アイアンシャフトの60gと90gはどう選ぶ?振り遅れを防ぐ重量選びのコツ

アイアンシャフトの60gと90gはどう選ぶ?振り遅れを防ぐ重量選びのコツ
アイアンシャフトの60gと90gはどう選ぶ?振り遅れを防ぐ重量選びのコツ
ゴルフクラブ・ギア情報

アイアンの飛距離が落ちてきたり、方向性が安定しなくなったりすると、真っ先に検討するのがシャフトの交換です。特にアイアンのシャフト重量は、スイングの心地よさやミスショットの傾向を左右する非常に重要な要素となります。一般的に人気のある60g台と90g台のシャフトですが、どちらを選ぶべきか悩む方は多いでしょう。

もし今のクラブで「振り遅れ」を感じているのであれば、それはシャフトの重さがあなたのスイングスピードやリズムに合っていないサインかもしれません。重すぎても軽すぎても、ゴルフの天敵である振り遅れは発生してしまいます。自分の体力やスイングスタイルに適した重量を選ぶことは、スコアアップへの近道です。

この記事では、アイアンシャフトの60gと90gの違いを徹底的に比較し、振り遅れが起こる原因やその対策について詳しく解説します。自分にぴったりのシャフト重量を見つけ、理想の弾道を手に入れるための判断材料としてぜひ役立ててください。シャフト選びの基本を知ることで、ゴルフがもっと楽しく、シンプルになるはずです。

  1. アイアンシャフトの60g・90gと振り遅れの関係
    1. シャフト重量がスイングのタイミングを決める理由
    2. 60gのシャフトで振り遅れが起きるケース
    3. 90gのシャフトで振り遅れが起きるケース
    4. 振り遅れとは具体的にどのような状態か
  2. 重量の違いがスイングに与える影響
    1. 60g台シャフトのメリットとデメリット
    2. 90g台シャフトのメリットとデメリット
    3. カーボンとスチールで感覚はどう変わる?
    4. 総重量だけでなくバランス(スイングウェイト)に注目
  3. 振り遅れが発生する仕組みとシャフト重量の罠
    1. 体の回転と腕の振りのズレが生じるメカニズム
    2. 軽すぎると「手打ち」になりやすく振り遅れる理由
    3. 重すぎると「振り切れない」ことで振り遅れる理由
    4. シャフトの「しなり」と重量の相関関係
  4. 自分に最適なアイアンシャフトの重さを見極める基準
    1. ドライバーのヘッドスピードを基準にする方法
    2. アイアンの飛距離から逆算する重量選び
    3. 筋力や体力に合わせたスペックの決め方
    4. フィッティングで確認すべき数値とは
  5. 振り遅れを解消するためのセッティングと練習法
    1. グリップ重量を調整して振り心地を変える
    2. 長さの調整で振り遅れを回避する考え方
    3. 重いクラブをゆっくり振るドリル
    4. カウンターバランス(手元重心)の活用法
  6. アイアンシャフト60g・90g選びと振り遅れ対策のまとめ

アイアンシャフトの60g・90gと振り遅れの関係

アイアンのシャフト重量において、60g台と90g台は非常にポピュラーな選択肢です。しかし、この約30gの差は、スイングの「振り心地」や「タイミング」に劇的な変化をもたらします。まずは、重量と振り遅れがどのように結びついているのか、その基本的な関係を理解しておきましょう。

シャフト重量がスイングのタイミングを決める理由

ゴルフスイングにおいて、シャフトの重さは「振り子」の周期を決定する大きな要因です。重いものほど動かすのに力が必要で、一度動き出せば慣性が働いて止まりにくくなります。逆に軽いものは、小さな力で素早く動かすことができますが、その分コントロールが繊細になります。

アイアンのシャフト重量が変わると、トップからダウンスイングに切り返す際の間(ま)の取り方が変わります。重いシャフトはゆっくりとしたリズムになりやすく、軽いシャフトはクイックなリズムになりやすい傾向があります。このリズムが自分の本来のテンポとズレたときに、「振り遅れ」という現象が発生しやすくなるのです。

スイング中の「腕」と「クラブ」の同調性は、重量によって保たれています。自分にとって適切な重さであれば、意識しなくてもヘッドが正しい位置に戻ってきます。しかし、重さが合わないと、体の回転に対してヘッドが遅れてついてきたり、逆に手元だけが先行してしまったりするのです。

60gのシャフトで振り遅れが起きるケース

「軽いシャフトの方が速く振れるから振り遅れないのでは?」と思われがちですが、実は60g台のような軽量シャフトでも振り遅れは発生します。その主な原因は、軽さゆえに手先だけでクラブを操作できてしまうことにあります。体幹を使った大きなスイングができず、手元だけが先に動いてヘッドが置き去りになるパターンです。

また、シャフトが軽いとスイング中の「クラブの重み」を感じにくくなります。重みを感じられないと、ダウンスイングで急いで打ちに行ってしまい、結果として体の開きが早くなってヘッドが遅れてくるのです。特に体力がある方が軽すぎるシャフトを使うと、スイングが不安定になり、振り遅れのミスが多発することがあります。

さらに、60g台のシャフトはカーボン製が多いですが、カーボン特有の「しなり」が大きすぎる場合も要注意です。しなったシャフトがインパクトまでに戻りきらないと、フェースが開いた状態で当たってしまい、右へのミスや振り遅れのような感触を生んでしまいます。

90gのシャフトで振り遅れが起きるケース

90g台のシャフトで振り遅れが起きる原因は、物理的な「重さ」に負けてしまうパターンがほとんどです。スチールシャフトの標準的な重量帯である90g台は、ある程度の筋力を必要とします。体力が不足している場合、ダウンスイングで重いクラブを持ち上げたり、加速させたりすることが間に合わなくなります。

特にラウンドの後半など、疲労が溜まってくると腕の力が落ち、クラブの重さに振り回されるようになります。そうなると、ダウンスイングでヘッドを加速させるタイミングが遅れ、フェースが戻る前にインパクトを迎えてしまいます。これが典型的な、重さによる物理的な振り遅れです。

また、シャフトが重すぎると、無意識に力んでしまい、スムーズな肩の回転が妨げられることもあります。力みはスイングのブレーキとなり、スムーズな振り抜きを邪魔します。結果としてヘッドスピードが上がらず、ヘッドが体の正面に戻ってくるのが遅れてしまうのです。

振り遅れとは具体的にどのような状態か

そもそもゴルフで言う「振り遅れ」とは、インパクトの瞬間にクラブヘッドが理想的なポジションよりも後ろにある状態を指します。体(胸の面)が目標方向を向きすぎているのに、腕やクラブがまだ後ろにある状態です。この状態になると、フェースが開きやすくなり、ボールは右へ飛んでいきます。

【振り遅れの代表的な症状】

・ボールが右に真っ直ぐプッシュアウトする

・インパクトでフェースが開いてスライスする

・ダフリやトップのミスが不規則に出る

・芯を食った感触が少なく、打感が重く感じる

振り遅れは単に「スピードが遅い」ということだけではありません。体とクラブの連動性が崩れていることが本質的な問題です。自分に合わない重量のシャフトを使い続けると、この悪い連動性がクセになってしまい、スイングを崩す原因にもなりかねません。

重量の違いがスイングに与える影響

シャフト重量の選択は、単なる体力の問題ではなく、弾道の高さや方向性、さらには飛距離にまで大きな影響を及ぼします。60gと90g、それぞれの特性を理解することで、なぜ自分がその重量を選ぶべきなのかが明確になります。ここでは、具体的な重量差がもたらすメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

60g台シャフトのメリットとデメリット

60g台のアイアンシャフトは、一般的に「軽量」の部類に入ります。最大の特徴は、軽い力でスイングスピードを上げやすいことです。ヘッドスピードがそれほど速くないゴルファーでも、楽に振り切ることができるため、平均飛距離が伸びる可能性が高いのがメリットです。

また、軽量シャフトはカーボン製が主流であるため、衝撃吸収性に優れています。肘や手首への負担が少なく、シニア層や女性、怪我を避けたいゴルファーにとっても優しい選択肢となります。長時間のラウンドでも疲れにくく、最後まで一定のスイングを維持しやすいのも魅力です。

一方でデメリットとしては、軽さゆえに「手打ち」を誘発しやすい点が挙げられます。スイング軌道が不安定になりやすく、風の強い日などはボールが流されやすくなることもあります。ある程度のパワーがある人が使うと、操作性が良すぎてしまい、逆に弾道が暴れてしまうリスクがあることも覚えておきましょう。

90g台シャフトのメリットとデメリット

90g台のシャフトは、多くのアマチュア男性ゴルファーにとって「黄金スペック」と呼ばれる標準的な重さです。代表的なのが日本シャフトの「N.S.PRO 950GH」などのスチールシャフトです。この重量帯の最大のメリットは、スイングの安定感と適度な重みによるリズムの作りやすさにあります。

ある程度の重さがあることで、スイング中に余計な手先の動きを抑えることができます。クラブの重さを利用して「置いてくるだけ」で打てる感覚になりやすく、方向性が安定します。また、スチール素材の場合は打感がダイレクトに伝わりやすく、ミスショットの感触が手に残るため、上達のフィードバックが得やすいのも特徴です。

デメリットは、やはり体力的な負担です。60g台に比べると確実に重いため、ヘッドスピードが低い人が使うと飛距離をロスする可能性があります。また、ボールが上がりにくく感じたり、無理に球を上げようとしてスイングを崩したりすることもあります。筋力に見合わない重さは、結果としてミスの原因になります。

シャフト重量の目安として、ドライバーのシャフトが50g台なら、アイアンは80g〜90g台を選ぶのが一般的です。これは「重量フロー」と呼ばれ、短いクラブほど重くすることで、すべての番手を同じ感覚で振れるようにする考え方です。

カーボンとスチールで感覚はどう変わる?

60g台と90g台の比較では、素材の違いも無視できません。60g台はほぼカーボン、90g台はスチールが一般的ですが、最近では90g台のカーボンや60g台のスチールも存在します。しかし、基本的には素材による「振動」と「しなり」の差が大きいです。

カーボンシャフトは、繊維の巻き方によってしなりの強さを自在に調整できます。そのため、軽くてもしっかりした硬さを出すことが可能です。打感は柔らかく、手に伝わる振動がマイルドです。一方、スチールシャフトは、金属特有の粘り強いしなりがあり、エネルギーがダイレクトにボールに伝わる感覚があります。

振り遅れに関しては、カーボンの方が「走る(しなり戻りが速い)」モデルが多く、ヘッドを加速させやすい傾向にあります。スチールは全体が粘るように動くため、自分のスイングスピードでヘッドを戻してくる感覚が強くなります。どちらが心地よく感じるかは、個人のスイングリズムに大きく依存します。

総重量だけでなくバランス(スイングウェイト)に注目

シャフト重量だけでなく、クラブを持った時の「ヘッドの重さの感じ方」を示す「バランス(スイングウェイト)」も重要です。例えば、シャフトが60gと軽くても、ヘッドが極端に重い設定(D3など)であれば、振り遅れやすくなります。逆に90gのシャフトでも、バランスを軽く(C9など)すれば、意外とスムーズに振れることがあります。

振り遅れに悩んでいる場合は、シャフトの重さ(静的な重さ)だけでなく、振っている時の重さ(動的な重さ)が自分に合っているかを確認しましょう。市販のアイアンの多くはD0〜D2程度に設定されていますが、シャフトを交換する際は、このバランスが変わってしまうことが多いため、工房などで調整してもらうのが安心です。

一般的に、軽量シャフトにする場合はバランスを少し重めに、重量シャフトにする場合はバランスを標準に保つのが失敗の少ない選び方です。自分の手の感覚を信じつつ、数値的にも無理のない設定を目指しましょう。

振り遅れが発生する仕組みとシャフト重量の罠

スイング中の振り遅れは、必ずしも技術不足だけが原因ではありません。道具選びの際に陥りがちな「罠」によって、無自覚のうちに振り遅れやすい状況を作っていることがあります。ここでは、スイングのメカニズムとシャフト重量の関係から、振り遅れの本質的な原因を探っていきます。

体の回転と腕の振りのズレが生じるメカニズム

ゴルフスイングの理想は、下半身、上半身、腕、そしてクラブが連動して動くことです。振り遅れとは、この連動の最後にある「クラブ」が、体の回転のスピードに追いついていない状態を指します。特にダウンスイングで体が先に目標を向いてしまい、腕が置いていかれるパターンが典型です。

ここでシャフト重量が関係してきます。自分にとって重すぎるシャフトを使っていると、ダウンスイングの始動でクラブを動かすのに時間がかかります。すると、体はどんどん回っていくのに、クラブがまだトップの位置から降りてこないという時間差が生じます。これが「物理的な振り遅れ」です。

逆に軽すぎるシャフトの場合、自分の意図よりも早く手元が降りてきてしまい、結果的にヘッドが遅れてフェースが開く「タイミングのズレによる振り遅れ」が起きます。どちらのケースも、シャフトの重さが自分の神経系とリンクしていないことが原因です。

軽すぎると「手打ち」になりやすく振り遅れる理由

意外に多いのが、軽いシャフトを使っているために振り遅れるパターンです。軽いクラブは操作が簡単なため、ついつい腕だけで振り回してしまいます。腕の力だけで振ろうとすると、スイングの支点が不安定になり、クラブが体から離れて遠回りをしやすくなります。

クラブが遠回り(外側を回る)をすれば、当然インパクトまでにかかる時間は長くなります。本人は一生懸命速く振っているつもりでも、クラブヘッドが描く円弧が大きくなりすぎてしまい、肝心のインパクトでヘッドが戻ってこないのです。これが「軽すぎるシャフトの罠」です。

また、軽すぎるとダウンスイングで「タメ」を保持しにくくなることもあります。タメが早くほどけてしまうと、インパクト直前で減速してしまい、フェースコントロールが効かなくなります。適度な重みは、重力を利用してスムーズにクラブを落とすためのガイドラインの役割を果たしているのです。

重すぎると「振り切れない」ことで振り遅れる理由

重すぎるシャフトによる振り遅れは、非常にシンプルです。自分の筋力で制御できる限界を超えた重さを持とうとすると、スイング全体が「持ち上げる・耐える」という動作になってしまいます。すると、スムーズな回転運動ができなくなり、動作が一つひとつ遅れていきます。

特に重要なのは、インパクト直前の「リリース」という動きです。重いクラブを振っていると、遠心力に負けて腕が伸び切ってしまい、ヘッドを返す(ターンさせる)動作が間に合わなくなります。結果としてフェースが開いたまま当たり、力のない右への打球になってしまいます。

さらに、重いクラブを強引に振ろうとして、上半身が力んでしまうことも問題です。肩周りの筋肉が固まると、腕の可動域が狭まり、ヘッドを走らせることができなくなります。重すぎるシャフトは、スイングの柔軟性を奪い、振り遅れを助長する最大の要因となり得ます。

シャフトの「しなり」と重量の相関関係

シャフト選びでは重量とセットで「硬さ(フレックス)」も考えなければなりませんが、これらは密接に関係しています。一般的に、60g台のシャフトは柔らかめに作られており、90g台はしっかりとした剛性があることが多いです。この「しなり方」が振り遅れに拍車をかけることがあります。

柔らかい60g台シャフトを速いスイングで振ると、しなりすぎて戻りが遅れ、結果として振り遅れます。逆に、硬すぎる90g台のシャフトをゆっくりしたスイングで振ると、しなりが全く使えず、棒を振っているような感覚になります。しなりが使えないとヘッドの加速が得られず、これもまた振り遅れのような感触を与えます。

振り遅れを防ぐためには、重量と硬さのバランスが自分のスイングスピードに同期していることが必須条件です。「重いけど柔らかい」あるいは「軽いけど硬い」といった特殊なセッティングが合う人もいますが、まずは自分の適正重量を知ることが先決です。

自分に最適なアイアンシャフトの重さを見極める基準

では、自分にとって60gが適切なのか、それとも90gが適切なのかを判断するにはどうすればよいのでしょうか。いくつかの客観的な基準を設けることで、迷いを減らすことができます。ここでは、自分にぴったりのシャフト重量を見極めるための具体的なチェックポイントをご紹介します。

ドライバーのヘッドスピードを基準にする方法

最も一般的で分かりやすい基準は、ドライバーのヘッドスピード(HS)です。ドライバーでどの程度のスピードを出せるかによって、アイアンで扱うべき重量の目安が決まります。ヘッドスピードに見合わない重さは、振り遅れだけでなく怪我の原因にもなるため注意しましょう。

一般的に、ドライバーのヘッドスピードが38m/s以下の場合は、60g台以下の軽量シャフトが適しています。体力を温存しつつ、効率よくヘッドを走らせることができるからです。一方、HSが40m/s〜44m/s程度ある場合は、90g台のスチールシャフトが安定感を発揮しやすく、振り遅れのリスクも少なくなります。

ドライバーHS 推奨アイアンシャフト重量 主な素材
〜36m/s 40〜50g台 カーボン
37〜40m/s 60〜70g台 カーボン・軽量スチール
41〜44m/s 90〜100g台 スチール(NS950等)
45m/s〜 110g台〜 重量スチール(DG等)

ただし、これはあくまで目安です。スイングのタイプ(急いで振るタイプか、ゆったり振るタイプか)によっても、適正重量は前後します。数値だけでなく、実際の振り心地を優先することが大切です。

アイアンの飛距離から逆算する重量選び

自分の飛距離も重要な指標になります。例えば、7番アイアンで140〜150ヤードをコンスタントに打てる人であれば、90g台のシャフトを使いこなせるパワーがあると言えます。逆に、120ヤード前後が限界という場合は、60g台のシャフトにすることで、ボールが高く上がり、飛距離も伸びる可能性が高いです。

飛距離が出ない原因が「振り遅れ」にある場合、シャフトを軽くすることでヘッドの帰りが良くなり、フェースがスクエアに当たりやすくなります。するとエネルギーの伝達効率が上がり、結果として飛距離が伸びます。もし今の飛距離に満足できず、かつ右へのミスが多いなら、重量をワンランク落とすことを検討すべきです。

逆に飛距離は出るけれど、左右に散らばるという人は、シャフトが軽すぎる可能性があります。90g台へ重量を上げることで、スイングの再現性が高まり、ショットの精度が向上するでしょう。飛距離と方向性のどちらを優先したいかによって、選ぶべき重さは変わってきます。

筋力や体力に合わせたスペックの決め方

ゴルフは18ホール、約4時間から5時間かけて行うスポーツです。練習場での数球がうまく打てたからといって、その重量がベストとは限りません。後半のホールになっても同じリズムで振り切れるかどうかが、実戦で使えるシャフト重量の基準になります。

普段から運動習慣があり、筋力に自信がある方なら、最初は少し重めに感じる90g台を選んでも、慣れとともに自分のものにできるでしょう。しかし、デスクワーク中心で体力に自信がない方が無理に重いものを使うと、後半に必ず振り遅れが発生します。ゴルフは「最後まで振り切れる中で最も重いもの」を選ぶのが鉄則と言われます。

「自分を過大評価しない」ことも、賢いシャフト選びのポイントです。少し楽に振れるスペックを選ぶことで、余計な力みが抜け、スイングが良くなるケースは非常に多いです。迷ったら、少し軽い方を選んでおくのが無難な選択と言えるでしょう。

フィッティングで確認すべき数値とは

最も確実なのは、専門のフィッターに見てもらうことです。最近のショップでは、トラックマンなどの高性能な測定器を使って、スイングの細かな数値を可視化できます。振り遅れを気にする際に特にチェックしたいのが「ミート率」と「フェースアングル」です。

60gと90g、両方を試打してみて、どちらの方が芯で捉えている回数が多いかを確認してください。また、インパクト時のフェースの向きが、右に向きがちな方は振り遅れ傾向にあります。自分では気づかないようなわずかな差も、数値で見れば一目瞭然です。

フィッティングを受ける際は、普段使っているグローブやシューズを持参しましょう。練習場と似た環境で打つことで、より正確な判断が可能になります。また、10球程度連続して打ち、疲れが出てきた時のデータも参考にすると良いでしょう。

振り遅れを解消するためのセッティングと練習法

シャフトの重量を決定した後、あるいは今のクラブで何とか振り遅れを直したい場合には、いくつかの工夫や練習法が効果を発揮します。単にシャフトを替えるだけでなく、トータルでの調整を考えることで、振り遅れの悩みは解消へ向かいます。

グリップ重量を調整して振り心地を変える

シャフトを交換せずに振り心地を変えたい場合、グリップの重量を変更するのが最も手軽な方法です。グリップには通常40g〜50g程度の重さがありますが、これを重いもの(60gなど)に変えると、手元側に重心が寄り、相対的にヘッドが軽く感じられます。これをカウンターバランス効果と呼びます。

手元が重くなると、スイング中の手元の位置が安定しやすくなり、振り遅れが軽減されることがあります。逆にグリップを軽いもの(30g台など)に変えると、ヘッドの重みを強く感じるようになります。ヘッドを利かせて打ちたい、あるいは軽すぎてリズムが取れない場合は、こちらが有効です。

ただし、グリップ重量の変化はバランス(スイングウェイト)を大きく変えてしまうため、極端な変更は禁物です。まずは数グラム単位での変更を試すか、専門家に相談しながら進めるのが失敗を防ぐコツです。グリップ一つで、振り遅れの感触が劇的に改善することもあります。

長さの調整で振り遅れを回避する考え方

クラブの「長さ」も振り遅れに直結します。物理的に長いものほど、戻ってくるまでに時間がかかるため、振り遅れやすくなります。もし90g台のシャフトが重くて振り遅れていると感じるなら、シャフトを0.25インチほど短くカットするだけで、驚くほど振り抜きが良くなることがあります。

クラブを短くすると、回転の半径が小さくなるため、同じ体力でもヘッドを加速させやすくなります。また、ミート率も向上するため、結果として飛距離が落ちないことも多いです。「重さは好きだけど、どうしても振り遅れる」という場合は、短尺化という選択肢も視野に入れてみてください。

もちろん、短くしすぎるとライ角が変わってしまうなどの影響もありますが、アイアンの場合は調整が可能です。自分にとってコントロールしやすい長さを見つけることは、シャフト重量を選ぶことと同じくらい重要なプロセスです。

重いクラブをゆっくり振るドリル

振り遅れを改善するための練習法として最も効果的なのが、重いクラブ(または2本重ねたクラブ)をゆっくり振る練習です。振り遅れる人の多くは、切り返しで打ち急いでしまい、体と腕のバラバラな動きを加速させてしまっています。

あえて重いものをゆっくり振ることで、体幹を使った大きな回転を体に覚え込ませることができます。重いものは手先だけでは持ち上がらないため、自然と全身を使うようになります。この「全身を使ったスイング」ができるようになれば、たとえシャフトが90gであっても、振り遅れることなくミートできるようになります。

スイングのテンポを整えることも意識しましょう。心の中で「イチ、ニ、サン」と一定のリズムを刻みながら振ることで、シャフト重量に合わせた最適な間が作れるようになります。練習の冒頭にこのゆっくりスイングを取り入れるだけで、実戦でのミスが激減します。

カウンターバランス(手元重心)の活用法

最近の流行でもある「カウンターバランス」設計のシャフトやパーツを活用するのも一つの手です。これはシャフトの手元側の剛性を高めたり、重いパーツを配置したりすることで、振り抜きの良さを追求した設計です。60g台のカーボンシャフトでも、この設計を取り入れているモデルは多いです。

カウンターバランスのメリットは、総重量を落とさずに振り抜きを軽くできる点にあります。90g台のシャフトが重くて振り遅れるけれど、軽いシャフトにすると弾道が不安定になるという方にとって、非常に有効な解決策となります。手元側に重さがあることで、ダウンスイングの切り返しがスムーズになり、ヘッドが遅れにくくなります。

市販の鉛(なまり)を手元側に貼るだけでも、似たような効果を体験できます。今のアイアンを買い替える前に、手元に数グラムの鉛を貼って試打してみるのも、自分の好みのバランスを知る良いテストになるでしょう。

【振り遅れ対策のまとめ】

・グリップ重量の変更でカウンターバランスを試す

・シャフトを少し短くして操作性を高める

・重いクラブをゆっくり振る練習でリズムを整える

・手元重心(カウンターバランス)設計の道具を検討する

アイアンシャフト60g・90g選びと振り遅れ対策のまとめ

まとめ
まとめ

アイアンのシャフト重量選びにおいて、60gと90gのどちらが正しいという答えはありません。大切なのは、あなたの筋力、スイングスピード、そしてリズムにその重さが同期しているかどうかです。振り遅れに悩んでいるのであれば、まずは現状のスペックを見直すことから始めましょう。

もし、重すぎて振り切れないことが原因で振り遅れているなら、思い切って60g台の軽量シャフトに替えることで、ゴルフが驚くほど楽になります。逆に、軽すぎてスイングが安定せず、タイミングを崩して振り遅れているなら、90g台の適度な重みがあなたのスイングを導いてくれるはずです。

最後に、シャフト重量選びのポイントを振り返ります。

ドライバーのヘッドスピードを目安にして、無理のない重量帯を選ぶ

飛距離と方向性のバランスを考え、目的に合った素材と重さを選択する

・18ホール最後まで振り切れる重さを基準にし、疲労時のミスを防ぐ

・数値だけでなく、実際に試打した時の「振り心地」や「タイミングの合いやすさ」を優先する

自分に合ったアイアンシャフトを見つけることは、スコアアップだけでなく、怪我を防ぎ、長くゴルフを楽しむことにもつながります。この記事で紹介した内容を参考に、あなたにとってのベストなパートナーとなるシャフトを見つけてください。自分にぴったりの一本に出会えれば、振り遅れへの恐怖心は消え、自信を持ってグリーンを狙えるようになるでしょう。

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