近年、アイアンのシャフトにカーボンを検討するゴルファーが急増しています。その中でも、フジクラが展開する「TRAVIL(トラヴィル)」は、発売以来、ツアープロからアマチュアまで幅広い層から支持を集めている注目のモデルです。
最大の特徴は、単に飛距離を伸ばすことではなく「ボールをグリーンに止めること」に主眼を置いている点にあります。これまでのアイアン用カーボンの常識を覆すテクノロジーが詰め込まれており、スチールシャフトからの移行を考える方にとっても非常に魅力的な選択肢です。
本記事では、トラヴィル シャフトのスペックを徹底的に紐解き、各重量帯の特徴や選び方のポイントを分かりやすく解説します。自分にぴったりのスペックを見つけて、スコアアップに繋がる理想のアイアンショットを手に入れましょう。
トラヴィル シャフトのスペック詳細と全ラインナップの紹介

トラヴィルは、幅広いゴルファーに対応できるよう80g台から110g台までの重量ラインナップが用意されています。ここでは、具体的な数値データをもとに、その構成を確認していきましょう。
【TRAVILの基本スペック一覧】
| モデル | フレックス | 重量(g) | トルク(deg.) | 調子 |
|---|---|---|---|---|
| TRAVIL 85 | R / S | 86.5 / 88.0 | 2.7 | 中元 |
| TRAVIL 95 | R / S | 97.0 / 99.0 | 2.3 | 中元 |
| TRAVIL 105 | S / X | 108.0 / 110.0 | 2.2 | 中元 |
| TRAVIL 115 | S / X | 118.0 / 120.0 | 2.0 | 中元 |
重量帯別のラインナップと基本データ
トラヴィルは、85g、95g、105g、115gという4つの主要な重量帯で構成されています。それぞれの重量帯の中に複数のフレックス(硬さ)が用意されており、合計8種類のスペックから選択することが可能です。
85gと95gには「R」と「S」があり、一般的なアマチュアゴルファーが使いやすい設計となっています。一方で、105gと115gには「S」と「X」が用意されており、競技志向のゴルファーやパワーのあるプレーヤーをターゲットにしています。
数値を見ると分かるとおり、シャフト重量はモデル名の数字よりも数グラム重めに設定されているのが特徴です。例えば「TRAVIL 85 S」の重量は88.0gとなっており、スチールシャフトの軽量帯からの乗り換えでも物足りなさを感じさせない作りになっています。
各フレックスの振動数と硬さの傾向
トラヴィルを実際に手に取ってみると、数値上の重量以上に「しっかり感」を感じるという声が多く聞かれます。これは、シャフト全体の剛性が高く設計されているためで、特に手元から中間部にかけての粘り強さが特徴です。
振動数(cpm)の傾向としては、同重量帯のスチールシャフトと比較しても遜色ない、あるいはやや高めの数値が出ることが多いです。例えば105のSフレックスであれば、スチールのモーダス105のSと同等か、わずかにしっかりした手応えを感じるでしょう。
カーボンシャフトにありがちな「しなりすぎてタイミングが合わない」という現象が起きにくく、スイング中のヘッド位置を把握しやすいのが大きなメリットです。パワーに自信がある方でも、意図せずボールが左に飛んでしまうミスを防げる安心感があります。
トルクとキックポイントがもたらす操作性
トラヴィルのキックポイント(調子)は、全スペックを通して「中元調子」に設定されています。これにより、切り返しで手元側に心地よい「タメ」が作りやすく、スイングのテンポを安定させやすくなっています。
トルク値についても、重量が増すにつれて2.7から2.0へと絞り込まれています。これはスチールシャフトに近い数値設定であり、インパクト時の余計なねじれを抑制して、コントロール性能を高めるための工夫です。
中元調子でありながら、先端剛性も確保されているため、ラフからのショットでも当たり負けしません。操作性と安定性を高い次元で両立しており、ドローやフェードといった打ち分けを重視する中上級者の要求にもしっかりと応えてくれるスペックと言えます。
落下角を極めるトラヴィル独自のテクノロジーと特徴

トラヴィルが他のカーボンシャフトと一線を画しているのは、その製造プロセスにあります。フジクラが持つ複数の最新技術を融合させることで、これまでにない弾道を実現しています。
ゴム素材を複合したラバーコンポジットテクノロジー
トラヴィルの最大の秘密は、シャフトの積層の中に「ゴム素材」を組み込んでいる点にあります。これはフジクラが独自に開発した「ラバーコンポジットテクノロジー」と呼ばれる技術で、ゴルフシャフトとしては非常に珍しい試みです。
ゴム素材を複合することで、カーボン特有の鋭いしなり戻りを適度にマイルドにし、独特の「粘り感」を生み出しています。この粘りがあることで、インパクトでの食いつきが良くなり、ボールに対して効率的に力を伝えることが可能になります。
また、ゴムには振動を吸収する性質があるため、打感も非常にソフトになります。ミスヒット時の嫌な痺れが軽減されるだけでなく、心地よい打感と高いコントロール性を同時に手に入れられるのが、このテクノロジーの恩恵です。
低重心化を支えるメタルコンポジットテクノロジー(MCT)
フジクラのお家芸とも言える「MCT(メタルコンポジットテクノロジー)」も、当然ながら採用されています。これは、カーボンシャフトの先端部分に金属管を複合させることで、シャフトの重心位置を最適化する技術です。
カーボンはスチールに比べて比重が軽いため、長尺化には向いていますが、アイアンのようにヘッド重量があるクラブでは重心が手元側に寄りすぎてしまう欠点がありました。MCTによって先端を重くすることで、スチールと同じような振り心地を再現しています。
先端に重量があることで、インパクト時にヘッドがスムーズに走り、ボールを拾い上げる動きを助けてくれます。これにより、打ち出し角度が高くなり、楽にボールを上げられるようになっています。
理想的な落下角度を実現するシャフト挙動
トラヴィルが最もこだわっている数値が「落下角(Landing Angle)」です。現代のゴルフでは、スピン量だけでなく、いかに高い角度からボールをグリーンに落とすかが、ボールを止めるための重要な要素として注目されています。
独自の素材配合によって、インパクト直後の打ち出しを高くしつつ、最高到達点からの降下を急激にすることなく安定させます。結果として、ツアープロが求めるような「空中で静止してから垂直に落ちてくる」ような弾道を描きやすくなります。
硬いグリーンや、ロングアイアンでのショットにおいても、高さで止めることができるようになるため、コース攻略の幅が格段に広がります。飛距離を維持しながら、「止まる球」を打つための性能が凝縮されているのがトラヴィルの真骨頂です。
トラヴィルとMCIやスチールシャフトとの違いを比較

新しいシャフトを検討する際、現在使用しているものや他の有名モデルとの違いは気になるところです。トラヴィルはどのような立ち位置にあるのでしょうか。
トラヴィルは、従来のカーボンシャフトよりも「スチール寄り」の操作性を持ち、スチールシャフトよりも「カーボンらしい」寛容性を備えた、ハイブリッドな特性を持っています。
フジクラの定番モデルMCIとの決定的な違い
フジクラには「MCI」というアイアン用カーボンの大ヒット作があります。トラヴィルとMCIの最も大きな違いは、その「挙動」と「ターゲット」にあります。
MCIはカーボンらしい「弾き」や「走り」を感じやすく、ボールを拾って飛ばしてくれる感覚が強いシャフトです。どちらかというと、飛距離性能や優しさを求めるゴルファーに向いています。
対するトラヴィルは、先述のゴム素材の効果もあり、挙動が非常に穏やかです。無駄な走りを抑え、スイングに忠実に動くため、「自分の意思でコントロールしたい」と考えるアスリート志向の方向けのモデルと言えます。しなやかでありながら、MCIよりも一回り「タフ」な印象を受けるでしょう。
人気スチールシャフト(モーダス・DG)からの移行
現在、日本シャフトの「N.S.PRO MODUS3(モーダス)」やトゥルーテンパーの「Dynamic Gold(ダイナミックゴールド)」を使用している方は多いでしょう。これらのスチールユーザーがトラヴィルに移行する場合、違和感のなさに驚くはずです。
トラヴィルは中元調子の設計であるため、ダイナミックゴールドユーザーのような「粘り」を好む方と非常に相性が良いです。また、モーダス105などを使っていて「少し球が上がりにくい」と感じている方には、トラヴィルの高弾道性能が大きな武器になります。
スチールシャフト特有の操作性は維持したまま、重さだけを数グラム軽くし、カーボンの恩恵であるミスの許容度を受け取ることができます。そのため、スチールからカーボンへの変更で最も不安視される「頼りなさ」を感じさせないのがトラヴィルの強みです。
カーボンシャフトならではの身体への優しさ
スペックや性能面だけでなく、忘れてはならないのが「身体への負担軽減」です。これはカーボンシャフト全般に言えることですが、トラヴィルはその効果がさらに強化されています。
ゴルフは肘や手首、肩に大きな負担がかかるスポーツです。特にアイアンは地面を叩くため、その衝撃がダイレクトに身体へ伝わります。トラヴィルに採用されているラバー素材は、この衝撃振動を大幅にカットしてくれる役割を果たします。
練習量が多いゴルファーや、長年のプレーで関節に不安を抱えている方にとって、振動吸収性の高いトラヴィルは大きな助けとなります。翌日の疲れが残りにくくなるため、生涯スポーツとしてゴルフを長く楽しみたい方にもおすすめのスペック選択と言えるでしょう。
自分に合うトラヴィル シャフトを見極めるスペック選びのコツ

トラヴィルの性能を最大限に引き出すためには、自分に最適な重量とフレックスを選ぶことが欠かせません。選び方の基準を詳しく見ていきましょう。
【選び方のクイックガイド】
・スチール120g台を使用中 → TRAVIL 115 (S/X)
・スチール100〜110g台を使用中 → TRAVIL 105 (S) または 95 (S)
・軽量スチール(950GHなど)を使用中 → TRAVIL 85 (S) または 95 (R)
ヘッドスピード別の推奨重量とフレックス
シャフト選びの第一歩は、現在のヘッドスピード(HS)に合わせることです。トラヴィルはしっかりした設計のため、見栄を張らずに適正なスペックを選ぶのがコツです。
ドライバーのHSが45m/s以上あるパワーヒッターなら、105のXや115シリーズが候補になります。105g前後の重量であれば、スイングの安定感を損なわずに最後まで振り切ることができるでしょう。
HSが40〜43m/s程度の方であれば、95のSフレックスがボリュームゾーンです。このスペックは多くの日本人ゴルファーにマッチしやすく、適度な重量感と球の上がりやすさを体感できます。HSが38m/s前後の場合は、85のRやSを選ぶことで、無理に振らなくてもシャフトが仕事をしてくれる感覚を得られます。
ドライバーやウッド用シャフトとの重量バランス
アイアンのスペックを決める際は、必ず他のクラブとの「重量フロー」を確認してください。特にドライバーのシャフト重量が基準になります。
例えば、ドライバーに60g台のシャフト(ベンタスやスピーダーNXなど)を装着している場合、アイアンは105g前後のトラヴィルを選ぶと、セット全体の流れが非常にスムーズになります。
もしドライバーが50g台であれば、アイアンは85gや95gが適正です。ウッド類からアイアンに持ち替えたときに、急に重すぎたり軽すぎたり感じないように調整することが、ラウンド中のミスショットを減らすポイントとなります。フジクラ同士の組み合わせであれば、設計思想が共通しているため相性も抜群です。
ウェッジまで統一すべきか?セッティングの考え方
アイアンセットをトラヴィルにする際、悩ましいのがウェッジのシャフトです。結論から言えば、ウェッジまでトラヴィルで統一することを強く推奨します。
トラヴィルの特徴である「スピンの安定性」と「マイルドな打感」は、繊細なアプローチが求められるウェッジでこそ真価を発揮します。アイアンと同じ振り心地にすることで、フルショットからハーフショットまで、距離感のズレを最小限に抑えられます。
ただし、ウェッジはアイアンよりも重めに設定するのがセオリーです。アイアンが95gであればウェッジは105gにするなど、一つ上の重量帯を選ぶことで、短い距離でもヘッドの重みを感じて安定したストロークが可能になります。このように、番手ごとの役割に応じた重量調整も検討してみましょう。
実際にトラヴィルを試打したプロやアマチュアの評価・口コミ

最後に、実際にトラヴィルを使用している人たちの生の声を参考にしてみましょう。プロのフィードバックとアマチュアの感想には、それぞれ興味深い共通点があります。
渋野日向子プロら女子プロが選ぶ理由
トッププロたちがトラヴィルを選ぶ最大の理由は、やはり「縦距離の安定感」にあります。女子プロの世界では、スピンが解けてグリーンをオーバーしてしまうミスは命取りです。
渋野日向子プロをはじめとするトッププレーヤーは、トラヴィルを使うことで「理想的な高さが出て、なおかつ風に負けない強い球が打てる」と評価しています。特に、長い番手のアイアンでもボールが止まってくれる安心感は、スコアを組み立てる上で大きなアドバンテージになります。
また、ラバー素材による打感の良さも、フィーリングを重視するプロにとって重要な要素です。ミスをした時に「何が原因だったか」が手に取るように分かる一方で、身体にくる衝撃は抑えてくれる絶妙なバランスが支持されています。
アマチュアゴルファーが実感するミスへの強さ
一般のアマチュアゴルファーからは、「アイアンが楽になった」という声が多く聞かれます。特に、これまでのスチールシャフトでは届かなかった高さまでボールが上がるようになったという感想が目立ちます。
カーボンならではの復元力の速さが、ダフリ気味のショットでもヘッドを前に押し出してくれるため、飛距離のロスを最小限に抑えてくれます。「ミスしてもグリーン付近まで運んでくれる」という寛容性は、スコア100切りを目指す方からシングルプレーヤーまで共通の喜びです。
また、マット仕上げのブラックカラーが高級感があり、所有欲を満たしてくれるというビジュアル面での評価も高いです。「カッコよくて、かつ優しい」という、わがままなニーズを叶えてくれる一本として愛されています。
スピン量と打ち出し角の変化に関する声
試打データを確認したアマチュアからは、明らかに打ち出し角度が1〜2度上がり、最高到達点が高くなったという報告が相次いでいます。スピン量についても、バラつきが抑えられ、適正な数値に収まる傾向があります。
「今までスピン不足でグリーンをこぼれていたが、トラヴィルに変えてからピタッと止まるようになった」という声は非常に多いです。これはシャフトがインパクトで適切なロフト角をキープし、ボールを理想的な角度で押し出している証拠です。
低重心設計の恩恵により、払い打つタイプのゴルファーでもしっかりとスピンが入るようになります。弾道が安定しない悩みを抱えている方にとって、トラヴィルのスペックを自分に合わせることは、最も効果的な解決方法の一つと言えるかもしれません。
まとめ:トラヴィル シャフトのスペックを知ってスコアアップを目指そう
トラヴィルは、フジクラが「止まる弾道」を追求して開発した、新時代のアイアン用カーボンシャフトです。独自のラバーコンポジットテクノロジーとMCTを融合させることで、スチールのような操作性とカーボンらしい高弾道を両立しています。
スペック選びにおいては、85gから115gまでの重量帯から、自分のヘッドスピードや現在使用しているドライバーとのバランスを考えて選ぶのが基本です。中元調子の粘り強い挙動は、多くのゴルファーにとって振りやすさを提供し、さらには身体への負担も軽減してくれます。
もしあなたが、「アイアンの球が上がらない」「グリーンでボールを止めたい」「スチールからの乗り換えで失敗したくない」と考えているなら、トラヴィルは最適な選択肢となるはずです。ぜひ一度、今回ご紹介したスペック情報を参考に試打を行い、その驚きの性能を体感してみてください。





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