アイアンのシャフト選びで、多くのゴルファーが直面するのが「ダイナミックゴールド(DG)シリーズの種類の多さ」です。特に「DG105」と「DG120」は、見た目が似ていることもあり、どのような違いがあるのか分からないという声をよく耳にします。
これまでダイナミックゴールドといえば、130g近い重量級のシャフトが主流でしたが、近年の軽量化トレンドにより、扱いやすい100g台や110g台のモデルが登場しました。自分に合わない重さを選んでしまうと、スイングを崩す原因にもなりかねません。
この記事では、ダイナミックゴールド105と120の違いを、重量、振り心地、弾道の特性など多角的な視点から分かりやすく説明します。自分のスイングスピードや好みに合ったシャフトを見つけるための判断材料として、ぜひ参考にしてください。
ダイナミックゴールド105と120の違いが分からない時の基本比較

まずは、ダイナミックゴールド105と120の最も大きな違いである「スペック面」を整理しましょう。名前についている数字は目安の重量を表していますが、実際のカット前重量や振り心地には、それぞれ独自の設計思想が反映されています。
カタログスペックから見る重量と設計の差
ダイナミックゴールド105(DG105)は、S200のフレックスでカット前の重量が103gに設定されています。これに対して、ダイナミックゴールド120(DG120)は、S200で118gとなっており、約15gの差があります。ゴルフシャフトにおいて15gの差は非常に大きく、手に持った瞬間に重さの違いを感じるレベルです。
DG120は、従来の重いダイナミックゴールド(S200)のフィーリングをそのままに、重量だけを軽くすることを目指して開発されました。一方のDG105は、軽量シャフトでありながら、ダイナミックゴールド特有の粘り感を維持しつつ、よりボールを上げやすく設計されています。この「重量設定の意図」を理解することが、自分に合うシャフトを見極める第一歩です。
【基本スペックの比較(S200の場合)】
・DG105:重量103g / 元調子 / 中高弾道
・DG120:重量118g / 元調子 / 中低弾道
・(参考)元祖DG:重量129g / 元調子 / 低弾道
キックポイントとシャフトの挙動について
両モデルとも公式には「元調子(もとちょうし)」に分類されています。元調子とは、シャフトの手元側がしなりやすく、先端側がしっかりしている特性のことです。これにより、インパクトでヘッドが暴れにくく、左へのミス(引っかけ)を抑えやすいという特徴があります。
しかし、実際に打ってみると感覚的な違いがあります。DG105は120に比べて全体的にシャープにしなり戻る感覚があり、重いシャフトにありがちな「もっさり感」がありません。逆にDG120は、従来のダイナミックゴールドらしい、ググッと手元が粘る感覚が強く残っています。どちらも元調子ですが、DG105の方が少し軽快にヘッドが動くイメージを持つと良いでしょう。
対象となるゴルファーのパワーバランス
DG105は、一般的にドライバーのヘッドスピードが40〜43m/s前後のゴルファーにマッチしやすいと言われています。一方で、DG120は43〜46m/s程度のパワーがある人に好まれる傾向があります。シャフト重量が軽すぎるとスイングが不安定になり、重すぎると後半にバテて飛距離が落ちてしまいます。
これまでNSプロ950GHなどの軽量スチールを使っていて、「もう少ししっかりしたシャフトにしたいけれど、重すぎるのは怖い」と感じているならDG105が有力な候補になります。逆に、今まで重いダイナミックゴールドを使っていて、「最近少し重く感じるようになってきた」という方にはDG120がスムーズな移行先となります。
元調子のシャフトは、タメを作りやすいゴルファーに向いています。DG105と120は、そのタメを活かしつつ、重量の負担を軽減してくれる存在です。
重量と振り心地が生み出す明確な差

カタログ上の数字以上に重要なのが、実際にスイングした時の「振り心地」です。ゴルフはリズムが大切なスポーツですから、自分の心地よいテンポで振れる重量帯を選ぶことが、スコアアップに直結します。ここでは操作性と安定性の観点から違いを掘り下げます。
DG105がもたらす軽快な振り抜き感
DG105の最大のメリットは、圧倒的な振り抜きの良さです。100g前後の重量帯は、現代のアイアンセットにおいて非常にバランスが良いとされています。シャフトが軽いことで、ヘッドを加速させやすく、フィニッシュまで一気に振り切ることができるようになります。
特に、ロングアイアンやミドルアイアンでボールが上がりにくいと感じている場合、DG105の軽さがヘッドスピードを補い、高さを出す助けになってくれます。操作性も高く、フェースの向きをコントロールしやすいと感じる人が多いのも特徴です。パワーに自信がないけれど、スチールシャフトのしっかりした感触を求めている方に最適な選択肢です。
DG120の安定感と粘り強いフィーリング
DG120は、ある程度の重さがあることで、スイングの軌道が安定するという強みを持っています。軽すぎるシャフトは手打ちを助長してしまうことがありますが、120g近い重量があると、体の体幹を使ったスイングを意識しやすくなります。この「適度な重さ」が、プレッシャーのかかる場面でのミスショットを防いでくれます。
また、DG120はインパクト付近でヘッドが「押し込める」感覚が強く、分厚い当たりになりやすいです。従来のDG S200を使ってきたゴルファーにとって、この粘り感は安心感に繋がります。「軽いのは嫌だけど、昔ほどの重さは振り切れない」という、わがままなニーズに応えてくれるのが、この120という重量帯の絶妙なポイントです。
カット後の実重量で考えるバランス設計
実際にアイアンに装着され、グリップやヘッドがついた状態でのバランス(振りやすさの指標)も異なります。DG105は全体的に軽量なため、バランスが出すぎず、操作性を重視したセッティングに向いています。これにより、ラフからのショットや傾斜地でのコントロールがしやすくなります。
対してDG120は、ヘッドの重みをしっかりと感じながら、重力を使って振り下ろすようなスイングに適しています。シャフト自体の肉厚もDG105よりあるため、振動吸収性が高く、ミスヒットした際の手への衝撃が柔らかいという隠れたメリットもあります。重量差はわずかですが、18ホールを回り切った時の疲労感やショットの再現性に大きな影響を与えます。
弾道の高さとスピン量の違いをチェック

シャフトによって、ボールの飛び方(弾道)は大きく変わります。アイアンはターゲットを狙う道具ですので、ただ飛べば良いわけではなく、適切な高さとスピン量が求められます。DG105と120では、この出力される弾道に明確なキャラクターの差があります。
DG105で高弾道を実現できる理由
DG105は、シリーズの中でもボールが上がりやすい部類に入ります。シャフト自体が軽量であることに加え、先端側の剛性が120と比較してわずかに抑えられているため、インパクトでロフトが寝る方向にわずかにしなり、ボールを空へと運びやすくしてくれます。
「ダイナミックゴールドは弾道が低くなるから苦手」という先入観を持っている方こそ、DG105を試すべきです。スピン量もしっかり確保されるため、グリーン上で止まる球が打ちやすくなります。パワー不足でキャリーが伸び悩んでいるゴルファーにとって、この「上がりやすさ」は大きな武器になるはずです。
DG120が抑えた低い弾道を実現する仕組み
DG120は、従来のDGに近い低弾道・低スピンの特性を色濃く受け継いでいます。シャフト全体がねじれにくく(トルクが小さい)、スイング中に余計な動きをしないため、強いライナー性の打球を打ちやすくなります。風の影響を受けにくい、強い球を打ちたいゴルファーに最適です。
特にアイアンで球が上がりすぎてしまい、距離をロスしている人や、スピンがかかりすぎて吹き上がってしまう人にとって、DG120の安定した低めの弾道は魅力的です。インパクトの瞬間にヘッドが上を向かないよう設計されているため、しっかりと「抑えの効いたショット」を可能にします。これはハードヒッターが求める、プロのような強い弾道に近い特性です。
スピンコントロール性能の比較
アイアンショットの質を決めるスピン性能ですが、DG105は「適度なスピンで止める」、DG120は「スピン量を一定に保って安定させる」という傾向があります。DG105は、多少芯を外してもシャフトのしなりが助けてくれるため、スピンが解けにくく、結果的に縦の距離感が合いやすくなります。
一方のDG120は、ゴルファー自らがスピン量をコントロールする余裕を与えてくれます。自分の意志でドローやフェードを打ち分ける際、シャフトの余計な挙動が邪魔をしないため、上級者好みの操作感を得られます。弾道の高さとスピンは、ターゲットとするグリーンの硬さや自分のスイングスタイルに合わせて選ぶべき重要なポイントです。
| 項目 | DG105 | DG120 |
|---|---|---|
| 弾道の高さ | 中〜高弾道 | 中〜低弾道 |
| スピン量 | やや多い | 適正(少なめ) |
| 操作性 | 高い(軽快) | 高い(粘り) |
| ミスへの許容度 | 高い | 標準 |
自分のスイングタイプに合わせた選び方

スペックや特性を理解したところで、実際に「どちらを選ぶべきか」という具体的な判断基準を見ていきましょう。自分の現在の悩みや、使っているクラブとの相性から考えると、失敗のないシャフト選びができます。ここでは3つのパターンに分けて解説します。
NSプロ950GHからのステップアップならどっち?
多くの日本人ゴルファーが使用している「NSプロ950GH」から買い替えを検討する場合、まず候補にすべきはDG105です。重量帯が近く、振り心地の違和感が少ないためです。しかし、NSプロは「中調子」で先が動きやすい特性があるのに対し、DG105は「元調子」で手元がしなります。
もしNSプロを使っていて「引っかけるミスが多い」「もっと左を怖がらずに振りたい」と感じているなら、DG105への変更は非常に効果的です。逆に、NSプロでも重さが足りないと感じ、スイング中にシャフトのしなりすぎてコントロールが効かない場合は、一気にDG120まで重量を上げることでスイングが劇的に安定する可能性があります。
スイングスピードと切り返しの強さで決める
スイングのテンポも重要な判断材料です。バックスイングからダウンへの切り返しが「クイック」な人は、重量のあるDG120の方がタイミングを取りやすくなります。重さがあることで、急激な切り返しでもシャフトが暴れず、一定のリズムを保てるからです。
一方、ゆったりとしたリズムで振る「スムーズ」なスイングタイプの方は、DG105のしなりを活かす方が飛距離性能を引き出せます。「重さでタイミングを作るなら120、軽さでスピードを出すなら105」というのが一つの指標です。自分のスイングを動画で撮ってみて、急いで振っているか、ゆったり振っているかを確認してみましょう。
体力の変化やゴルフの頻度に合わせて選ぶ
「見栄」を捨てて選ぶことも、上達への近道です。若い頃はDG S200を振れていたけれど、練習頻度が落ちたり年齢を重ねたりして、ラウンド後半にショットが乱れるようになったなら、迷わずDG120、あるいは思い切ってDG105を選ぶべきです。ゴルフは18ホール回ってナンボのスポーツだからです。
また、練習場ではDG120が良く感じても、コースに行くと重く感じることがあります。コースでは傾斜や芝の状態など、練習場よりも体力を消耗する要因が多いからです。もし少しでも「重いかな?」と不安があるなら、軽い方のDG105を選んでおいた方が、結果的にミスヒットを減らし、安定したスコアに繋がることが多いです。
【選び方のクイックチェック】
・左へのミスを減らして高弾道を打ちたい → DG105
・元祖DGの感覚のまま軽くしたい → DG120
・アイアンでとにかく安定感(縦距離)が欲しい → DG120
・楽に振り切って飛距離も稼ぎたい → DG105
従来のダイナミックゴールド(S200)との相関関係

「ダイナミックゴールドといえばこれ!」という象徴的なモデルが、重量約129gの元祖DG(S200)です。新世代の105や120が、この伝統的なシャフトとどう違うのか、あるいはどう似ているのかを知ることで、製品の立ち位置がより明確になります。
伝統のDG(129g)とDG120の近さ
メーカー側も明言していますが、DG120は「元祖DGの性能を維持したままの軽量化」を追求したモデルです。そのため、スイングした時のシャフトのしなり方や、インパクトでの手の感触は非常に似ています。長年DG S200を愛用してきたプロや上級者が、違和感なく移行できるように設計されています。
大きな違いは、やはり「振り切るためのパワーの要求値」です。元祖DGは、その重さゆえにスイングを安定させる効果が絶大ですが、現代の軽いドライバーやフェアウェイウッドとの重量バランスが取りにくいという側面もありました。DG120にすることで、セット全体の重量フローが現代的に整い、14本のクラブを同じ感覚で振りやすくなるというメリットがあります。
DG105は全く新しいカテゴリーのシャフト
一方でDG105は、伝統的なDGのフィーリングを残しつつも、より「現代のアイアンセット」に最適化された新しいカテゴリーのシャフトと言えます。単なる軽量版ではなく、球の上がりやすさやミスへの寛容さをプラスした、非常にユーザーフレンドリーな設計です。
昔のDGは「パワーのある人だけのもの」というイメージが強かったですが、DG105の登場によって、アベレージゴルファーでもDG特有の粘りと分厚いインパクトを享受できるようになりました。これは、これまでのDGシリーズの歴史の中でも画期的な出来事です。105は「DGの良さを知るための入り口」としても最適な一本です。
他メーカーの軽量スチールシャフトとの比較
他社の競合モデル、例えば日本シャフトの「モーダス105」などと比較されることも多いです。モーダス105は「軽くて硬い」特性があり、パリッとした弾き感があります。それに対してDG105は、同じ重量帯でありながら「手元の粘り」を感じさせてくれます。
「軽いシャフトを使いたいけれど、弾く感じよりも、粘って運ぶ感じが好き」という人にとって、DG105は唯一無二の存在です。ダイナミックゴールドというブランドが持つ、しなやかさと強靭さの両立。このバランスの良さが、105や120が多くのプロやアマチュアに選ばれ続けている最大の理由と言えるでしょう。
ダイナミックゴールドシリーズは、素材の改良により、軽くなっても強度が落ちず、スチール特有の正確性を保っています。これが「DGライトシリーズ」の凄さです。
ダイナミックゴールド105・120の違いを理解して最適な1本を選ぶまとめ
ダイナミックゴールド105と120の違いについて解説してきましたが、最後に重要なポイントをまとめます。この2つのシャフトで迷った際は、以下の3点を基準に判断してみてください。
1つ目は「重量の明確な差」です。103g(105)と118g(120)の差は、18ホールをプレーする上でのスタミナに大きく影響します。自分のヘッドスピードだけでなく、最後まで振り切れる重さを冷静に選ぶことが大切です。迷ったら「少し軽め」のDG105を選ぶのが、現代ゴルフのセオリーの一つです。
2つ目は「求める弾道の高さ」です。ボールを高く上げてグリーンに止めたい、あるいはキャリーを伸ばしたいならDG105が適しています。逆に、風に負けない強い低弾道を打ちたい、引っかけるミスを徹底的に排除したいという意志があるならDG120がその期待に応えてくれます。
3つ目は「元祖DGへのこだわり」です。これまでに重いS200を長く使ってきた経験があるなら、DG120の方が違和感なく移行できるでしょう。一方で、これからダイナミックゴールドの世界に足を踏み入れたい、あるいは最新の軽量スチールの恩恵を受けたいなら、進化したDG105が新しいゴルフの扉を開いてくれるはずです。
自分にぴったりのシャフトが見つかれば、アイアンショットの精度は見違えるほど向上します。ぜひ、今回の内容を参考に、あなたのゴルフライフを支える最高のパートナー(シャフト)を見つけてください。





コメント