ゴルフコンペでよく採用されるハンディキャップ算出方法、「ダブルペリア(新ペリア)」。
その中でも、時折耳にするのが「ハンディキャップ上限なし」という特別ルールです。「上限なしってどういうこと?」「すごく叩いても優勝できるチャンスがあるの?」「逆に不利になることもあるの?」など、様々な疑問が浮かびますよね。
普段あまり気にしていなかった方も、このルールを知ることでコンペの楽しみ方が大きく変わるかもしれません。この記事では、「ダブルペリアで上限なし」のルールについて、基本的な計算方法からメリット・デメリット、そしてコンペを最大限に楽しむためのコツまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
これを読めば、次回のコンペが「上限なし」ルールでも、自信を持ってプレーに臨めること間違いなしです!
ダブルペリアの「上限なし」とは?基本的なルールを理解しよう
まずは、ダブルペリア方式そのものと、「上限なし」が何を意味するのか、基本的な部分からおさえていきましょう。ルールを正しく理解することが、コンペを楽しむための第一歩です。
ダブルペリア(新ペリア)の基本的な仕組み
ダブルペリアとは、ゴルフコンペで広く採用されているハンディキャップの算出方法の一つです。 「新ペリア」とも呼ばれ、呼び方が違うだけでルールは全く同じです。 この方式の最大の特徴は、JGA(日本ゴルフ協会)が定めるような公式ハンディキャップを持っていない人でも、その日のプレー結果だけでハンディキャップを算出できる手軽さにあります。
具体的には、全18ホールの中から、ゴルフ場側がランダムに12個の「隠しホール」を設定します。 プレーヤーはどのホールが隠しホールかを知らされずにラウンドします。 そしてプレー終了後、この12ホールのスコア合計を基に、特定の計算式でハンディキャップを算出するのです。 隠しホールはアウト・インからそれぞれ6ホールずつ、パーの合計が48になるように選ばれるのが一般的です。 この「隠しホール」の存在が、実力だけでなく「運」の要素を生み出し、初心者から上級者まで誰もが優勝のチャンスを得られるため、多くのコンペで採用されています。
「ハンディキャップ上限」が持つ意味とは?
通常のダブルペリア方式のコンペでは、「ハンディキャップ上限」が設定されていることがほとんどです。 これは、計算によって算出されたハンディキャップが、ある一定の数値を超えたとしても、その上限値までしか認めないというルールです。
例えば、「ハンディキャップ上限36」と設定されているコンペで、計算上のハンディキャップが「40」になったとしても、実際に適用されるハンディキャップは「36」となります。 同様に、「上限48」なら最大48までしかハンディはつきません。 この上限設定は、特定の隠しホールで極端に大叩きした人が、運だけで有利になりすぎるのを防ぎ、ゲームの公平性を保つために設けられています。 上級者や実力者が不公平感を抱きにくくするための、バランス調整の役割を担っていると言えるでしょう。
「上限なし」が採用される背景と目的
では、「上限なし」とはどういうルールなのでしょうか。これはその名の通り、ハンディキャップの上限を一切設けない方式のことです。 計算によって算出されたハンディキャップが、たとえ50や60になったとしても、その数値がそのまま適用されます。このルールは別名「青天井」とも呼ばれ、「制限がない」ことを意味します。
この「上限なし」ルールが採用される主な目的は、ゴルフ初心者や女性、あまりスコアが良くない人にも優勝のチャンスを広げ、コンペをより一層盛り上げることにあります。 上限があると、どうしても一定以上のスコアの人は上位入賞が難しくなります。しかし、上限をなくすことで、隠しホールで大きくスコアを崩してしまったとしても、それが大きなハンディキャップとなって返ってくる可能性があるのです。これにより、参加者全員が最後まで結果の分からないドキドキ感を味わえ、表彰式まで楽しめるエンターテインメント性の高いコンペになります。
上限なしの場合のハンディキャップ計算方法と具体例

「上限なし」ルールを理解したところで、次に気になるのが具体的なハンディキャップの計算方法です。ここでは、ステップごとに分かりやすく解説し、スコア例を基にしたシミュレーションも行います。
ステップ1:隠しホール12ホールのスコアを合計する
ハンディキャップ計算の最初のステップは、ゴルフ場によってラウンド終了後に発表される「隠しホール」12個の自分のスコアを合計することです。
例えば、パー72のコースで、あなたの隠しホール12個(パー合計48)のスコアが以下のようだったとします。
4, 5, 6, 7, 4, 5, 6, 8, 5, 7, 5, 6
この場合の合計スコアは「68」となります。これがハンディキャップを算出するための基礎の数字です。 この時点では、隠しホール以外でどれだけ良いスコアを出していても、あるいは叩いてしまっても、ハンディキャップの計算には影響しません。
ステップ2:合計スコアを1.5倍し、コースのパー(通常72)を引く
次に、ステップ1で算出した合計スコアを使って計算を進めます。計算式は以下の通りです。
この「1.5倍する」という計算は、12ホール分のスコアを18ホール分に換算するためのものです。 そして、そこからコースのパー(通常は72)を引くことで、18ホールに換算した場合のオーバーパー数を算出します。
先ほどの例(合計スコア68)で計算してみましょう。
(68 × 1.5) – 72 = 102 – 72 = 30
この「30」という数字が、ハンディキャップの元となる数値(グロスハンディキャップ)になります。
ステップ3:算出された数値を0.8倍してハンディキャップを決定
最後のステップです。ステップ2で算出した数値に「0.8」を掛け合わせます。これにより、最終的なその日のハンディキャップが決定します。
この「0.8を掛ける」という処理は、算出されたハンディキャップが過度に大きくならないように調整するためのものです。
再び先ほどの例で計算します。
30 × 0.8 = 24
この結果、この日のあなたのハンディキャップは「24」となります。このハンディキャップを、あなたの18ホールの合計スコア(グロススコア)から引いたものが、最終的な順位を決めるネットスコアとなります。
【具体例】スコア別ハンディキャップシミュレーション
「上限なし」の場合、隠しホールでのスコアがハンディキャップにどれほど大きく影響するか、3人のプレーヤーを例にシミュレーションしてみましょう。(いずれもグロススコアは110とします)
| Aさん(堅実プレー) | Bさん(隠しホールで大叩き) | Cさん(隠しホール以外で大叩き) | |
|---|---|---|---|
| グロススコア | 110 | 110 | 110 |
| 隠しホール12個の 合計スコア |
72 | 82 | 62 |
| 計算過程(1) (合計×1.5)-72 |
(72×1.5)-72 = 36 | (82×1.5)-72 = 51 | (62×1.5)-72 = 21 |
| ハンディキャップ (計算過程(1)×0.8) |
36 × 0.8 = 28.8 | 51 × 0.8 = 40.8 | 21 × 0.8 = 16.8 |
| ネットスコア (グロス – ハンデ) |
110 – 28.8 = 81.2 | 110 – 40.8 = 69.2 | 110 – 16.8 = 93.2 |
この表から分かるように、同じグロススコア110でも、どこでスコアを崩したかによってネットスコアに大きな差が生まれます。 Bさんは隠しホールで多く叩いた結果、ハンディキャップが40.8となり、ネットスコアは69.2と非常に良くなりました。もしこのコンペに「上限36」のルールがあれば、Bさんのハンディは36に抑えられ、ネットスコアは74となり、優勝を逃していたかもしれません。「上限なし」ルールは、このように大叩きが有利に働く可能性があるのが最大の特徴です。
ダブルペリアで上限なしにするメリットとデメリット
「上限なし」ルールはコンペを盛り上げる要素がある一方で、採用する際にはメリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。参加者全員が納得して楽しむために、それぞれの側面を見ていきましょう。
メリット:初心者や女性も優勝のチャンスが広がる
最大のメリットは、何と言っても実力差に関わらず、参加者全員に優勝のチャンスが生まれることです。 通常のルールでは、実力上位者が順当に上位を占めることが多くなりがちです。しかし、「上限なし」にすることで、ゴルフを始めたばかりの初心者や、飛距離が出にくい女性プレーヤーでも、ハンディキャップを味方につけて上位入賞を狙うことができます。
例えば、あるホールで大きく叩いてしまっても、「あそこが隠しホールだったらラッキー!」という期待感が生まれます。 この予測不能な展開が、普段は上位争いに絡むのが難しいと感じているプレーヤーのモチベーションを高め、コンペ全体の参加意欲を向上させる効果があります。 スコアが悪くても最後まで諦めずにプレーする楽しみを提供してくれるのです。
メリット:コンペがより一層盛り上がるエンタメ性
「上限なし」ルールは、コンペに高いエンターテインメント性をもたらします。プレー中は「あのホール、隠しホールかな?」といった会話で盛り上がり、ラウンド後のパーティや表彰式では、誰もが「もしかしたら自分が?」という期待感を持って結果発表を待つことになります。
実力者がまさかの下位に沈んだり、初心者が優勝してヒーローになったりと、予測不能なドラマが生まれやすいのもこのルールの魅力です。特に、親睦を目的とした社内コンペや異業種交流コンペなど、ゴルフの腕前だけでなく、参加者同士の交流を深めたい場合には最適なルールと言えるでしょう。 誰が勝つか分からないドキドキ感が、コンペを単なる競技ではなく、楽しいイベントへと昇華させてくれます。
デメリット:実力者が不利になりやすい?
一方で、デメリットも存在します。最も大きいのは、安定して良いスコアを出す実力者や上級者にとっては、やや不利に働きやすいという点です。 上級者は大叩きするホールが少ないため、ハンディキャップがほとんど付かない、あるいは非常に少なくなる傾向があります。
その結果、素晴らしいプレーをしたにもかかわらず、隠しホールで偶然大きく叩いた人に順位で負けてしまう、という事態が起こり得ます。 これにより、「実力が正当に評価されない」と感じる人もいるかもしれません。競技志向の強いメンバーが多いコンペや、真剣勝負を楽しみたいという趣旨のコンペでは、このルールが不満の原因となる可能性も考慮する必要があります。
デメリット:「わざと叩く」行為につながる可能性
もう一つの懸念点は、ルールを逆手にとって「わざと大叩きをする」という行為を誘発する可能性があることです。 যদিওどのホールが隠しホールかは分かりませんが、「このあたりが隠しホールになりやすい」といった推測や、いくつかのホールで意図的にスコアを崩すことで、ハンディキャップを不正に増やそうと考える人が現れるかもしれません。
もちろん、これはゴルフの精神に反する行為であり、ほとんどの人はフェアにプレーします。しかし、そうした行為が可能なルールであるという点は認識しておく必要があります。コンペの雰囲気を壊さないためにも、参加者全員がルールを正しく理解し、スポーツマンシップに則ってプレーすることが重要です。
上限なしコンペで注意すべきポイントと楽しむコツ
「上限なし」のダブルペリアコンペに参加する際、少し意識を変えるだけで、より一層楽しむことができます。ここでは、プレー中の心構えや、事前に確認しておきたいローカルルールについて解説します。
隠しホールでの大叩きは避けるべき?
「上限なし」ルールを聞くと、「隠しホールで大叩きすれば有利になるのでは?」と考えるかもしれません。 理論上はその通りですが、どのホールが隠しホールに設定されるかは、プレーが終わるまで誰にも分かりません。 そのため、特定のホールで意図的に叩くという戦略は現実的ではありません。
むしろ大切なのは、すべてのホールでベストを尽くすことです。仮にどこかのホールで大叩きしてしまっても、「もしかしたら隠しホールかもしれない」と前向きに気持ちを切り替えることが重要です。 失敗を引きずらず、次のホールに集中することが、結果的に良いスコアにつながります。大叩きは「してしまったらラッキーかもしれない」くらいに捉え、狙ってやるものではないと心得ておきましょう。
各ホールのスコア上限(ダブルパーカットなど)の確認
「ハンディキャップ上限なし」のコンペでも、各ホールの打数に上限を設ける「ローカルルール」が併用されることがよくあります。 代表的なのが「ダブルパーカット」です。これは、各ホールでパーの2倍までの打数しかカウントしないというルールです。 例えば、パー4のホールで「10」を叩いてしまっても、計算上は「8」として扱われます。
他にも、「トリプルパーカット」(パーの3倍まで)や「トリプルボギーカット」(パー+3打まで)など、様々なバリエーションが存在します。 これらの打数制限の有無によって、ハンディキャップの計算結果は大きく変わってきます。 コンペに参加する際は、ハンディキャップの上限だけでなく、こうしたホールごとの打数上限についても事前に幹事に確認しておくことが大切です。
主なホール打数上限ルール
- ダブルパーカット:パーの2倍の打数が上限(例:パー4なら8打)
- トリプルパーカット:パーの3倍の打数が上限(例:パー4なら12打)
- ダブルボギーカット:パー+2打が上限(例:パー4なら6打)
「隠しホール」を意識しすぎないメンタル
ダブルペリア方式の面白さは「運」の要素にありますが、それを意識しすぎるとプレーに集中できなくなることがあります。「このミドルホールは隠しホールになりやすいから…」などと余計なことを考えると、かえって力んでしまいミスにつながることも。
隠しホールは18ホール中12ホールもあり、多くのホールが対象となります。 パー3とパー5はそれぞれ2ホールずつ、パー4は8ホールが隠しホールになるのが一般的です。 つまり、どのホールも隠しホールになる可能性は十分にあるのです。そのため、隠しホールのことは一旦忘れて、目の前の一打一打に集中するのが最善の策です。結果はプレー後に付いてくるお楽しみ、と割り切ってラウンドすることで、自分の実力を最大限に発揮できるでしょう。
上限なしでも公平性を保つためのローカルルール
幹事の立場として「上限なし」ルールを採用する場合、少しの工夫でより公平で楽しいコンペにすることができます。例えば、ハンディキャップの上限を男女で変えるという方法があります。「男性は上限36、女性は上限48」や、さらに女性に有利になるよう「女性は上限なし」といった設定も考えられます。
また、「新・新ペリア方式」を検討するのも一つの手です。これは隠しホールを9個にする方式で、隠しホール6個のペリア方式(運の要素が強い)と12個のダブルペリア(実力が反映されやすい)の中間的な性質を持っています。 参加者のレベルやコンペの趣旨に合わせて、これらのローカルルールを柔軟に組み合わせることで、より多くの人が納得できるハンディキャップ設定が可能になります。
ダブルペリア「上限なし」を理解してコンペを最大限に楽しもう

今回は、ゴルフコンペのハンディキャップ算出方法「ダブルペリア」における「上限なし」ルールについて、詳しく解説しました。
「上限なし」は、ハンディキャップの上限を設けないことで、初心者やスコアがまとまりにくい方にも優勝のチャンスを大きく広げる、エンターテインメント性の高いルールです。 計算方法も基本のダブルペリアと同じで、隠しホール12個のスコアを基に算出されます。大叩きが大きなハンディにつながる可能性があるため、最後まで誰が勝つか分からないスリルを味わえるのが最大の魅力です。
一方で、実力者が不利になりやすいという側面もあるため、コンペの趣旨や参加メンバーに合わせて採用を検討する必要があります。 また、参加する側としては、「ダブルパーカット」などのホールごとの打数制限ルールの有無を事前に確認しておくことも大切です。
何よりも重要なのは、ルールを正しく理解し、隠しホールを意識しすぎずに目の前のプレーに集中することです。この記事で得た知識を活かして、次回の「上限なし」コンペを思いっきり楽しんでください!



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