ゴルフを始めたばかりの方が、コースデビューで最初に戸惑うのが「ティーショットの順番」ではないでしょうか。誰から先に打つのか、どのような基準で決まるのかを知っておくことは、スムーズなプレーに欠かせません。ゴルフ初心者にとって、ティーショットの順番を正しく理解し、周囲への配慮を忘れないことは、技術以上に大切なマナーといえます。
この記事では、ゴルフ初心者が知っておくべきティーショットの順番の決め方から、2ホール目以降のルール、そしてプレーを円滑に進めるための「レディゴルフ」の考え方まで詳しく解説します。初めてのラウンドでも慌てずに、自信を持ってティーイングエリアに立てるよう、基本的なルールとエチケットを一緒に確認していきましょう。
ゴルフ初心者が最初に覚えるべきティーショットの順番の基本ルール

ゴルフには、プレーの進行をスムーズにするための明確なルールが存在します。特にティーショットの順番は、その日のプレーのリズムを作る重要な要素です。初心者のうちは、自分がいつ打つのかを常に意識しておくことで、同伴者を待たせることなくプレーを楽しむことができます。
1番ホールは「くじ引き」で公平に決める
ゴルフのラウンドを開始する最初のホール(1番ホールや10番ホール)では、まだスコアが存在しないため、公平を期してくじ引きで順番を決定するのが一般的です。これを「ティーアップの順番を決める」と呼び、ゴルフ場に用意されている専用の道具を使用します。
多くの場合、金属製や木製の「おみくじ棒」のようなものがティーイングエリアの近くに設置されています。これには1から4までの刻印があり、引いた数字がそのまま打つ順番となります。初心者の場合は、自分が何番目に打つことになったかをしっかり覚えておきましょう。
もし、専用の道具が見当たらない場合は、じゃんけんで決めることもありますが、基本的にはゴルフ場の備品を使うのがエチケットです。最初の順番が決まったら、同伴者に「よろしくお願いします」と挨拶をして、気持ちよくプレーをスタートさせましょう。
2ホール目からは「前のホールの成績順」で回る
2番ホール以降のティーショットの順番は、前のホールでのスコアによって決まります。具体的には、前のホールで最も少ない打数(良いスコア)だった人から順番に打っていくというルールです。これを繰り返すことで、自然とプレーの順番が整理されていきます。
例えば、前のホールでAさんが4打、Bさんが5打、Cさんが6打だった場合、次のホールのティーショットはAさん、Bさん、Cさんの順番になります。このように、前のホールの勝者が敬意を表されて最初に打つという伝統がゴルフにはあります。
初心者のうちは自分のスコアを数えるので精一杯かもしれませんが、同伴者のスコアもゆるやかに把握しておくと、自分の順番が来た時にスムーズに準備ができます。誰が一番だったかを確認し合うことも、ゴルフを通じたコミュニケーションの大切な一部です。
順番を守ることはスムーズな進行に不可欠
ティーショットの順番を守ることは、単なるルールの遵守以上に、プレーの「リズム」を守るという意味があります。ゴルフは4人1組でプレーすることが多いため、順番がバラバラだと誰が次に打つべきか混乱し、プレーに余計な時間がかかってしまいます。
特に初心者の時期は、次に打つのが自分だとわかっているだけで、心の準備が整いやすくなります。順番を意識することで、クラブの選択やティーアップのタイミングを早めに判断できるようになり、結果としてプレー全体のスピードアップ(スロープレーの防止)につながります。
また、順番を把握していることは、周囲の安全確認にも役立ちます。次に打つ人が誰か分かっていれば、その人の視界に入らない場所に移動したり、素振りを控えたりといった配慮が自然にできるようになります。ゴルフは「前の人への敬意」と「後ろの人への配慮」で成り立つスポーツです。
最初のティーショットの順番を決める具体的な方法と道具

ゴルフ場に行くと、ティーショットの順番を決めるための専用の道具が用意されています。これらを正しく使いこなすことも、初心者から一歩抜け出すためのポイントです。ここでは、具体的にどのような道具を使い、どのように順番を決めるのかを詳しく見ていきましょう。
ゴルフ場に用意されている「おみくじ棒」の使い方
1番ホールのティーイングエリア付近には、細長い棒が入った円筒形のケースが設置されていることが多いです。これがいわゆる「おみくじ棒」で、正式には「ティーイングオーダーホルダー」などと呼ばれます。4本の棒にはそれぞれ、1本から4本の横線が刻まれています。
使い方は非常にシンプルで、同伴者4人がそれぞれ1本ずつ棒を引くだけです。棒に刻まれた線の数がそのまま打つ順番を表します。1本の線なら1番目、4本の線なら最後というわけです。この伝統的な方法は、誰の意図も介入しないため、非常に公平な決め方とされています。
おみくじ棒を引く際のアドバイス
・全員が集まってから引くようにしましょう。
・引いた後は、自分の番号を大きな声で同伴者に伝えると親切です。
・使い終わった棒は、必ず元のケースに丁寧に戻してください。
金属製の番号札やコインを使って決める場合
最近のゴルフ場では、おみくじ棒の代わりに金属製のプレートや、回転させて番号を出すタイプの器具が備え付けられていることもあります。また、キャディさんが番号の書かれたチップを配ってくれるケースもありますが、基本的には「引いた番号が順番」というルールに変わりはありません。
もし何も道具がない場合は、誰かのティーを空中に放り投げ、ティーの先(ボールを乗せる側ではない尖った方)が指した人を1番目とする方法もあります。ただし、これはプライベートなラウンドでの略式な方法ですので、基本的には設置されている道具を探すのが正解です。
初心者のうちは、こうした道具を見つけること自体が難しいかもしれません。その時は、無理に探そうとせず、同伴のベテランゴルファーの方に「順番はどうやって決めればいいですか?」と素直に尋ねてみましょう。教えてもらうことも、ゴルフのマナーを学ぶ近道です。
競技ゴルフやコンペでの特殊な決め方
友人同士のラウンドではなく、会社のコンペや公式な競技ゴルフの場合、あらかじめティーショットの順番が指定されていることがあります。これを「組合せ表」や「ペアリング」と呼び、スタート時間に加えて「1番:〇〇様」といった形で明記されています。
このような場合は、現場でのくじ引きは行わず、記載された順番に従ってティーショットを打ちます。コンペに参加する際は、事前に配布される案内をよく確認しておきましょう。自分の名前が最初に書かれている場合は、その組のリーダー的な役割(エチケットリーダー)を期待されていることもあります。
また、プロの試合などでは、初日は運営側が決めた順番で、2日目以降は前日までのトータルスコアが良い順(成績順)でティーショットを打ちます。このように、シチュエーションによって順番の決め方が異なる場合があることを覚えておくと、どんな場でも落ち着いて対応できます。
2ホール目以降の順番を左右する「オナー」の仕組みを理解する

ゴルフ用語でティーショットを最初に打つ人のことを「オナー」と呼びます。2ホール目以降は、このオナーを誰が務めるかを正しく理解しておく必要があります。ここでは、オナーの意味や、スコアが同点だった場合の処理について解説します。
「オナー」とは前ホールで一番スコアが良かった人のこと
ゴルフにおいて、前のホールで最も少ない打数でホールアウトした人は、次のホールで最初にティーショットを打つ権利を得ます。これが「オナー(Honour)」です。日本語では「オーナー(Owner)」と聞き間違えられやすいですが、正しくは「名誉(Honour)」を意味する言葉です。
つまり、一番良いスコアを出した人に対して「あなたが最初ですよ」という敬意を払う仕組みなのです。ゴルフ初心者にとって、このオナーを取ることは一つの大きな目標にもなります。最初はなかなか難しいかもしれませんが、いつかオナーとして最初に打つことを楽しみに練習に励みましょう。
自分がオナーになった時は、「私がオナーですね」と一言断ってから、速やかにティーイングエリアに入るのがスマートです。逆に、自分が一番悪いスコアだった場合は、最後に打つことになるため、前の人たちのプレーを見守りながら、自分の打順に備える余裕を持つことができます。
前のホールのスコアが同じだった場合の考え方
もし、前のホールで2人以上のプレーヤーが同じスコアだった場合はどうなるのでしょうか。この場合、「さらにその前のホールでの順番」がそのまま引き継がれます。つまり、決着がつくまで以前の打順を維持するというルールです。
例えば、2番ホールでAさんとBさんが共に「4打」で、Aさんがその前の1番ホールで先に打っていた(オナーだった)場合、3番ホールでも引き続きAさんが先に打ちます。この「同スコアなら前のホールの順番通り」というルールは、混乱を防ぐために非常に合理的です。
初心者のうちは「誰からだっけ?」と迷う場面が多いかもしれませんが、基本的には「スコアが動かない限り、順番も変わらない」と覚えておけば間違いありません。同伴者同士で「次は私ですね」「いや、前のホールと同じだからAさんからですよ」と確認し合う姿は、ゴルフ場でよく見られる光景です。
打つ順番を間違えてしまった時のペナルティはあるのか?
ゴルフ初心者の方が最も心配するのは、「順番を間違えて打ってしまったら、罰金(罰打)があるのか?」ということではないでしょうか。結論から言うと、通常のストロークプレー(一般的なラウンド)において、ティーショットの順番を間違えても罰打はありません。
もし間違えて先に打ってしまったとしても、そのままプレーを続行して大丈夫です。ただし、同伴者には「すみません、順番を間違えました」と一言謝っておくのがマナーです。競技ゴルフにおいては、順番を間違えた際に「打ち直し」を命じられる可能性もありますが、一般的なプレーではそこまで厳格ではありません。
スムーズなプレーのために知っておきたい「レディゴルフ」の推奨

最近のゴルフ界では、厳格な順番よりも「プレーの早さ」を重視する傾向があります。それが「レディゴルフ(Ready Golf)」という考え方です。初心者の皆さんは、このルールを知っておくと、同伴者から「気が利く人だ」と感心されるかもしれません。
順番よりも「準備ができた人から打つ」という新ルール
2019年のルール改正以降、ゴルフではプレーのスピードを上げるために「準備ができた人から打つ」ことが強く推奨されるようになりました。これをレディゴルフと呼びます。従来の「スコア順(オナー順)」にこだわりすぎて、プレーが遅くなることを防ぐための仕組みです。
例えば、オナーの人がまだグローブをはめていたり、カートに忘れ物を取りに戻っていたりする場合、準備ができている2番目の人が「お先に打ちますね」と言って先に打つことが認められています。特に初心者のうちは、自分が最後だと思って油断せず、常に早めの準備を心がけることが大切です。
このレディゴルフの導入により、ゴルフはよりテンポの良いスポーツへと進化しています。ただし、あくまで「安全が確認されていること」が大前提です。無言でいきなり打つのではなく、必ず周囲に声をかけてから打つのがレディゴルフの最低限のマナーです。
安全を確保した上でのレディゴルフの実践方法
レディゴルフを実践する上で最も注意すべきは、やはり「安全」です。自分の順番ではないのに先に打とうとする際、他の人がティーイングエリア内にいたり、素振りをしていたりすると非常に危険です。特に初心者のうちは、周囲の状況をよく見てから行動しましょう。
具体的な実践シーンとしては、オナーの人が前のホールでトラブルがあり、息を切らしてティーイングエリアに到着したような場合です。そんな時、余裕のあるあなたが「準備できているので、お先に失礼します」と声をかければ、オナーの人も落ち着いて準備をする時間が持てるため、非常に喜ばれます。
また、ティーショットに限らず、フェアウェイでのショットやパッティングでもレディゴルフは推奨されています。「準備ができた人から打つ」という意識を持つだけで、1ラウンドの所要時間が15分から30分ほど短縮されることもあります。これは、ゴルフ場全体の混雑緩和にも貢献する素晴らしい心がけです。
同伴者に「お先に失礼します」と声をかける気遣い
レディゴルフを行う際は、必ずコミュニケーションを取るようにしましょう。無言で順番を飛ばすのは、エチケットとしてあまり好ましくありません。一言「お先にいいですか?」や「準備ができたので打ちますね」と声をかけるだけで、組全体の雰囲気が良くなります。
初心者の場合、自分から先に打つのは勇気がいるかもしれません。その場合は、逆に自分が遅れている時に「準備に時間がかかるので、お先にどうぞ」と譲ることから始めてみてください。これも立派なレディゴルフの一つです。順番に縛られすぎず、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
レディゴルフのポイント:
ゴルフは4人でプレーするチームスポーツのような側面もあります。全員が気持ちよく、かつサクサクとプレーできるよう、順番を譲り合ったり、準備ができていることをアピールしたりすることが、初心者卒業への第一歩です。
ティーショットの順番待ちで守るべきエチケットと安全管理

自分が打つ順番ではない「待ち時間」の過ごし方にも、ゴルフの大切なマナーが詰まっています。初心者のうちは、どこに立っていればいいのか、何をしていればいいのか迷うことも多いでしょう。ここでは、待ち時間の正しい立ち振る舞いについて解説します。
他の人が打つ時に立ってはいけない場所と静寂
同伴者がティーショットを打つ際、最も避けるべき場所は「打つ人の前方」と「飛球線の後方(背中側)」です。前方はボールが当たる危険があるため絶対に行ってはいけませんが、実は後方もマナー違反とされています。打つ人の視界に人が動く影が入ると、集中力を削いでしまうからです。
最も安全で望ましい待機場所は、打つ人の右前方(右打ちの場合)か、真横の少し離れた位置です。そこで静かに立ち止まり、打つ人のプレーを見守るのが正しいエチケットです。また、打つ直前は話し声を慎み、スマホの着信音などにも注意を払いましょう。
特に初心者のグループで盛り上がっている時、つい大きな声で笑ったり話し続けたりしてしまいがちです。「誰かが構えたら静かにする」というのは、ゴルフ場での鉄則です。静寂の中で放たれるナイスショットを、心からの拍手や「ナイスショー!」という掛け声で祝福しましょう。
ティーイングエリア周辺での素振りのルールとマナー
自分の順番を待つ間に素振りをして体をほぐしておくのは良いことですが、その場所やタイミングには注意が必要です。ティーイングエリア(ティーマークを結んだ線より後ろの区域)内での素振りは、芝を傷める可能性があるため、打つ直前以外は避けるのが一般的です。
また、他の人が打とうとしている時に、その人の近くでブンブンと音を立てて素振りをするのは大変失礼な行為です。風切り音や動く物体は、打つ人の気を散らしてしまいます。素振りをする際は、少し離れた場所で、かつ他の人の視界に入らない位置で行うようにしましょう。
さらに、素振りをする方向にも気を配ってください。万が一、地面の砂や小石が飛んでしまった場合に備え、人の方に向けて素振りをしないのは絶対のルールです。安全第一を考え、誰もいない方向、あるいはネットなどの障害物がない方向を確認してからクラブを振りましょう。
カートからの移動とクラブ選択を早めるコツ
ティーショットの順番をスムーズにこなすためには、カートがティーイングエリアに到着してからの動きが重要です。初心者のうちはどのクラブで打つべきか迷い、何度もカートを往復してしまうことがありますが、これはプレーを遅らせる原因になります。
コツとしては、カートから降りる際に「ドライバー」だけでなく「ティー」や「ボール」といった小物をすぐに取り出せるように準備しておくことです。また、ティーショットでドライバーを使わない選択(ウッドやアイアンで打つ場合)もあり得るので、予備のクラブを2〜3本持って移動するのが賢明です。
ティーショットの準備リスト
1. 使用するクラブ(ドライバーなど)
2. ティー(ロングティー、ショートティー両方)
3. 予備のボール(最低2個はポケットに入れておく)
4. グローブ(早めに装着しておく)
これらの準備を自分の打順が来る前に済ませておけば、いざ自分の番になった時に慌てずに済みます。「前の人が打っている間に自分の準備を整える」という意識を持つだけで、初心者でもスマートにティーショットに臨むことができます。
ゴルフのティーショットの順番と初心者が意識すべきポイントのまとめ
ゴルフのティーショットの順番について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。ティーショットの順番には、最初のホールでの「くじ引き」や、2ホール目以降の「スコア順(オナー)」といった明確なルールがあります。これらを理解しておくことは、ゴルフというゲームを楽しむための第一歩です。
しかし、ルール以上に大切なのが、プレーを遅らせないための「準備」と、同伴者への「気遣い」です。最近では「レディゴルフ」という考え方が浸透しており、順番を厳守することよりも、安全を確保した上で準備ができた人から打つことが推奨されています。初心者の皆さんは、まず早めの準備を心がけ、余裕を持って自分の打順に備えることから始めてみてください。
また、自分が打たない時の待ち時間の過ごし方や、立つ位置といったエチケットも非常に重要です。静かに見守り、同伴者のナイスショットを称える余裕を持つことで、組全体の雰囲気が良くなり、あなた自身のプレーにも良い影響を与えるはずです。順番を守り、マナーを意識して、楽しいラウンドを過ごしてください。
最後に、ティーショットの順番の要点をまとめます。
| 場面 | 順番の決め方 | ポイント |
|---|---|---|
| 1番ホール | くじ引き(おみくじ棒) | 公平に番号札などで決める |
| 2番ホール以降 | 前ホールのスコア順(オナー) | 良いスコアの人から順に打つ |
| 同スコアの場合 | 前のホールの順番を継続 | 変化がない限り順番はそのまま |
| プレー中 | レディゴルフ(準備順) | 安全優先で、準備ができたら声をかける |
この記事で紹介したルールとマナーを参考に、自信を持ってコースデビューを楽しんでください。ティーショットの順番をマスターすれば、もう初心者としての不安も大きく解消されるはずです。素敵なゴルフライフをスタートさせましょう。





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