トラヴィル使用プロも注目!シャフトの性能や評価、選び方を解説

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アマチュアからプロゴルファーまで、クラブ選びの重要な要素となるシャフト。なかでも藤倉コンポジットから発売されている「TRAVIL(トラヴィル)」は、その独自の性能で注目を集めています。

「トラヴィルを使用しているプロがいるらしいけど、実際どんなシャフトなの?」 「自分に合っているのか知りたい」 このように感じている方も多いのではないでしょうか。

トラヴィルは、コントロール性能を重視し、グリーンを的確に狙いたいゴルファーのために開発されたアイアン用カーボンシャフトです。この記事では、トラヴィルの基本的な特徴から、使用プロの評価、モデル別の選び方、そしてどんなゴルファーに合うのかまで、詳しく解説していきます。あなたのアイアンショットを新たなレベルへと導く一本を見つけるための参考にしてください。

トラヴィルを使用するプロも注目!その基本性能とは?

多くの中上級者やプロゴルファーから関心を集めるトラヴィルシャフト。その魅力は、藤倉コンポジットが長年培ってきた技術を結集した独自の設計思想にあります。ここでは、トラヴィルがどのようなシャフトなのか、その基本性能と開発コンセプトを詳しく見ていきましょう。

トラヴィル(TRAVIL)はどんなシャフト?開発コンセプトを解説

トラヴィル(TRAVIL)という名前は、「TOUR RATED(ツアーで評価された証明)」と「ABILITY(新たな能力・性能)」を組み合わせ、さらに「VICTORY(勝利)」のVを加えた造語です。 その名の通り、ツアープロのフィードバックを基に、彼らの能力を最大限に引き出し、勝利に貢献するために開発されました。

このシャフトが最も重視したのは「落下角」です。 ツアーレベルの硬く速いグリーンでも、ボールを上からしっかりと落として止めること。これを実現するために、フジクラならではの複合技術が惜しみなく投入されています。コントロール性を重視し、狙った場所にボールを運んで止めたいと考える、競技志向のゴルファーに最適なシャフトと言えるでしょう。

「ゴム」と「金属」を複合した独自技術

トラヴィルの性能を支えているのが、フジクラ独自の2つの複合技術です。

  1. ラバーコンポジットテクノロジー シャフトの全長にゴム層を組み込む技術です。 ゴムの持つ特性により、シャフトのしなり戻りのスピードがコントロールされ、インパクト時の余分な動きを抑制します。 これにより、カーボンシャフトでありながら粘りのあるしなり感と、非常にソフトな打感が生まれます。 ミスヒット時にも手への衝撃が少なく、安定したショットにつながります。
  2. メタルコンポジットテクノロジー(MCI) MCIシャフトでもおなじみの、カーボンの内層に金属を複合させる技術です。これにより、カーボンシャフトの軽さやしなやかさを持ちながら、重心位置を調整し、スチールシャフトのような振り心地を実現します。 トラヴィルではこの技術を使い、シャフトのバランスポイントを最適化しています。

これら2つの技術の相乗効果により、トラヴィルは「カーボンなのに芯がある」と評される、独特のフィーリングを生み出しているのです。

高い打ち出しと落下角でグリーンを狙う

トラヴィルの最大の目的は、大きな落下角を実現し、グリーン上でのボールのランを最小限に抑えることです。実際に多くのプロやアマチュアが試打したデータでは、マイクラブと比較して打ち出し角が高くなり、スピン量も増加、そして落下角が大きくなるという結果が出ています。

シャフト先端の剛性を高めつつ、全体の剛性分布(EI分布)を滑らかに設計することで、ツアープロが求める緩やかな入射角と高い打ち出し角を可能にしています。

これにより、まるでプロゴルファーのような「上から狙ってビタッと止まる」理想的な弾道が打ちやすくなります。 これまで球が上がりきらず、グリーンでボールが止まりにくいと感じていたゴルファーにとって、大きな武器となるでしょう。

トラヴィルシャフトのモデル別スペックと選び方

トラヴィルは、幅広いゴルファーに対応できるよう、複数の重量帯とフレックスがラインナップされています。自分のスイングやパワーに合ったモデルを選ぶことが、性能を最大限に引き出すために不可欠です。ここでは、各モデルのスペックと、自分に最適な一本を見つけるための選び方のポイントを解説します。

重量帯ごとのラインナップ(85/95/105/115)

トラヴィルは、主に4つの重量帯で構成されており、それぞれに異なるフレックスが用意されています。全モデル共通で、キックポイントは中元調子に設計されています。

モデル名 フレックス 重量 トルク
TRAVIL 85 R 86.5g 2.7°
S 88.0g 2.7°
TRAVIL 95 R 97.0g 2.3°
S 99.0g 2.2°
TRAVIL 105 S 108.0g 2.0°
X 110.0g 1.9°
TRAVIL 115 S 118.0g 1.8°
X 120.0g 1.7°

※重量・トルクは代表的なスペック(例:アイアン#7用)を参考に記載しています。

85g95gのモデルは、比較的軽量でしなりを感じやすく、スイングスピードがそれほど速くないゴルファーや、楽に振りたい方に向いています。 一方で105g115gは、しっかりとした重量感があり、パワーヒッターやスイングテンポが速いゴルファーでも叩きにいけるモデルです。

適正ヘッドスピードの目安

シャフト選びにおいて、自分のヘッドスピードを把握することは非常に重要です。以下に、トラヴィルの各モデルと推奨されるヘッドスピードの目安をまとめました。これはあくまで一般的な目安であり、スイングのタイプによっても最適なモデルは変わります。

モデル フレックス 推奨ヘッドスピード(m/s)※7番アイアン
TRAVIL 85 R 38~42
S 40~44
TRAVIL 95 R 40~44
S 42~46
TRAVIL 105 S 44~48
X 46~50
TRAVIL 115 S 46~50
X 48~52

ヘッドスピードが40m/s前後の方であれば85や95のRやS、45m/s前後であれば95のSや105のSが選択肢に入ってくるでしょう。 ドライバーのヘッドスピードが40m/sの場合、飛距離の目安は約220ヤード前後とされています。

自分に合うスペックを選ぶためのポイント

スペック表やヘッドスピードの目安だけでなく、以下のポイントも考慮して選ぶと、より自分にフィットしたシャフトを見つけやすくなります。

  • 現在の使用シャフトを基準にする 現在スチールシャフトを使用している方は、その重量を基準に考えると移行しやすくなります。例えば、N.S.PRO 950GHなど90g台のスチールを使っているならTRAVIL 95、Dynamic Goldなど120g前後の重量級スチールならTRAVIL 115や105が候補になります。
  • スイングテンポを考慮する ゆったりとしたスイングテンポの方は、少し軽めでしなりを感じやすいモデル(85, 95)がタイミングを取りやすいことがあります。 逆に、切り返しが速く、力強いスイングの方は、重量があり剛性の高いモデル(105, 115)の方が安定しやすいでしょう。
  • 必ず試打をする 最終的には、実際に試打をしてフィーリングを確かめることが最も重要です。 同じ重量帯でもフレックスによって振り心地は大きく変わります。可能であれば、専門のフィッティングスタジオなどで複数のスペックを試し、弾道データを確認しながら選ぶことを強くおすすめします。

どんなゴルファーに合う?トラヴィルの向き・不向き

高性能なトラヴィルシャフトですが、すべてのゴルファーに合うわけではありません。シャフトの特性を理解し、自分のプレースタイルや求めるものと合っているかを見極めることが大切です。ここでは、トラヴィルがどんなゴルファーにおすすめできるのか、また、どのような方には合わない可能性があるのかを解説します。

トラヴィルが合う人の特徴

以下のような悩みや希望を持つゴルファーには、トラヴィルが非常にフィットする可能性があります。

  • 方向性・コントロール性を重視したい方 飛距離よりも、狙った場所にボールを運び、グリーン上でしっかり止めたいと考えているゴルファーに最適です。 シャフトの安定性が高いため、左右のブレを抑えたショットが打ちやすくなります。
  • スチールシャフトからカーボンへ違和感なく移行したい人 メタルコンポジットテクノロジーにより、カーボンでありながらスチールに近いしっかりとした振り心地を実現しています。 そのため、これまでスチールシャフトを使ってきた方が、カーボンに移行する際の違和感を最小限に抑えることができます。
  • 柔らかい打感を好む方 ラバーコンポジットテクノロジーの効果で、インパクト時の衝撃が少なく、非常にソフトな打感が特徴です。 このなめらかな振り心地は、クラブの操作性を高めたい方にも向いています。
  • 球が上がりにくく、ランが出てしまう方 トラヴィルは高い打ち出し角と最適なスピン量で、落下角の大きな弾道を生み出します。 これまでアイアンで球が低く、グリーンで止まらなかったという悩みを持つゴルファーのパフォーマンスを大きく改善する可能性があります。

トラヴィルが合わない人の特徴

一方で、以下のようなタイプのゴルファーは、トラヴィルの特性が合わないと感じるかもしれません。

  • 飛距離を最優先に求める人 トラヴィルは落下角やコントロール性を重視した設計のため、最大飛距離を追求するタイプのシャフトではありません。 アイアンでもとにかく飛距離を稼ぎたいという方には、物足りなく感じる可能性があります。
  • ヘッドスピードが非常に速い(50m/s以上)パワーヒッター 特に軽量モデルの場合、ヘッドスピードが速すぎるとシャフトが柔らかく感じ、エネルギーがうまくボールに伝わらないことがあります。 このような方は、115のXフレックスなど、最も硬くて重いスペックを試すか、他のシャフトを検討するのが良いでしょう。
  • スチール特有の硬い打感や重量感が好きな人 トラヴィルの特徴である柔らかな打感や軽快な振り心地は、金属的な硬いフィーリングを好むゴルファーにとっては、頼りなく感じられる場合があります。

MCIシャフトとの違いは?

同じフジクラの人気のカーボンシャフト「MCI」との違いも気になるところです。両者を比較すると、フィーリングに明確な違いがあります。

  • MCI: よりカーボンらしく、軽やかで弾くような感覚があります。
  • トラヴィル: カーボンでありながら、よりスチールに近い「芯」や「粘り」を感じられるのが特徴です。
簡単に言うと、MCIが「軽快さ」を重視しているのに対し、トラヴィルは「安定感」や「しっかり感」を重視しています。

スチールからの移行で違和感を少なくしたい方や、MCIでは少し軽く、動きすぎると感じていた方には、トラヴィルが非常に良い選択肢となるでしょう。 ## プロや使用者からのリアルな評価・口コミ 理論上の性能だけでなく、実際にトラヴィルを使ったゴルファーがどのように感じているのかは、シャフト選びの重要な判断材料になります。ここでは、プロからの評価や、アマチュアゴルファーによる試打の感想、そして気になる「飛ばない」という噂の真相に迫ります。 ### 使用プロからの評価ポイント トラヴィルは、その開発コンセプト通り、特にアイアンのコントロール性能を重視するプロゴルファーに選ばれています。 具体的な使用プロの名前は頻繁に変わるため明言は避けますが、女子プロを中心に、その性能を武器にツアーを戦う選手がいます。 プロが特に評価しているのは、やはり理想的な高さとスピンでグリーンに止められる点です。 あるプロは「イメージした通りの理想の球が打てた。落とした所に止まるような弾道で、試合でかなり武器になる」とコメントしています。 また、ミスヒットへの強さも評価されており、「ミスしてもヒッカケが出にくいのが良い」といった声もあります。 プロが求めるシビアな状況下でも、安定したパフォーマンスを発揮できる信頼性の高さがうかがえます。 ### アマチュアゴルファーの試打インプレッション アマチュアゴルファーからも、多くの高評価が寄せられています。

「高い弾道でグリーンにビタッと止まる、上級者のような球が打てた」
「打感が非常に柔らかく感じられ、飛距離も半番手ほど伸びた気がする」
「モーダス120Sから移行したが、しなり方など違和感が全くなかった」
「シャフトが仕事をしてくれる感じで、特にアイアンショットの安定性を求める人には扱いやすい」

このように、コンセプト通りの高弾道・高スピン性能や、打感の良さスチールからの移行のしやすさを実感している声が多く見られます。 まさに、アマチュアゴルファーが持つ「球が上がらない」「グリーンで止まらない」といった悩みを解決してくれるシャフトと言えそうです。

「飛ばない」という噂は本当?

一部で「トラヴィルは飛ばない」という声も聞かれますが、これはシャフトの特性を正しく理解する必要があります。前述の通り、トラヴィルは最大飛距離を追求するシャフトではありません。 その設計思想は、あくまでもグリーン上でボールを「止める」ことにあります。

高く上がってスピンがしっかり入るため、ランが少なくなり、結果としてトータル飛距離は他のディスタンス系シャフトに比べて落ちる可能性があります。しかし、これはデメリットではなく、キャリーで正確に距離を打ち分けられるという大きなメリットになります。

「飛ばない」のではなく、「飛距離性能とコントロール性能のバランスを取り、狙った距離をしっかり打てる」シャフトだと理解するのが適切です。飛距離が落ちることを過度に心配する必要はなく、むしろスコアメイクに直結する安定性が手に入ると言えるでしょう。

まとめ:トラヴィルでプロのようなアイアンショットを目指す

この記事では、プロも使用する藤倉コンポジットのアイアン用シャフト「トラヴィル」について、その性能や評価、選び方を詳しく解説しました。

トラヴィルの最大の魅力は、独自の複合技術によって生み出される、高い打ち出しと大きな落下角です。 これにより、プロのようにグリーンを的確に捉え、ピンをデッドに狙っていくゴルフが可能になります。

【トラヴィルのポイント】

  • コンセプト: ツアープロが求める「落下角」を追求し、グリーンで止まる弾道を実現。
  • テクノロジー: ゴムと金属の複合技術で、ソフトな打感と安定した挙動を両立。
  • 合う人: コントロール性を重視し、球を上げて止めたいゴルファー。スチールからの移行を考えている人にも最適。
  • 選び方: 現在のシャフト重量やヘッドスピードを参考にしつつ、必ず試打をしてフィーリングを確かめることが重要。

もしあなたがアイアンショットの方向性に悩み、グリーン攻略の精度を高めたいと考えているなら、トラヴィルは非常に有力な選択肢となるでしょう。自分に合ったスペックを見つけ、プロのような安定したアイアンショットを手に入れてください。

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