ゴルフを楽しんだ翌朝、ベッドから起き上がろうとした瞬間に「背中が痛い!」と感じたことはありませんか。ゴルフは全身を使うスポーツですが、特に背中にはスイングによる大きな負担がかかりやすいものです。せっかくの楽しい趣味も、翌日に痛みが残ってしまうと、その後の日常生活や仕事に影響が出てしまいますね。
この記事では、ゴルフの翌日に背中が痛いと感じる原因を紐解き、痛みを和らげるための効果的なストレッチ方法を詳しくご紹介します。筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を高めることで、痛みの出にくい体作りを目指しましょう。痛みの原因を正しく理解して、適切なケアを行うことが、長くゴルフを楽しみ続けるための第一歩となります。
初心者の方はもちろん、ベテランゴルファーの方も、自分の体の声に耳を傾けながら読み進めてみてください。無理のない範囲で取り入れられる簡単なケアばかりですので、ぜひ今日から実践してみましょう。
ゴルフの翌日に背中が痛い理由とは?体のメカニズムを知ろう

ゴルフのプレー後に背中が痛むのは、単なる運動不足だけが原因ではありません。ゴルフ特有の動作が、私たちの背中にどのような影響を与えているのかを詳しく見ていきましょう。
スイングによる広背筋や脊柱起立筋の過度な負担
ゴルフのスイングは、上半身を大きく捻り、その反動を利用してボールを飛ばす動作です。この時、背中の大きな筋肉である「広背筋(こうはいきん)」や、背骨を支える「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」がフル稼働しています。
広背筋は腕を後ろに引いたり、体を回転させたりする時に使われるため、スイングの始動からフォロースルーまで常に緊張状態にあります。特に、飛距離を出そうとして力んでしまうと、これらの筋肉に過剰な負荷がかかり、翌日の筋肉痛や張りとして現れます。
脊柱起立筋は、スイング中の前傾姿勢を維持するために欠かせない筋肉です。ラウンド中はアドレス(構え)の姿勢を何度も繰り返すため、知らず知らずのうちに疲労が蓄積し、翌朝の痛みにつながることが多いのです。
体の柔軟性不足による無理な「ひねり」の影響
ゴルフにおいて「捻転(ねんてん)」、つまり体のひねりは非常に重要ですが、体全体の柔軟性が不足していると、特定の部位に負担が集中してしまいます。特に、股関節や胸椎(きょうつい:背骨の胸の部分)が硬い人は要注意です。
本来、スイングの回転は股関節や胸椎がスムーズに動くことで成立します。しかし、これらが硬いと、動かない分を背中の中央部や腰で補おうとして、無理にひねりすぎてしまうのです。この「代償動作(だいしょうどうさ)」が、背中の筋肉や関節を痛める大きな原因となります。
特にデスクワークなどで日頃から姿勢が固まっている方は、自覚している以上に体が硬くなっている場合があります。柔軟性が低い状態でフルスイングを繰り返すことは、背中にとって大きなストレスになることを覚えておきましょう。
プレー中の姿勢と長時間の歩行による全身疲労
ゴルフはスイングの時間よりも、移動や待ち時間の方が長いスポーツです。1ラウンドで約10キロメートル近く歩くことも珍しくありません。長時間の歩行や、傾斜地でのスタンスは、足腰だけでなく背中の筋肉にも負担をかけ続けます。
また、パッティングの際の深い前傾姿勢や、カートでの移動中に同じ姿勢を取り続けることも、血流を悪くする要因です。筋肉は同じ姿勢を長く続けると硬くなりやすく、その状態で急に激しいスイングを行うことが、痛みを誘発する引き金になります。
さらに、重いキャディバッグを肩にかけたり、中腰での動作が多かったりすることも、背中へのダメージを蓄積させます。これらプレー環境全体の要因が重なり合って、翌日の背中の痛みとして表面化するのです。
痛い場所でわかる!トラブルが起きている筋肉とスイングの癖

背中のどのあたりが痛むかによって、スイングの癖や負担がかかっている筋肉を推測することができます。自分の痛みの部位と照らし合わせてみましょう。
肩甲骨まわりの痛みは「手打ち」が原因?
肩甲骨の周辺や、左右の肩甲骨の間に痛みを感じる場合、スイングが「手打ち」になっている可能性があります。手打ちとは、下半身や体幹を使わずに、腕の力だけでクラブを振ってしまう状態のことです。
腕だけで振ろうとすると、肩甲骨を動かす「菱形筋(りょうけいきん)」や、肩まわりの筋肉に過度な力が入り、強い緊張状態が生まれます。本来は体全体の回転で打つべきところを、肩周りの筋肉だけで支えようとするため、筋肉が悲鳴を上げてしまうのです。
また、スイングのフィニッシュで肩を無理に回し込もうとする動きも、肩甲骨周りの痛みを引き起こします。肩甲骨の可動域を超えた動きを強いることで、周囲の筋肉や筋膜が傷つきやすくなります。
背中の下部や腰に近い場所の痛みは「反り腰」をチェック
背中の中ほどから下、腰に近い部分に痛みがある場合は、アドレス時の姿勢に注目してみましょう。特に、お尻を突き出しすぎて背中が反ってしまう「反り腰」の状態で構えているゴルファーに多い症状です。
反り腰のままスイングを行うと、背骨の関節同士がぶつかりやすくなり、脊柱起立筋にも常に強いテンションがかかった状態になります。この姿勢で体をひねると、腰椎(ようつい)や背中の下部に過剰な回転負荷がかかり、鋭い痛みを引き起こすことがあります。
腹筋に力が入りにくいタイプの人も、背中の下部を痛めやすい傾向があります。体幹で体を支えきれず、背中の筋肉だけで姿勢を維持しようとするため、疲労が一点に集中してしまうのです。
片側だけが極端に痛むのは左右のバランスの崩れ
右打ちの方で「右側の背中だけが痛い」あるいは「左側だけが痛い」といった偏りがある場合は、スイングの左右バランスが崩れているサインかもしれません。ゴルフは一方向にのみ体を動かす非対称なスポーツであるため、もともと左右差は出やすいものです。
例えば、テークバック(振り上げ)で右側に強く乗りすぎたり、フォロースルーで左側に強く踏み込みすぎたりすると、片側の筋肉だけが引き伸ばされ、反対側が強く収縮します。このバランスが極端だと、片側の筋肉にだけ微細な損傷が起こります。
また、日常生活での姿勢の癖(いつも同じ肩にカバンをかけるなど)がある状態でゴルフをすると、もともと硬い方の筋肉がスイングの動きを妨げ、痛みを増長させることがあります。左右のバランスを意識したケアが必要になります。
スイングの動画を撮って見返してみるのも良い方法です。自分が思っている以上に、不自然な角度で背中が曲がっていたり、力んでいたりすることに気づけるかもしれません。
ゴルフ後の背中の痛みを和らげるおすすめストレッチ

痛みを解消するためには、硬くなった筋肉を優しく伸ばして血流を改善することが不可欠です。翌日の痛みはもちろん、ラウンド直後に行うことで回復を早めることができます。
広背筋を伸ばして背中全体の緊張を解くストレッチ
背中の大きな筋肉である広背筋をほぐすと、背中全体の圧迫感が軽減されます。まずは椅子に座った状態や、床に四つん這いになった状態で行える簡単なストレッチをご紹介します。
広背筋のストレッチ手順
1. 四つん這いの姿勢になります。
2. 両手を少し前方に伸ばし、お尻をゆっくり後ろへ引いていきます。
3. 脇の下から背中の横にかけてが伸びているのを感じながら20秒キープします。
4. 余裕があれば、手を少し右斜め前に置いて、左の背中を重点的に伸ばしましょう。逆も同様に行います。
このストレッチのポイントは、呼吸を止めないことです。深く息を吐きながら筋肉を緩めるイメージで行いましょう。無理に強く引っ張るのではなく、心地よいと感じる強さで止めるのが効果的です。
広背筋がほぐれると、呼吸も深くなり、全身の疲れが抜けやすくなります。特にお風呂上がりなど、体が温まっているタイミングで行うのがベストです。
胸椎の可動域を広げる「キャットアンドカウ」
背骨の動きをスムーズにするために最適なのが、ヨガでも有名な「キャットアンドカウ(猫と牛のポーズ)」です。この動きは、背中全体の筋肉を収縮・弛緩させることで、柔軟性を取り戻すのに役立ちます。
四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め、おへそを覗き込みます。この時、肩甲骨が外側に広がるのを意識してください。次に息を吸いながら、今度は背中を緩やかに反らせ、胸を前へ向けます。この時、肩甲骨を寄せるように意識しましょう。
この動作を5回から10回程度ゆっくり繰り返すと、背骨まわりの筋肉がほぐれていきます。ゴルフスイングで固まりがちな胸椎(背中の中央)の動きが改善されるため、痛みの緩和だけでなくスイングの向上にも繋がります。
背中が痛い時は、無理に反らせる必要はありません。自分ができる範囲の小さな動きから始め、徐々に可動域を広げていくようにしてください。
肩甲骨をはがしてスムーズな回転をサポート
肩甲骨周りの筋肉が固まると、背中の痛みだけでなく肩こりの原因にもなります。「肩甲骨はがし」と呼ばれるストレッチで、肩甲骨の動きを自由にしてあげましょう。道具を使わずにどこでもできる方法です。
両手の指先を自分の肩に乗せ、肘で大きな円を描くようにゆっくりと回します。ポイントは、肘が一番上に来た時に耳の横を通るようにし、後ろに回した時に左右の肩甲骨をギュッと寄せることです。
これを前回し、後ろ回しそれぞれ10回程度行います。肩甲骨が動くことで、その周辺にある多くの筋肉が刺激され、血行が良くなります。背中の重だるい感じがスッと軽くなるのを実感できるはずです。
特にスイングで「手打ち」になりがちな方は、この肩甲骨の可動域が狭くなっていることが多いです。日頃から隙間時間に行うことで、背中のトラブルを防ぐ効果も期待できます。
股関節の柔軟性を高めて背中の負担を軽減
「背中が痛いのに股関節?」と思われるかもしれませんが、実は非常に重要なポイントです。股関節が硬いと、スイングの回転運動を背中が無理に肩代わりしなければならず、結果として背中を痛めてしまうからです。
床に座って両足の裏を合わせ、膝を左右に広げる「合蹠(がっせき)のポーズ」がおすすめです。背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上体を前に倒していきましょう。股関節の付け根が伸びるのを感じながら、リラックスして呼吸を続けます。
股関節が柔らかくなると、スイング時にスムーズに腰が回り、背中への「ひねりすぎ」を防ぐことができます。ゴルフの翌日のケアとしてだけでなく、飛距離アップのための基礎トレーニングとしても非常に有効です。
背中の痛みがある時は、体全体が緊張しています。下半身からじっくりほぐしていくことで、結果的に背中の緊張も解けていくという相乗効果を狙いましょう。
痛みを繰り返さないために!日頃からできるケアと習慣

一時的に痛みを解消するだけでなく、次回のゴルフを快適に楽しむための予防習慣を身につけましょう。日々のちょっとした意識で、背中の痛みは劇的に減らすことができます。
プレー前のウォーミングアップで筋肉を呼び起こす
朝一番のティーショットの前に、しっかりと体を温めていますか。急に激しいスイングをすることは、眠っている筋肉を無理やり引きちぎるようなものです。スタート前の10分間のウォーミングアップを習慣にしましょう。
ラジオ体操のような全身運動も良いですが、特にゴルフに特化した動的ストレッチが効果的です。クラブを両手で持って頭上に掲げ、左右にゆっくり倒したり、背中でクラブを担いで体を左右に回旋させたりする動きを取り入れてください。
これにより、筋肉の温度が上がり、関節の可動域が広がります。「いきなり打たない」ことが、背中の怪我を未然に防ぐための鉄則です。少し息が上がる程度に体を動かしてから、練習場やティーグラウンドへ向かいましょう。
プロゴルファーも、試合前には入念なウォーミングアップを行います。アマチュアこそ、怪我のリスクを避けるために準備運動を大切にするべきです。
ラウンド直後のクールダウンを習慣にする
ゴルフが終わった後、すぐに着替えて帰路についていませんか。プレー直後の筋肉は、疲労物質が溜まり、熱を持っている状態です。そのままにしておくと、翌朝の強い痛みやだるさに直結します。
ホールアウトした直後に、使った筋肉を軽く伸ばす「静的ストレッチ」を行いましょう。先ほど紹介した広背筋や股関節のストレッチを、力を抜いて30秒ほどじっくり行います。これにより、血流が促進され、疲労物質の排出がスムーズになります。
また、お風呂でゆっくりと湯船に浸かることも非常に有効です。水圧と温熱効果で全身の血行が改善され、筋肉の強張りが解けていきます。シャワーだけで済ませず、10分程度は湯船に浸かってリラックスする時間を作ってください。
冷えが気になる場合は、上がった後に軽くマッサージを行うのも良いでしょう。ただし、痛みがある場所を強く揉みすぎるのは逆効果ですので、優しくさする程度にとどめてください。
体幹を鍛えて安定したスイングを手に入れる
背中の痛みを根本から解決するためには、背中の筋肉に頼りすぎない「安定したスイング」が不可欠です。その鍵を握るのが、お腹周りの筋肉である体幹です。
体幹がしっかりしていると、スイング中に軸がぶれず、背中の筋肉が過剰に踏ん張る必要がなくなります。家でできる簡単なトレーニングとして「プランク」を取り入れてみましょう。
| 項目 | 内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| プランク | 前腕とつま先で体を支え、一直線を保つ(30秒〜) | 体幹の安定、姿勢の改善 |
| スクワット | 背筋を伸ばしたまま腰を落とす(15回×3) | 下半身の強化、背中への負担軽減 |
| ドローイン | お腹を深く凹ませたまま呼吸を続ける | 腹横筋の活性化、腰痛予防 |
これらのトレーニングを週に2〜3回行うだけで、ゴルフスイングの安定感が増し、結果として背中への負担が軽減されます。筋肉量が増えることで基礎代謝も上がり、疲れにくい体を手に入れることができます。
一度にたくさんやる必要はありません。「1日3分だけ」と決めて継続することが、数ヶ月後のゴルフライフを劇的に変えてくれるはずです。
これって怪我?病院へ行くべき痛みのサインと判断基準

背中の痛みが単なる筋肉痛であればストレッチで改善しますが、中には専門的な治療が必要なケースもあります。放置すると悪化する恐れがあるため、以下のサインを見逃さないようにしましょう。
安静にしていても痛みが引かない場合
通常の筋肉痛であれば、プレーの翌々日あたりをピークに、3日〜1週間程度で徐々に痛みは引いていくものです。しかし、何もしなくてもズキズキ痛む、寝返りを打つだけで激痛が走る、といった状態が続く場合は注意が必要です。
特に、深呼吸をしたり、咳やくしゃみをしたりした時に背中に鋭い痛みが響く場合は、肋骨(ろっこつ)の疲労骨折や、重度の筋膜損傷の可能性があります。ゴルフは同じ動作を繰り返すため、知らず知らずのうちに骨に負担が蓄積していることもあるのです。
「たかが筋肉痛」と過信せず、3日以上経っても痛みの強さが変わらない、あるいは強くなっていると感じる場合は、早めに整形外科を受診しましょう。早期発見が、早い復帰への一番の近道となります。
痺れや力が入りにくい症状がある時
背中の痛みと同時に、手足に痺れ(しびれ)を感じたり、力が入りにくかったりする場合は、神経系のトラブルが疑われます。背骨の間にあるクッションの役割を果たす「椎間板(ついかんばん)」が飛び出し、神経を圧迫している可能性があります。
いわゆる「椎間板ヘルニア」などの症状は、ゴルフのスイングによる急激な回旋負荷で悪化することがあります。痺れは単なる疲れでは起こらない症状ですので、決して軽視してはいけません。
また、お尻から太ももにかけての痛み(坐骨神経痛など)を伴う場合も、背中や腰のトラブルが原因である可能性が高いです。このような神経症状がある時は、ストレッチを無理に行わず、まずは医師の診断を仰いでください。
痛みの種類が「重い」ではなく「鋭い」
筋肉痛は一般的に「じわーっと重だるい」「動かすと痛い」といった感覚ですが、怪我の場合は「ピリッとする」「刺すような鋭い痛み」であることが多いです。スイングの瞬間に「グキッ」とした衝撃があった場合も要注意です。
ぎっくり背中と呼ばれる急性の筋膜炎や、肉離れが起きている可能性があります。これらの状態でストレッチを行うと、損傷した部位をさらに広げてしまい、治りを遅くする原因になります。
痛みが鋭い場合は、まずは「安静」と「アイシング(冷却)」が基本です。熱感がある箇所を15分ほど冷やし、無理な動きは控えましょう。自分の感覚を信じて、「いつもと違う痛みだ」と感じたら、適切な医療機関で検査を受ける勇気を持ってください。
ゴルフの翌日に背中が痛い時の対策とまとめ
ゴルフの翌日に背中が痛むのは、多くの場合、スイングによる過度な筋肉の負担や柔軟性の不足、そして蓄積された疲労が原因です。広背筋や脊柱起立筋をいたわり、肩甲骨や股関節の可動域を広げるストレッチを行うことで、痛みの緩和と再発防止を期待できます。
大切なポイントを振り返ってみましょう。まず、プレー前後のウォーミングアップとクールダウンを習慣にすること。次に、無理なスイングを避け、日頃から体幹を意識したトレーニングを取り入れることです。そして、鋭い痛みや痺れがある場合は、無理をせず専門医の診断を受けるようにしてください。
ゴルフは生涯楽しめる素晴らしいスポーツです。しかし、そのためには自分の体をメンテナンスする時間も、練習と同じくらい大切にする必要があります。今回ご紹介したストレッチやケアを日常に取り入れて、翌朝も軽やかな体で目覚められる、快適なゴルフライフを送りましょう。




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