体感してみてください。今のアイアンでは届かなかった距離が、楽に狙えるようになる喜びをぜひ味わっていただきたいと思います。自分にぴったりのロフト設定を見つけて、ベストスコア更新を目指しましょう。




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