ゴルフを愛する多くの方々にとって、圧倒的な支持を得続けているのがダンロップの「ゼクシオ(XXIO)」シリーズです。特にアイアンの飛距離性能とミスへの強さは定評がありますが、その性能を支える大きな要素の一つがゼクシオアイアンロフト角の設定にあります。
「最近のアイアンはなぜこんなに飛ぶの?」「モデルによってロフト角はどう違うの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、ゼクシオのロフト設定は、単に飛距離を伸ばすためだけでなく、アマチュアゴルファーが楽に球を上げ、キャリーを出すための緻密な計算に基づいています。
この記事では、最新のゼクシオ13から歴代の人気モデル、さらには「エックス」や「プライム」といった派生モデルのロフト角を徹底比較します。自分にぴったりのモデルを見つけるための参考にしてください。
ゼクシオアイアンロフト角の基礎知識と歴代モデルの推移

ゼクシオのアイアンを語る上で欠かせないのが、時代のニーズに合わせて進化してきたロフト設定です。ここでは、ロフト角がゴルフのプレーにどのような影響を与えるのか、そしてゼクシオがどのような変遷を辿ってきたのかを詳しく解説します。
ロフト角が飛距離と弾道に与える影響
アイアンのロフト角とは、クラブフェースが垂直線に対してどれだけ傾いているかを示す数値です。この数値が小さいほど(立っているほど)ボールの初速が上がりやすくなり、飛距離が伸びる傾向にあります。これを「ストロングロフト」と呼びます。
しかし、単にロフトを立てるだけでは、ボールが上がりにくくなり、結果としてキャリー(滞空距離)が不足して飛距離が落ちてしまうことがあります。ゼクシオが秀逸なのは、ロフトを立てながらも、重心位置を深く低く設計することで、高い打ち出し角を確保している点です。
一般的に、ロフト角が1度変わると、飛距離は約2〜3ヤード変化すると言われています。ゼクシオはモデルごとにターゲット層を明確に分け、その層が最も飛ばせる最適なロフト設定を追求し続けているのです。
最新モデル「ゼクシオ13」のロフト設定
2023年末に登場した最新の「ゼクシオ13」アイアンは、まさにシリーズの正統進化を象徴するスペックとなっています。7番アイアンのロフト角は28度となっており、これは一般的なアスリート向けアイアン(32〜34度前後)と比較すると、かなりストロングな設定です。
この28度という設定は、前作のゼクシオ12から引き継がれていますが、内部構造の進化によって、さらに「高弾道で遠くに飛ばす」ことが可能になっています。特に、フェース下部の反発性能を高めるテクノロジーにより、打点がバラついても飛距離が落ちにくいのが特徴です。
また、番手間のロフトピッチ(角度の差)も工夫されています。ショートアイアンからウェッジにかけて、スムーズに距離を打ち分けられるよう配慮されており、単に飛ぶだけでなく「狙える」アイアンとしての完成度を極めています。
歴代ゼクシオのストロングロフト化の歴史
ゼクシオの歴史を振り返ると、世代を追うごとに少しずつロフト角がストロング化してきたことがわかります。初期のモデルでは7番アイアンで30度以上ありましたが、徐々に20代後半へとシフトしてきました。これは、素材の進化や製造技術の向上により、ロフトを立てても球を上げられるようになったためです。
例えば、5代目や6代目の頃は、まだ現在ほど極端なストロングロフトではありませんでしたが、当時の他社製品と比較すれば十分に飛ぶ設計でした。その後、10代目(ゼクシオX)あたりから、さらに飛距離性能への特化が進み、現在の28度という設定が定着しました。
この変化は、ゴルファーの体力の変化や、より楽にゴルフを楽しみたいという市場のニーズを反映したものです。歴代モデルを中古で購入する際は、このロフト角の変遷を理解しておくことで、自分の飛距離感覚に合ったものを選びやすくなります。
【歴代ゼクシオの7番アイアン・ロフト角目安】
・ゼクシオ 13:28度
・ゼクシオ 12:28度
・ゼクシオ 11:28度
・ゼクシオ 10:29度
・ゼクシオ 9:30度
飛距離特化型からアスリート向けまで選べるモデル別の違い

ゼクシオには、メインとなるレギュラーモデル以外にも、ユーザーのプレースタイルに合わせた複数のラインナップが存在します。それぞれのモデルでロフト設定が異なるため、自分のスイングに合うものを見極めることが重要です。
標準モデル「ゼクシオ レギュラーモデル」の特性
「ゼクシオ13」に代表されるレギュラーモデルは、最も幅広い層のゴルファーをターゲットにしています。ロフト角は7番で28度と強めですが、特筆すべきはそのバランスの良さです。チタンフェースなどの高級素材を贅沢に使用し、圧倒的な寛容性を実現しています。
このモデルのロフト設定は、「ヘッドスピードがそれほど速くない人でも、高い球でキャリーを最大化する」ことを目的としています。そのため、スピン量よりも打ち出しの高さと初速を重視する設計になっており、平均的なアマチュアゴルファーが最も恩恵を受けやすい1本です。
構えた時の安心感がある大きめのヘッドサイズも特徴で、ロフトが立っていても「ボールを包み込んでくれる」ような安心感があります。ミスヒット時の飛距離ロスを最小限に抑えたいのであれば、このレギュラーモデルが第一候補になるでしょう。
低重心と弾道を両立した「ゼクシオ エックス」
「ゼクシオ エックス(XXIO X-eks-)」は、従来のゼクシオでは少し物足りないと感じる、しっかり振っていきたいゴルファー向けのモデルです。最新のゼクシオ エックス(2024年モデル)の7番アイアンロフト角は28.5度となっており、レギュラーモデルよりもわずかに寝かせた設定になっています。
わずか0.5度の差ですが、この微差が操作性や打感に影響を与えます。エックスは、レギュラーモデルよりもシャープな形状をしており、少しスピンを入れてコントロールしたい層に向けた設計です。それでも一般的な軟鉄鍛造アイアンよりは十分にストロングロフトであるため、飛距離性能は非常に高いレベルにあります。
「V字ソール」を採用しているモデルが多く、芝の上での抜けの良さも追求されています。パワーがある程度あり、ゼクシオの優しさは欲しいけれど、構えやすさや振り抜きにもこだわりたいという方に最適なロフト設定と言えます。
驚異の飛びを追求する「ゼクシオ プライム」
シニア層やヘッドスピードがゆっくりな方に特化したのが「ゼクシオ プライム」です。このモデルは、シリーズの中でも最も飛距離性能を追求した設計になっており、ロフト角の設定も非常に特徴的です。最新のプライム(2023年モデル)の7番アイアンは、なんと25度という超ストロングロフトを採用しています。
「25度で球が上がるのか?」という心配の声もありますが、そこはプライム独自の超軽量設計と深重心構造が解決しています。シャフトも非常にしなやかで、ヘッドが自動的にボールを拾い上げてくれるため、力むことなく高弾道ショットが打てるようになっています。
プライムを選ぶ方は、とにかく「アイアンで1番手、2番手上の飛距離が欲しい」というニーズが強いため、このような思い切ったロフト設定がなされています。体力に自信がなくなってきたけれど、同伴競技者に飛距離で負けたくないという方にとって、これ以上ない強力な武器となるはずです。
ロフト角だけでないゼクシオが飛ぶテクノロジーの仕組み

「ゼクシオアイアンロフト角が立っているから飛ぶ」というのは一面の事実に過ぎません。ロフトを立ててもしっかりと高弾道を維持し、止まる球を打てるのには、ゼクシオ独自の複合的なテクノロジーが隠されています。
フェースのたわみを生む「リバウンドフレーム」
近年のゼクシオに搭載されている「REBOUND FRAME(リバウンドフレーム)」は、飛距離アップの核心部と言えます。これは、剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配置することで、インパクト時のフェース全体のたわみを最大化する技術です。
アイアンにおいても、このフレーム構造が採用されることで、ロフト角以上の初速を生み出すことに成功しています。特にフェースの下部でヒットしてしまった場合でも、リバウンドフレームの効果によりエネルギーロスが抑えられ、飛距離のバラつきを防いでくれます。
ロフトが立っているクラブは、本来であれば下部ヒット時に球が上がりにくく飛距離も落ちやすいのですが、このテクノロジーがそれを巧みにカバーしています。結果として、「安定して最大飛距離を出し続ける」という、ゼクシオ特有の強みが生まれているのです。
ミスヒットに強い広いスウィートスポット
ゼクシオのアイアンを手に取ると、フェース面の大きさと安心感に驚くはずです。単に大きいだけでなく、内部設計によって実質的なスウィートスポット(芯)が非常に広く作られています。これは「高比重タングステンニッケルウエイト」をソール後方に配置しているおかげです。
このウエイトにより重心が非常に深く低くなるため、芯を外してもヘッドが左右にブレにくく、直進性の高いボールが打てます。ロフトが立っているアイアンは、芯を外すとサイドスピンがかかりやすく曲がりやすい傾向がありますが、ゼクシオはこのミスへの強さでその弱点を克服しています。
「どこに当たってもそこそこ飛んでくれる」という安心感は、プレッシャーのかかる場面で大きな力になります。ロフト角の数字以上に、この寛容性がスコアメイクに直結する大きな要素となっているのです。
振り抜きを良くする軽量シャフトとの相性
ヘッドの性能を最大限に引き出すのが、ゼクシオ専用に開発された「MPシリーズ」などの純正カーボンシャフトです。ゼクシオのロフト設定は、この純正シャフトの挙動を前提に設計されています。
シャフトの先端がしなやかに動くことで、インパクト時にロフトが適正に寝る方向へ動き、ボールを高く持ち上げてくれます。また、手元側の剛性を調整することで、振り遅れを防ぎ、常にスクエアなインパクトを迎えられるようサポートしてくれます。
「ウェイトプラス・テクノロジー」という、グリップエンド側に重量を配分してスイング軌道を安定させる技術も相まって、軽い力で速く振れるのがゼクシオの魅力です。ロフト、ヘッド構造、シャフトの三位一体のバランスが、あの驚異的な飛びを生み出しているのです。
アイアンの飛距離はロフト角だけで決まるものではありません。「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」の3要素が揃って初めて最大飛距離が得られます。ゼクシオは、ロフトを立てることで初速を稼ぎつつ、重心設計とシャフトで打ち出し角とスピン量を最適化している稀有なクラブです。
他社製品と比べたゼクシオアイアンのロフト角の特徴

ゼクシオを購入検討する際、他のメーカーのアイアンとスペックを比較することも多いでしょう。ここでは、一般的なアイアンや他社の飛び系アイアンと、ゼクシオのロフト設定がどのように異なるのかを整理します。
一般的なアイアンとのロフト設定の比較
いわゆる「クラシックロフト」と呼ばれる伝統的なアイアンの場合、7番アイアンのロフト角は34〜35度前後です。これに対し、ゼクシオ13の28度は約2番手分もロフトが立っている計算になります。これが「ゼクシオは2番手飛ぶ」と言われるスペック上の根拠です。
例えば、他社のキャビティバックモデルが30〜32度程度の設定が多い中、ゼクシオの28度はかなりアグレッシブな設定と言えます。しかし、不思議なことに、実際に打ってみると32度の他社製品よりもゼクシオの方が高く上がるという現象がよく起こります。
これは前述した通り、ゼクシオの徹底した低重心設計が、ロフトの壁を超えてボールを高く押し上げているからです。数字上のロフトだけを見て「自分には球が上がらなそう」と判断するのは、ゼクシオに関しては早計かもしれません。
ストロングロフトでも球が上がる理由
ゼクシオのロフト設定を支える最大の功労者は、ソールの厚みと内部のウエイト配置です。多くのモデルで、ソール部分に重い素材を配置しており、これにより重心がボールの赤道よりもずっと下に来るように設計されています。
物理的に重心が低いと、インパクト時にボールを「すくい上げる」ような力が自然に働きます。また、フェース自体が薄く設計されており、反発エリアが広いため、多少打点が下になってもボールを拾い上げてくれます。これが、28度というロフトでも、32度のクラブと同等かそれ以上の高さが出る秘密です。
さらに、ゼクシオはソール幅が広く設計されているため、ダフリのミスにも強く、滑ってくれる特性があります。これにより、インパクトでのヘッドスピード減少を抑え、十分なエネルギーをボールに伝えられるため、安定した高さと飛距離が維持できるのです。
飛距離の階段(番手間の距離差)の作り方
ロフトが立ってくると、番手間の飛距離差が開きすぎたり、逆に詰まったりする心配が出てきます。しかし、ゼクシオはこの「飛距離の階段」の作り方が非常に巧みです。各番手でロフト角が均等ではなく、最適な弾道が得られるよう微妙に調整されています。
通常、ショートアイアンになるにつれてロフトの差は大きくなりますが、ゼクシオは上の番手(ロング〜ミドルアイアン)でもしっかりと飛距離差が出るように設計されています。これにより、「5番アイアンと6番アイアンで飛距離が変わらない」という、アマチュアにありがちな悩みを解消しています。
また、ストロングロフト化によって下の番手(ピッチングウェッジなど)のロフトが立ちすぎてしまう問題に対しても、専用のセット内ウェッジを充実させることで対応しています。全体の流れを崩さずに、全番手で最大のパフォーマンスを発揮できるのがゼクシオの強みです。
| 番手 | ゼクシオ13(度) | 一般的なモデル(度) |
|---|---|---|
| #5 | 22 | 25~27 |
| #7 | 28 | 32~34 |
| #9 | 37 | 40~42 |
| PW | 42 | 44~46 |
※一般的なモデルはあくまで目安です。ゼクシオはPWが42度と、非常に飛ぶ設定であることがわかります。
ゼクシオのロフト角に合わせた番手選びと買い替えのポイント

ゼクシオアイアンを導入する際、最も注意すべきなのは「今のセットとの繋がり」です。ロフト角が大きく変わるため、単純に番手をスライドさせるだけでは、コースで困る場面が出てくるかもしれません。
今使っているアイアンとの飛距離差を確認する
まず行うべきは、現在の自分のアイアンのロフト角を確認することです。もし今お使いの7番アイアンが32度前後であれば、ゼクシオ13(28度)に替えるだけで、飛距離が15〜20ヤードほど伸びる可能性があります。
飛距離が伸びるのは嬉しいことですが、困るのは「これまで得意だった距離」をどの番手で打つかです。例えば、これまで7番で140ヤード打っていた人が、ゼクシオでは160ヤード飛んでしまうようになると、140ヤードを打つための新しい番手(おそらく8番か9番)に慣れる必要があります。
練習場では飛んで楽しいのですが、コースでは「この番手で何ヤード」という基準が一度リセットされることを覚悟しましょう。ただし、慣れてしまえば「以前よりも短い番手で楽にグリーンを狙える」という大きなメリットを享受できます。
ウェッジの構成を見直す必要性
ゼクシオのようなストロングロフトのアイアンを導入する際、最も重要なのがウェッジの構成です。ゼクシオ13のPW(ピッチングウェッジ)はロフト角が42度しかありません。一般的なセットのPWが44〜46度であることを考えると、非常に「立っている」状態です。
もし、お手持ちの単品ウェッジが52度と58度といった構成だと、PW(42度)とAW(52度)の間に10度ものギャップが生まれてしまいます。この「10度の空白」は、距離にして20〜30ヤードの差になり、100ヤード前後のショットで苦労することになります。
ゼクシオを購入する際は、セットに含まれるAW(アプローチウェッジ・48度前後)も一緒に揃えるか、単品ウェッジを48度・52度・56度といったように、ロフトの階段が4〜6度刻みになるように再構成することをお勧めします。
中古モデルを検討する際のロフト角の注意点
ゼクシオは中古市場でも非常に人気がありますが、古いモデルを検討する場合はロフト角の違いに注意が必要です。例えば、ゼクシオ7やゼクシオ8あたりのモデルは、最新のモデルほどロフトが立っていません。
「ゼクシオならどれでも飛ぶ」と思って購入したら、意外と今のクラブと飛距離が変わらなかった、という失敗もあり得ます。もちろん、当時のモデルも名器揃いですが、現在の「飛び」を期待するのであれば、ゼクシオ10以降のモデルを目安にするのが良いでしょう。
また、中古品の場合は前のオーナーがロフト・ライ角を調整している可能性もゼロではありません。信頼できるショップで購入し、スペック表と照らし合わせる、あるいは実際に計測してもらうのが安心です。ゼクシオのアイアンは耐久性が高いですが、ロフト設定の確認だけは怠らないようにしましょう。
ゼクシオアイアンロフト角を理解して自分にぴったりの1本を選ぼう
ゼクシオアイアンの魅力は、緻密に計算されたロフト角設定と、それを支える卓越したテクノロジーの融合にあります。最新のゼクシオ13では7番で28度というストロングロフトを採用しながらも、誰もが楽にボールを上げられる優しさを実現しています。これは、長年ゴルファーの悩みに寄り添ってきたダンロップの技術力の結晶と言えるでしょう。
歴代モデルを通じて少しずつ進化してきたロフト角は、単なる数字の変化ではなく、より少ない力で、より遠くへ、より正確に運ぶための進化の足跡です。レギュラーモデル、エックス、プライムと、それぞれ異なるロフト設定が用意されているため、自分のヘッドスピードや好みの弾道に合わせて最適な選択をすることが可能です。
ただし、その飛距離性能を最大限に活かすためには、PW以下のウェッジ構成や、各番手での飛距離の階段を再確認することが欠かせません。この記事で紹介したロフト角の特性を参考に、ぜひ試打などで実際の弾道を確かめてみてください。あなたにとって最高の相棒となるゼクシオが見つかり、ゴルフがもっと楽しく、楽になることを願っています。



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