最近、テレビやSNSで若手プロゴルファーが活躍する姿を目にする機会が増え、「自分の子供にもゴルフを始めさせてみたい」と考える親御さんが増えています。ゴルフは一生続けられるスポーツであり、親子三世代で楽しめる貴重なコミュニケーションツールでもあります。
しかし、いざ始めようと思っても「子供にゴルフを始めさせるのは何歳からが良いのか」「早すぎると体に負担がかからないか」といった悩みは尽きないものです。また、野球やサッカーと違って、道具の準備や練習場所の確保にハードルを感じる方も少なくありません。
この記事では、お子さんがゴルフをスタートするのに最適な年齢や、習い事として選ぶメリット、そして飽きずに楽しく続けるためのコツを詳しくご紹介します。これからお子さんと一緒にゴルフを楽しみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
子供にゴルフを始めさせる時期は何歳からがベスト?

ゴルフを始める年齢に厳格な決まりはありませんが、一般的には「本人が興味を持った時」が最大のチャンスと言われています。とはいえ、身体の発達や理解力には段階があるため、目安となる時期を知っておくことは大切です。ここでは年齢別の特徴を解説します。
体力がついてくる3歳〜5歳は遊びからスタート
多くの子プロゴルファーがゴルフに触れ始めるのが、この3歳から5歳という未就学児の時期です。この頃の子供は「パパやママの真似をしたい」という欲求が非常に強く、大人が楽しそうにクラブを振っている姿を見ると、自然と興味を持ち始めます。
ただし、この時期は筋力が未発達なため、重い金属製のクラブを振り回すのは避けるべきです。プラスチック製のおもちゃのクラブや、ジュニア専用の超軽量モデルを使い、まずは「ボールを打って飛ばす楽しさ」を体験させるのが良いでしょう。
本格的なスイングを教え込むよりも、芝生の上を走り回ったり、カップにボールを入れたりするゲームのような感覚で接することが、将来のゴルフ好きに繋がります。この時期は「ゴルフ=楽しい遊び」というポジティブな印象を植え付けることが何より重要です。
理解力が高まる4歳〜8歳はスクールデビューの適齢期
小学校入学前後の4歳から8歳くらいになると、言葉による指示が理解できるようになり、ジュニア向けのゴルフスクールでも受け入れが始まることが多くなります。周囲の友達と一緒に習うことで、社会性や協調性も育まれる時期です。
この年齢層は「プレ・ゴールデンエイジ」と呼ばれ、神経系が著しく発達するため、新しい動作を習得する能力が非常に高いのが特徴です。正しいグリップやアドレス(構え方)の基礎を、遊び感覚の中で自然に身に付けることができる絶好のタイミングと言えます。
スクールに通わせる場合は、プロを目指すようなスパルタ塾ではなく、まずは子供たちが笑顔で練習している教室を選ぶのがおすすめです。週に1回程度のペースで、楽しみながら技術の土台を作っていくのが理想的なスタイルです。
本格的な上達を目指すなら10歳前後が目安
小学校高学年の10歳前後(ゴールデンエイジ)になると、骨格や筋肉がしっかりしてきて、大人に近い動作が可能になります。論理的な思考もできるようになるため、「なぜボールが曲がるのか」「どうすれば遠くへ飛ぶのか」といった技術的な理解が深まります。
将来的に競技ゴルフへの参加や、プロを目指すことを視野に入れるのであれば、この時期から本格的な指導を受けるのが一般的です。体力もついてくるため、ハーフコースを回るスタミナも備わり、実践的なゴルフの面白さを体感できるようになります。
一方で、この時期は他の習い事や中学受験などで忙しくなる時期でもあります。無理に練習を強いるのではなく、本人の意思を確認しながら、継続できる環境を整えてあげることが親の役割になります。
「やってみたい!」と子供が興味を持った時が最高のタイミング
年齢による目安はありますが、最も大切なのは子供自身の「やりたい」という意欲です。親が無理やりゴルフ場へ連れて行っても、本人が嫌がっていれば上達は望めませんし、最悪の場合はゴルフが大嫌いになってしまう可能性もあります。
まずは打ちっぱなし練習場に一緒に行き、隣の打席で練習する親の姿を見せることから始めましょう。子供が「僕も(私も)打ってみたい」と言い出した時こそが、ゴルフデビューの最高のタイミングです。
もし興味を示さないようであれば、無理に勧めず時期を待つのも一つの手です。ゴルフは何歳からでも始められるスポーツですから、数年後にふとしたきっかけで興味を持つことも珍しくありません。子供のペースを尊重してあげましょう。
幼少期からゴルフを習うことで得られるメリット

ゴルフは単なるスポーツの枠を超え、子供の精神的な成長に大きく寄与する習い事です。他の球技とは異なる特性を持っているため、幼少期から触れさせることで得られるメリットは多岐にわたります。
紳士・淑女のスポーツとして礼儀作法が身に付く
ゴルフは「審判がいないスポーツ」と言われ、ルール以上にマナーやエチケットが重視されます。ゴルフ場での挨拶、服装、コース内での振る舞いなど、相手を思いやる精神(スポーツマンシップ)を学ぶ機会が豊富にあります。
例えば、他人が打つ時は静かにする、グリーン上で他人のラインを踏まないといった細かい気配りは、大人になってからの社会生活でも役立つ大切なマナーです。これらを子供のうちから自然に体得できるのは、ゴルフならではの強みです。
また、年配の方と一緒にプレーする機会も多いため、目上の人に対する敬語の使い方や礼儀正しさが磨かれます。単に技術を高めるだけでなく、人としての品格を育むことができる貴重な場となります。
集中力と自己管理能力が自然と養われる
ゴルフは、止まっているボールを打つまでの「静」の時間が非常に長いスポーツです。一打を打つために、風の向きを読み、距離を計算し、スイングを整えるプロセスには、並外れた集中力が求められます。
ミスをした時にいかに冷静さを保ち、次のショットに切り替えるかというメンタルコントロールの術も、プレーを通じて学ぶことができます。こうした精神力は、勉強や他の習い事、将来の仕事においても大きな武器になるはずです。
また、自分のスコアを自分で数え、反省点を見つけるプロセスは、自立心を育みます。誰のせいにもできない「自己責任」のスポーツだからこそ、失敗から学び、次はどうすれば良いかを自分で考える力が身に付きます。
生涯続けられる趣味として家族の絆が深まる
野球やサッカーは年齢とともにプレーが難しくなることもありますが、ゴルフは高齢になっても続けられるスポーツです。子供が成長し、大人になった後でも、親子や孫と一緒に同じフィールドで楽しむことができます。
共通の趣味を持つことは、思春期など親子の会話が減りがちな時期でも、自然なコミュニケーションを保つ助けになります。週末にゴルフ場へ出かけ、緑豊かな環境で数時間を共に過ごす経験は、かけがえのない家族の思い出になるでしょう。
また、ゴルフを通じて幅広い世代の人と交流できるため、子供の視野が広がります。学校や家族以外のコミュニティに属することで、多様な価値観に触れ、豊かな感性を養うことが可能になります。
他のスポーツに比べて怪我のリスクが低い
コンタクトスポーツ(体同士がぶつかるスポーツ)ではないため、衝突による大きな怪我や、激しい接触による事故のリスクが非常に低いのもゴルフの大きなメリットです。安全に運動させたいと願う親御さんにとって、これは安心できるポイントです。
もちろん、スイングのしすぎによる関節への負担など、ゴルフ特有の注意点はありますが、適切なフォームと練習量を守れば、健康的に体を動かすことができます。全身をバランス良く使う運動なので、柔軟性や体幹の強化にも繋がります。
日差しを浴びながら広いコースを歩くことは、子供の基礎体力を向上させ、健康的な体作りをサポートしてくれます。運動が苦手な子でも、自分のペースで取り組めるため、自己肯定感を高めやすいスポーツでもあります。
初心者の子供が揃えるべき道具と選び方のコツ

子供のゴルフデビューを成功させるために、道具選びは非常に重要な要素です。大人の道具を使い回したり、サイズの合わないものを使わせたりすると、変な癖がつくだけでなく怪我の原因にもなりかねません。ここでは、失敗しない道具選びのポイントを解説します。
身長に合わせたジュニア専用クラブを選ぶ
子供用のゴルフクラブを選ぶ際、最も基準となるのは「年齢」ではなく「身長」です。ジュニアクラブは一般的に10cmから15cm刻みでラインナップされており、身長に合った長さを選ぶことで正しいスイングが身に付きます。
子供用クラブ選びの目安
・身長100〜120cm用(幼児・小学校低学年向け)
・身長120〜140cm用(小学校中学年向け)
・身長140〜160cm用(小学校高学年〜中学生向け)
※メーカーによって区分は異なります。必ず試打やフィッティングを行いましょう。
成長を見越して大きすぎるクラブを買うのは禁物です。長すぎるクラブは重すぎて振り遅れたり、グリップが太すぎてしっかり握れなかったりと、子供のやる気を削いでしまう原因になります。ジャストサイズ、もしくは少し軽めのものを選んであげてください。
最初はハーフセットや単品からでもOK
ゴルフといえば14本のクラブセットを想像しますが、子供の場合はそんなに多くを使いこなせません。まずは、ドライバー、アイアン(7番または9番)、パターの3〜5本が入ったハーフセットで十分です。
多くのメーカーから、バッグ付きのジュニアセットが2万円〜4万円程度で販売されています。最初はこれで十分コースデビューも可能です。もし子供が続くか不安な場合は、中古ショップで7番アイアン1本だけを購入し、まずは練習場で遊んでみることから始めても良いでしょう。
最近では、スナッグゴルフ(プラスチック製の大判クラブを使う簡易ゴルフ)から入るのも人気です。ボールが大きく当たりやすいため、小さな子供でもすぐに成功体験を得られ、ゴルフへの興味を惹きつけることができます。
ゴルフウェアは「動きやすさ」と「マナー」を重視
ゴルフ場のドレスコードは緩和されつつありますが、やはり最低限のマナーは守らせたいものです。基本的には襟付きのシャツ(ポロシャツ)と、動きやすい長ズボンやキュロットを着用しましょう。
子供は汗をかきやすいため、吸汗速乾性の高いスポーツ用の素材を選ぶのがベストです。ジーンズやジャージは練習場ではOKですが、ゴルフ場によってはNGとされる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
子供がゴルフを飽きずに楽しく続けるための練習方法

子供は飽きやすく、大人のように「いつか上手くなるために今はつまらない基礎を繰り返す」といった忍耐は期待できません。ゴルフを楽しい習慣にするためには、教え方に工夫が必要です。
パターやアプローチなど「入れる喜び」から教える
初心者はどうしてもドライバーで遠くに飛ばす練習をしたがりますが、子供にとって最も楽しいのは「ボールが穴に入る瞬間」です。まずはパターマットを使って、数センチの距離からカップインさせる練習から始めましょう。
「カシャン」という音が鳴るたびに喜びを共有することで、子供の脳内には快感物質が出て、ゴルフが楽しいという記憶が刻まれます。徐々に距離を伸ばし、次はアプローチで狙った場所に止めるなど、ゲーム性を高めていくのがコツです。
「飛ばす」練習は、どうしても当たらないストレスが溜まりやすいものです。パターやアプローチといった「小さな成功」を積み重ねることで、自信をつけさせながら全体の技術へと繋げていきましょう。
練習時間は短めに!「もっとやりたい」ところで切り上げる
子供の集中力は長く持ちません。練習場での練習は30分から1時間程度を目安にし、飽きてくる前に終了させるのが鉄則です。「もう少しやりたかったな」という余韻を残すことで、次の練習へのモチベーションに繋がります。
100球も200球も無理に打たせる必要はありません。一球一球を大切に、遊びや休憩を挟みながら行いましょう。例えば「あそこの看板に当たったらジュースね!」といった、子供が燃えるようなミニゲームを取り入れるのも効果的です。
また、疲れている時や気分が乗らない時は、思い切って練習を休む勇気も必要です。ゴルフを「義務」にするのではなく、あくまで「ご褒美」や「楽しみ」の枠組みに入れておくことが、長続きの秘訣です。
できたことを具体的に褒めて成功体験を積ませる
子供への声掛けは、欠点の指摘ではなく「褒めること」を9割にしてください。「脇が空いているよ」「顔を上げるな」といった細かい技術指導は、初心者の子供にはストレスでしかありません。
「今の当たり、音が最高だったね!」「最後まで綺麗に立てたね!」「狙った方向に転がったよ!」など、どんな些細なことでも良いので、具体的に何が良かったのかを伝えてあげましょう。
「褒める」ことは子供のやる気を引き出す最強のツールです。たとえ空振りしても「ナイススイング!今の振りなら次は絶対当たるよ」と前向きな言葉をかけ続けてください。親が自分の味方であることを実感できれば、子供は進んで練習に励むようになります。
ジュニアゴルフスクールの選び方と費用の目安

親が教えるのには限界があると感じたら、プロの指導を仰ぐのが上達への近道です。最近はジュニア向けのレッスンが充実していますが、お子さんに合ったスクールを見極めるポイントがいくつかあります。
グループレッスンと個人レッスンの違いを知る
ジュニアスクールの多くは、複数人で受ける「グループレッスン」です。同年代の友達ができることで「負けたくない」というライバル心が芽生えたり、友達に会うのが楽しみで通い続けられたりするメリットがあります。
一方で、特定の課題を短期間で解決したい場合や、じっくりとフォームを固めたい場合は「個人レッスン」が向いています。ただし、費用は高めになり、子供によっては一人だと緊張してしまうこともあります。
初心者のうちは、まずはグループレッスンからスタートし、ゴルフ仲間を作る楽しさを知ってもらうのが良いでしょう。上達のスピードや本人の性格に合わせて、レッスンの形態を柔軟に選ぶのがおすすめです。
コーチの指導スタイルや教室の雰囲気を確認する
最も大切なのは、コーチがお子さんの目線に立ってコミュニケーションを取ってくれるかどうかです。技術は高くても、言葉遣いが厳しすぎたり、指示が一方的だったりするコーチは子供には向きません。
スクール選びの際は、必ず無料体験レッスンを受けに行きましょう。他の子供たちが活き活きと練習しているか、コーチは笑顔で接しているか、指導内容は子供が理解しやすい例え話などを使っているか、といった点に注目してください。
また、ゴルフ技術だけでなく、挨拶や片付けなどのマナーをしっかり教えてくれるスクールは、教育的な観点からも非常に信頼できます。親御さんも見学し、納得できる環境かどうかを見極めてください。
継続するために必要な月謝や諸費用の相場
ゴルフの習い事は「お金がかかる」というイメージがありますが、最近はリーズナブルな設定のスクールも増えています。一般的な費用感を知っておくことで、無理のない計画を立てることができます。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 入会金・年会費 | 5,000円〜10,000円 | キャンペーンで無料になることも多い |
| 月謝(週1回) | 8,000円〜15,000円 | グループレッスンの場合。ボール代込みが一般的 |
| 道具代(セット) | 20,000円〜40,000円 | ジュニア用ハーフセットの新品価格 |
| ラウンド代 | 3,000円〜8,000円 | ジュニア料金設定があるコースの場合 |
この他にも、練習場へ行くための交通費や、大会に出場する際の参加費などがかかる場合があります。最初はスクールのレンタルクラブを利用し、本格的に続けられそうだと確信してから道具を揃えることで、初期費用を抑えることができます。
まとめ:子供がゴルフを何歳から始めても「楽しさ」を一番に考えよう
子供にゴルフを始めさせる年齢は、3歳頃の遊びから、10歳前後の本格的な指導まで、目的に応じてさまざまです。大切なのは、親の意向を押し付けるのではなく、お子さん本人が「ゴルフは楽しい!」と感じるタイミングを見極めることです。
幼少期からゴルフに触れることは、技術の習得だけでなく、礼儀作法や集中力、そして家族との絆を深めるなど、お子さんの人生において大きなプラスとなります。まずは一緒に打ちっぱなしへ行き、ボールを打つ爽快感を共有することから始めてみてはいかがでしょうか。
道具選びやスクール選びも、今の身長や性格に合ったものを選ぶことで、お子さんの上達を優しくサポートできます。ゴルフという素晴らしいスポーツを通じて、親子の新しい思い出作りをぜひスタートさせてください。お子さんの笑顔とともに、グリーンの上を歩く日が来るのを心から応援しています。





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